みなさん、漫画「山を渡る-三多摩大岳部録-」はご存知ですか?
雑誌「山と溪谷」2022年6月号の表紙絵にもなった本作は、じわじわと人気が広まってきている、大学山岳部の活動を描いた登山漫画です。
この漫画を読むと、とにかく「山に登りたい!!」という気持ちにさせられます。
その魅力、語っていきます。
「山を渡る-三多摩大岳部録-」はどんな作品?
作品名 | 山を渡る-三多摩大岳部録- |
作者 | 空木哲生 |
出版社 | KADOKAWA(ハルタコミックス) |
掲載誌 | ハルタ |
巻数 | 4巻(2022年5月現在) |
発行は年に1回ペースとなります。
次巻(5巻)の発売は「2022年7月10日頃」の予定です。
「山を渡る-三多摩大岳部録-」のあらすじ・概要
文系理系関係なし、山は誰でも登れます――ようこそ三多摩大学山岳部へ!
伝統ある、三多摩大学の山岳部。だが今年の春、部は存続の危機を迎えていた。
理由(1)新入部員は女子3名のみ。
理由(2)全員、登山経験ナシ。
理由(3)彼女たちの特徴は虚弱、ゲーム狂い、読書好き……。
そんな「山ガール」ですらない3人を抱え、山岳部は果たして活動していけるのか!?
過激な登攀もあり。楽しいピクニックもあり。男子も女子も、文系理系留年浪人、誰でもオーケー。すべてを包み込んでくれる“山”を舞台にした、大学生たちの群像劇!
(c)Tetsuo Utsugi
登山経験のない女子大生3人が山岳部に入り、山の魅力に惹き込まれていくストーリー。
これだけだと最近流行りの「山と食欲と私」や「ヤマノススメ」のような、ゆるっとしたタッチとストーリーを思い浮かべる方も多いかと思いますが…
「山を渡る-三多摩大岳部録-」はココが違う!!
山岳部に在籍する主将・黒木世都子(紅一点)率いる“つよつよ先輩3人衆”が「過激な登攀」に挑戦する緊張感あり・冒険感ありの登山もたくさん盛り込まれています。
登山をしている人ならわかると思いますが、これが本当にリアルですごい!!
次は、そんな「山を渡る-三多摩大岳部録-」の魅力を深掘りしていきます。
ここが面白い!「山を渡る-三多摩大岳部録-」の魅力と感想
山の描写がとにかく綺麗!!
コチラをご覧ください↓
みなさん、ココが何処だか分かりますか?
答えはそう、神奈川県は丹沢表尾根にある「三ノ塔」です!
この絵を見た瞬間、私は一瞬にして丹沢の地に引き摺り込まれました。
ここ、「私が登山を始めた思い出の地」ということで、好きでかれこれ5回ほど訪れている場所なんですが、実際に見たまんまの景色が描き出されています。
漫画や本を読んでいて、文章で音や匂いなどを感じることはありました。
しかし本作は、自分の登山の記憶も相まってだと思いますが、絵を見ただけで音や風が伝わってきます。
これは初めての感覚で衝撃を受けました。
単行本中にいくつか写真が挿れられているのですが、全部、作者の空木哲生さんが撮ったもののようで、実際に登山をしていることが伺えます。
山のリアル感を描けるのも納得ですね。
新入部員の成長ストーリーと先輩の過激な登攀パートが入り混じる絶妙な構成
ある程度、登山経験がある人に限った話にはなってくると思いますが、ゆるーい登山や新入部員の成長ストーリーだけだと少し眠たい作品になってしまうかと思います。(あくまで個人的な意見です)
ですが、本作は「“初心者からのステップアップ登山”と“クライミングなどの専門的な技術を用いた登山”」・「“貧弱新入部員”と“つよつよ先輩”」と対比がうまい。
例えば
(登山ではないですが)
山岳部の先人たちが使っていた雨具を補修して防水テストをしている、なんともほのぼのとした学校生活の一コマから一転…
次のページでは手に汗握る、クライミング中のフォールシーンが描かれています。
ストーリーとしては一貫して登山に関することなんですが、様々な要素が盛り込まれており、飽きがきません。
絵だけでなくストーリーも満足度が高いです。
ためになる登山知識が満載!
所々に散りばめられた登山知識
登山未経験者や初心者のみならず、経験者でも「へぇーー!」となる知識が満載です。
それも全てが丁寧に解説されていてわかりやすい。
この漫画で得た知識だけで登山始められちゃいそうだよ。(一応、経験者の話を聞いたり、専門のサイトも見てみてから始めてね。)
連載が始まったのが2018年、私が登山を始めたのがその2年前…もっと早く知りたかった。
私個人的には「麻婆春雨が軽くて量も多くてテント泊の食事にピッタリ」という情報がイチオシ(?)
今度持っていってみよーっと。
面白く読めて勉強も出来ちゃうなんて一石二鳥です!
さいごに
魅力がたくさん詰まった漫画「山を渡る-三多摩大岳部録-」
読み終えた後、無性に登山がしたくなります。
そして、今後も登場人物たちの成長や素敵な山の絵が楽しみな漫画です。
まだ登山をした事がない人も、これを読んだら必ず山に行きたくなるはず!
ぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。
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