【疲労とおさらば】登山中のシャリバテを防ぐ行動食の食べ方と必要なカロリー量の目安

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登山をしているとよくおやつを食べている人を見かけますよね。

「子どもの遠足じゃあるまいしおやつなんか…」と思っていませんか?

実は、登山中に食べるこのおやつ(ここからは行動食)には、疲れない身体にするための大事な役割があるのです!

しかし、行動食はいつ食べたら良いのか分からない人も多いのではないでしょうか?

今回は、登山中に行動食を食べる理由や食べるタイミングや量などを詳しく解説していきます!

目次

登山でよく聞く「シャリバテ」とは?

登山をしているとよく耳にする「シャリバテ」。

「シャリバテ」は登山用語で、他のスポーツであるマラソンやロードレースなどでは「ハンガーノック」と呼ばれています。

「シャリバテ」を簡単に言えば、その名の通り「身体のシャリ(飯、エネルギー)が無くなり、バテてしまう」ことです。

びっきー

自動車で例えるならばガス欠(燃料切れ)だね!

日常生活ではよほどのことがない限り起きませんが、登山などの長時間の有酸素運動で多くのエネルギーを消費するスポーツでは、活動時に空腹や栄養不足になり血糖値が下がることで、シャリバテが起こります。

シャリバテになるとこのような症状が現れます。

シャリバテの症状
  • 疲労感・脱力感が現れ身体が動かなくなったり、歩行が困難になる
  • 足がつる、立ちくらみ、頭痛など様々な症状が出てくる
  • 脳へのエネルギー供給が出来ず、意識の低下や注意力が散漫になる

このようにシャリバテになると身体が危険な状態になり、結果的に転倒や滑落、遭難を引き起こす危険性が高くなります。 

この危険なシャリバテ状態を防ぐために必要なのが行動食なのです!

登山のエネルギー消費量はハンパない!?自分に必要なカロリーの計算方法

シャリバテが起こりうる登山…。

登山をすると痩せると聞きますが、それほど運動量が多くエネルギーの消費量が高いスポーツなんです。

分かりやすく運動負荷を数値化したものが国立健康・栄養研究所から出ています。

メッツ個別活動
6.50〜4.1kgの荷物を持って山を登る
7.34.5〜9.1kgの荷物を持って山を登る
8.39.5〜19.1kgの荷物を持って山を登る
9.019.1kg以上の荷物を持って山を登る
身体活動のメッツ(METs)表

このように「メッツ」という数値で運動負荷を表しています。

メッツは安静時を1として、数値が大きいほど負荷は高くなります。

私が日帰りや1泊登山をする時の荷物が5kgほど、夏場で水の量が多いときは8〜9kg程度になります。

みなさんも同じくらいの荷物の重さと考えて、メッツと照らし合わせると数値は7.3〜8.3になります。

テニスやバスケットボールの試合が8.0メッツとされているので、これらのスポーツに匹敵するほどの運動負荷が登山にはあります。

登山の運動負荷が分かったところで、次に「メッツ」を使いながら登山で消費するエネルギー量を計算します。

登山で消費するエネルギー量の計算方法

ちょっとややこしいですが、こちらがエネルギー消費量を求める計算式になります。

6時間の登山でこれだけのエネルギーを消費するとは衝撃ですね。

2,948kcalというと、一般的な成人男性(18〜29歳)の1日に必要な推定エネルギー必要量が2700kcalほどと言われているので、登山1回で1日分のエネルギーを使っていることになります!
参照:日本医師会https://www.med.or.jp/forest/health/eat/01.html

例えでエネルギー消費量を出しましたが、ご自身の体重や荷物の量、コースタイムで消費量は変わってきます。

ぜひ登山に行く前に計算してみてください。

計算で出た数値が、自分がどれくらい行動食を食べればよいかを把握する目安になります!

食べる量は、その登山で消費する(計算で出した)カロリーの7,8割が補える分の量の行動食です。

シャリバテを防ぐ行動食の食べ方

自分に必要な行動食の量が分かったところで、次は登山中にどう補給すれば良いかをお伝えします!

