20〜60代における平均的な視力が約0.5と言われているわれわれ日本人。
多くの登山者はメガネやコンタクトをして登っているかと思います。
目が悪いならコンタクトでも良いはずですが、メガネをかけていなきゃいけない人も中にはいるでしょう。
「顔にインパクトが無いからファッションとしてメガネをかけておきたい」、「目の中に傷があるからコンタクトをつけられない」など理由は様々。
そこで、今回はそんな方におすすめのサングラスを2種類、全部で5アイテム紹介します!
今回の記事の趣旨は“自分のメガネをかけたまま装着出来るサングラス”なので、「度付きサングラス」というメガネとサングラスが一体になったアイテムについてはあらかじめ触れないことをお伝えしておきます。
この記事ではサングラスの必要性や選び方をポイントだけを押さえて書いています。
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を合わせてご覧ください。
登山でサングラスをする必要性
登山でサングラスをする理由は「目を紫外線のダメージから守ること」にあります。
紫外線は標高が1000m上昇するごとに平地の10%〜12%も増加するので、登山ではより多くの紫外線を浴びることになります。
目に紫外線を浴び続けると、痛みを伴った充血や角膜炎、それを繰り返すと白内障などの目の病気になる恐れがあります。
また目から入る紫外線により、肌が日焼けしたり疲労感を引き起こす原因にもなります。
紫外線以外にも、小さな虫や砂埃、乾燥から目を守る役割もサングラスにはあります。
メガネをかけている人が装着出来る登山用サングラスの選択肢
裸眼やコンタクトの人はごく一般的なタイプのサングラスをかけることが出来ますが、メガネをかけている人はそのタイプだと干渉してしまいますので装着することができません。
メガネをかけたまま装着出来るサングラスは主に以下の2つになります。
①クリップオンサングラス
クリップオンサングラスは、お手持ちのメガネのフレームやブリッジ部分に金具やクリップを引っ掛けるだけの着脱がとても簡単なサングラス(レンズ)です。
サングラスの機能は持ちながらもレンズ部分だけの販売なので、2000〜3000円ほどと一般的なサングラスに比べて安いのが特徴です。
メガネの上部に引っ掛けるだけなので跳ね上げが可能になっているタイプが多く、暗い場所や景色をクリアな視界で見たい時にいちいち外す手間がかからないので便利です。
一眼レフなどで撮影する方にとってもシャッターチャンスを逃すことなく使えるのでおすすめです。
普段のメガネそのままの視界を保てるので、違和感の無い見え方で使えます。
メガネにはボストン型やウェリントン型など様々な形がありますが、それに対応するように種類が出ているので、違和感なく装着することが出来るようになっています。
②オーバーグラス
近視や乱視の度合いが強くて度付きサングラスが作れない、しっかり紫外線対策がしたいという方におすすめなのがオーバーグラスです。
オーバーグラスはメガネをかけたその上から装着出来るサングラスです。
オーバーグラスの最大の特徴は側面、ものによっては全方位を覆ってくれるフレームです。
太陽の光・紫外線は真正面からだけでは無く、上・横・後ろなどどんな角度からも目を襲ってきます。
それから守ってくれるのがオーバーグラスのフレームです。
ほかにも風除けになりドライアイを防げたり、花粉症がひどい方にもおすすめ。
登山用サングラスの選び方・注意点
次は登山用サングラスの選び方について説明していきます。
クリップオンサングラスとオーバーグラスでそれぞれ選ぶ時の注意点もありますので、購入の時に参考にしてみてください。
レンズカラーで見え方が変わる
サングラスにはグレーやブラック以外にも、ブルー系やイエロー系、ブラウン系などさまざまなカラーのレンズがあります。
そのカラーによって、景色の見え方や薄暗い場所・日差しが強い時など使いやすいシーンが変わってきます。
しかしクリップオンサングラスとオーバーグラスには、グレー・ブラック系かブラウン系以外のカラーがない商品が多くなっています。
「なので」と言うのもおかしいですが、裸眼と近い色合いの見え方がするグレー・ブラック系のレンズを選ぶと良いでしょう。
UV(紫外線)カット率は99%以上のものを選ぼう
登山でサングラスをかけるで一番の理由はUV(紫外線)をカットすることです。
しかし、サングラスの全商品にUV(紫外線)カット効果があるレンズが使用されているとは限りません。
UVカット効果が高くない、主に眩しさ(可視光線)だけをカットするサングラスも存在します。
製品情報をよく読み、UVカット率99%以上のレンズを使用したサングラスを選びましょう。
偏光レンズ、調光レンズどっちを選ぶ?
登山用サングラスを選ぶ際に悩むポイントのひとつである「偏光レンズにするか、調光レンズにするか」問題。
今回紹介しているクリップオンサングラスもオーバーグラスも、一般的なサングラスに比べて調光レンズを使った商品が圧倒的に少なくなっています。
調光レンズの特徴である、紫外線量によってレンズの色が自動で変わり見やすさを調整してくれる機能が絶対に欲しい!という方以外は、偏光レンズでお探しになるといいと思います。
クリップオンサングラスの選び方
メガネにはウェリントン型やボストン型など、丸いものから四角いものまでさまざまな形のフレーム型があります。
その形とサングラス(レンズ)の形が合っていることが重要になります。
形が合っていないと見た目に違和感を感じるだけで無く、最悪装着出来ない場合があります。
自分のメガネのフレーム型を把握してから、サングラスを選ぶと良いでしょう。
オーバーグラスの選び方
オーバーグラスはメガネの上から装着することになります。
そのため、オーバーグラスがメガネより大きいことが前提になります。
メガネの方が大きい場合には干渉してしまい、サングラスを装着することが出来ないので注意しましょう。
測る場所は“高さ”と“横幅”です。
横幅は両目合わせてですが、製品情報に片目のサイズが載っている場合はそちらも測っておくと、よりフィットしたかけ心地になります。
メガネをかけている人が装着出来る登山用サングラスおすすめ5選
さて、ここからはメガネをかけている人が装着出来る登山用サングラスおすすめ5選を紹介していきます。
クリップオンサングラスが3アイテム、オーバーグラスを2アイテム選びましたので、ぜひ参考にしてみてください!
HUG OZAWA(ハグオザワ)
green glass(グリーングラス)GR-010C ブラックマット
商品名 | green glass GR-010C ブラックマット |
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販売メーカー | HUG OZAWA(ハグオザワ) |
レンズの種類 | 偏光レンズ |
フレームカラー/素材 | ブラックマット/TR-90樹脂 |
フレーム型 | ウェリントン型 |
レンズカラー/素材 | グレー/プラスチック |
重量 | 9g |
可視光線透過率(%) | 13% |
UVカット率(%) | 99%以上 |
メガネの産地福井県に本社を置くメガネ・サングラスブランドHUG OZAWA(ハグオザワ)の携帯出来るクリップオンサングラス「green glass」。
紫外線や眩しさカットなどサングラスの基本的な性能は押さえつつ、跳ね上げが4段階で調整出来て、最大真上まで上げることが可能なのが、一眼レフなどで写真を撮る人にとっては嬉しいポイントです。
本体は折りたたみ可能なコンパクト設計で、専用の厚みのあるケースも付属していますので、使わない時に壊れたり傷付く心配をせずにザックにしまえます。
本製品はフレーム型が豊富で、今回紹介した以外にもメガネのフレームにある形をほとんど取り揃えているので、自分に合った形を見つけることが出来ます。
SWANS(スワンズ)
クリップオン SCP 偏光サングラス 跳ね上げタイプ
商品名 | クリップオン SCP-23 偏光スモーク |
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販売メーカー | SWANS |
レンズの種類 | 偏光レンズ |
フレーム型 | ウェリントン型 |
レンズカラー/素材 | 偏光スモーク |
重量 | 5g |
可視光線透過率(%) | 19% |
UVカット率(%) | 99.9%以上 |
安心安全、日本製のSWANS(スワンズ)が手がけるクリップオンサングラス。
ワンタッチで手間のかからない着脱と跳ね上げ機能付きなので、メガネとサングラスの切り替えがスムーズに行え、景色をそのままの色味で楽しみたい時や写真を撮る時にストレスがありません。
このSCPシリーズは形状がウェリントン・オーバル・スクエア・ボストン、それからレンズカラーがグレー・ライトグレー・ブラウン・ライトブラウンから選べるので、自分のメガネの形状や使いたいシーンにマッチしたものを選べるのが魅力です。
カラーによって見え方と光を通す量(可視光線透過率)が変わってきますので、よく確認しましょう。
mont-bell(モンベル)
クリップオン サングラス ラウンド PL
商品名 | クリップオン サングラス ラウンド PL ライトグレー |
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販売メーカー | mont-bell |