「行動食」と言うからには、お昼の大休憩の時にがっつり食べるものとは違いますよ。

1〜2時間おきに、こまめに食べる

行動食を食べるタイミングが分からない、という人も多いでしょう。

結論から言うと、「最低でも2時間に1回、ベストは1時間に1回食べる」です。

シャリバテを防ぐためには糖質が必要なのですが、体の中に貯蔵出来るのは約400gと少量で、運動時にはすぐに枯渇してしまいます。

アメリカスポーツ医学会のガイドラインによると、「疲労を防ぐために、1時間あたり30〜60gの糖質を摂取することが望ましい」とされています。

シャリバテは疲れていない時からの対策が必要です。

休憩時でも歩きながらでもいいので、こまめに行動食を摂ることを意識をしましょう。

また、下山時では行動食を食べない人も多いかと思います。

しかし、下りも登りと同様に運動負荷が高く、エネルギー消費量も高いです。

そして、下山時に事故の発生率が高いことはご存知の方も多いでしょう。

登りに比べたら補給する重要度は低いですが、下りでスピードが出るからと焦らず、一旦止まって行動食を食べて一呼吸おくことで、事故の発生を防ぎ安全に下りることが出来ます。

糖質を優先して取り入れる

登山時に必要な栄養素は、糖質や脂質、アミノ酸やミネラルなど多くあります。

その中でも、エネルギー源となるのは糖質と脂質の2つです。

糖質

糖質は、エネルギー源(1gあたり4kcal)として最も多く利用され、摂取してから最も早くエネルギーに変わる即効性のある栄養素です。

体の中に貯蔵できる糖質の量は約400gと少なく、すぐに枯渇してしまいます。

一気に食べると血糖値が急上昇・急降下して、脱力や思考力の低下などを招く可能性があるので、注意が必要。

脂質

脂質は、1g4kcalの糖質に対して1g9kcalと効率の良いエネルギー源です。

高エネルギーで、糖質と違い身体に蓄えられる量に限りがありません。

糖質と比べて、燃焼し始めるのに時間がかかるのが特徴。

この2つのうちシャリバテを防ぐのに効果的なのは、エネルギー変換の早い糖質になります。

糖質が空っぽになると脂質がエネルギーになってくれるのでは?と思いますが、脂質は糖質が無いと燃えてくれない栄養素なのです(厄介…)

また、糖質が空っぽになると、筋肉や内臓のタンパク質が燃えてしまい、これも疲労を感じやすい身体になってしまう原因になるのです。

ですので、どんな栄養素よりもまず糖質を優先して補給することが大切になってきます。

水分・塩分補給も忘れずに

「シャリバテを防ぐ」からは少しずれますが、水分・塩分補給もバテない登山をするのには大切です。

登山では、トイレが無いからと水分補給を控えめにする人も見かけますが、山の上は乾燥している上に汗もかきますので、たくさんの水分が体から失われていきます。

脱水症状になると、シャリバテと同じように体のだるさや脱力感、立ちくらみなどの症状が出てきます。

トイレの心配は後回し。行動食と一緒に水分・塩分補給も積極的に行いましょう。

補足:登山日の朝食も大切です!

シャリバテを防ぐのに行動食がとても有効な手段だということはお分かりいただけたかと思います。

しかし、シャリバテにならないようにもう一つした方が良いのが「朝食を食べる」ことです。

朝食を食べないということは、登山前から空腹や栄養不足で血糖値が下がっている状態で、シャリバテになる可能性が格段に高くなります。

ダイエット目的で登山をやっていたり、朝が早いからと朝食を抜いてしまう人もいるかもしれませんが、必ず朝食を食べてから登山をしましょう。

家で食べる時間がない場合は、コンビニに寄っておにぎりやバナナを調達しましょう。

もし、固形物が喉を通らない場合はゼリーやカップスープだけでも摂っておくと、シャリバテになりにくくなります。

私は、登山の日の朝食におにぎり2つとバナナ1本を食べています!(食べ過ぎ?笑)

特にバナナはエネルギーに必要な糖質だけでなく、疲労予防・足つり予防になる栄養素がたくさん含まれていて、登山前におすすめの食材です。

まとめ

以上で、行動食を食べる理由やその食べ方や量についてご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

最後に簡単におさらいしていきます。

行動食を食べる理由
STEP
登山中にエネルギーが無くなると「シャリバテ」という現象が起きる
STEP
シャリバテになると歩行が困難になったり、注意力が散漫になるなど危ない状態になる。
STEP
このシャリバテを防ぐためにエネルギー補給として行動食を食べる
シャリバテを防ぐ行動食の食べ方
  • 1〜2時間おきに、こまめに食べる
  • 糖質を優先して取り入れる
  • 水分・塩分補給も忘れずに

登山中にこれらを意識しながら行動食を摂ることで、疲れ知らず・バテない快適な登山を行うことが出来るでしょう。

ぜひ実践してみてください!

また、【おすすめ紹介】登山に持って行きたい行動食の選び方とおすすめ15選では、今回説明したシャリバテだけではない、糖質以外の栄養素を含む「登山に持って行きたい行動食」を紹介しているので、あわせてご覧ください。

それでは…おしまい!

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