レンズの種類 | 偏光レンズ |
フレームカラー/素材 | ナイロン/ブラック |
フレーム型 | ラウンド型 |
レンズカラー/素材 | ライトグレー/トリアセテート |
重量 | 7g |
可視光線透過率(%) | 20% |
UVカット率(%) | 99%以上 |
日本人御用達のアウトドア用品メーカーmont-bellのクリップオンサングラス。
にじみやギラつきを抑える偏光レンズが使用されていて、可視光線透過率も20%なので、比較的強い日差しや日中の稜線などで効果を発揮してくれるアイテムです。
現在、レンズカラーはライトグレーとライトブラウンの2色展開になっています。
私は裸眼とほとんど変わらない色味のライトグレーをおすすめします。
フレームの形状はラウンド型(完全な丸型)とされていますが、写真で見てもらうとわかる通り丸というよりも台形よりの形をしています。
なので、ボストン型やウェリントン型のような角はある丸型の眼鏡なら違和感なく装着出来ます。
SWANS(スワンズ)
オーバーグラス OG50051 SCLA
商品名 | Over Glass OG50051 SCLA |
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販売メーカー | SWANS |
レンズの種類 | 偏光レンズ |
フレームカラー/素材 | クリアスモーク/ナイロン |
レンズカラー/素材 | 偏光スモーク(グレー)/ポリカーボネート |
重量 | 35g |
可視光線透過率(%) | 27% |
UVカット率(%) | 99.9%以上 |
クリップオンサングラスでも紹介したSWANSのメガネをかけたまま装着出来るオーバーグラス。
オーバーグラスの特徴である側面からの紫外線を防ぐのに加えて、上部もフレームが顔を沿うように覆われており、額部分からの紫外線も防いでくれる、万全な紫外線対策が出来るオーバーグラスです。
可視光線透過率は27%なので晴れや薄曇りの日、樹林帯や稜線などどんなシーンでも使いやすいレンズの濃さになっています。
オーバーグラスは自分のメガネと干渉しないようにしなければいけません。
本製品の内寸が高さ 40mm/横幅 135mmとなっていますので、ご自身のメガネがこれより小さいサイズか測ってから購入するようにしましょう。
TALEX(タレックス)
オーバーグラス TRUEVIEW®︎
商品名 | オーバーグラス TRUEVIEW®︎ マットブラック |
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販売メーカー | TALEX |
レンズの種類 | 偏光レンズ |
フレームカラー/素材 | マットブラック/ナイロン |
レンズカラー/素材 | グレー/TALEX PPL75(プラスチック) |
重量 | 30g |
可視光線透過率(%) | 30% |
UVカット率(%) | 99%以上 |
偏光レンズ専門メーカーTALEXが販売するオーバーグラス。
エベレスト登頂世界最高年齢登頂記録をもつ冒険家・三浦雄一郎さんやテレビ番組「世界の果てまでイッテQ!」の登山カメラマンでもお馴染みの登山家・中島健郎さんなど、有名な登山家たちも愛用しているメーカーで、性能は間違いないサングラスになっています。
目の周りをしっかり包み込むフレームが紫外線や風の侵入を防いでくれるオーバーグラスの役割はもちろんばっちり。
TALEXが作り出すTRUEVIEW®︎ (トゥルービューレンズ)がどんな天候でも快適に感じさせ、自然のままの色合いを変えずに“雑光”だけをカットしてくれるので、裸眼でいる時よりも景色を楽しませてくれます。
オーバーグラス特有のダサさや違和感が全く無く、一般的なタイプのサングラスと遜色ないデザインがポイントです。
まとめ
以上、メガネをかけたまま装着できる登山用サングラスおすすめ5選の紹介でした!
山という紫外線が強い環境で使えるクリップオンサングラスやオーバーサングラスはあまり数が多くなく、自分に合ったお気に入りのサングラスは見つかり辛いかもしれません。
今回紹介したアイテムは機能面はしっかりしながらも、どれも自分のメガネそのままの形を見せたりスタイリッシュなものばかりで、デザインも気に入ってもらえる物になっていると思います。
クリップオンサングラスもオーバーグラスもそれぞれの良さがありますので、ぜひ試してみてください。
それでは、おしまい!
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