紅葉がピークを迎えているという情報を仕入れ、長野県は小谷村の百名山・雨飾山(1963m)へ行ってきました。
2022年の紅葉はイマイチ…という言葉もチラホラ聞こえる中、雨飾山の紅葉はまさしく金色の絨毯。
あまり紅葉の山を登ったことが無かったのですが、過去最高レベルの紅葉に秋山に惹き込まれました。
そしてこの山、登りやすさ・景観などどの点から見ても私が今まで登った中でも1、2位を争うほどの良い山でした。
コースタイム・ルート紹介
(上り)1時間50分/(下り)1時間40分
(上り)1時間30分/(下り)1時間
(上り)30分/(下り)25分
総コースタイム:6時間55分
駐車場情報
- 名称:雨飾高原キャンプ場駐車場
- 住所:長野県北安曇郡小谷村中土18926−1
- 駐車可能台数:(第1)約45台+(第2)約30台
- 料金:無料
- トイレ:あり
- その他:満車時は路肩駐車も可能のようですが、紅葉シーズンには交通規制が行われるのでご注意ください。詳しくはこちらからどうぞ。
私は平日の朝4時30分に到着しましたが、第1駐車場はすでに満車でした。土日は想像もできないくらいの混雑になると思うのでなるべく早くの到着を心がけると登山が快適になるかと思います。
キャンプ場が登山口になっているので設備がしっかりしているのが嬉しいですね!
キャンプ場の売店にはカップラーメンなど軽食が売っているようです。
2022年10月20日(木)
6時10分、あまりの眠さに車で仮眠。5時30分に出ようと思っていたのに寝坊してしまってもう明るい。
第2駐車場から登山口までは5分ほどです。
登山口は休憩舎の裏手にあります。
もうすでに向こうの山の紅葉が綺麗に色づいているのが分かり、テンションが上がる。
登山道脇が霜がびっしりとついており白く染まっている。触ってみるとシャリッという音が心地よい。冬の始まりを感じる。
霜があるから寒そうに見えるけど、歩き始めたら暖かかったから一桁台はあったかな?
今日は友人M君との登山。学生時代はよく一緒に登山していた(一方的に連れ回していた)のだが、最近はご無沙汰。久しぶりなので嬉しいです。
この道、出発してすぐの分岐を左に行ったのですが、ぐちょぐちょになっていて歩きにくかったです。
分岐はどちらを行っても同じ場所にたどり着くので、右の木道を選んだほうが無難でしょう。私たちは合流地点でそれを知りました笑
ただ木道は凍っているとスケートリンクばりに滑るので気をつけて!
山頂まで180分地点、ここで平坦な道は終了です。
時間書いてあるの目安として分かりやすくて良いけど、人によってペースが違うからある程度自分のペースを把握している人からしたら、距離と標高を書いておいてもらったほうが嬉しいよね。(読図しろ)
※後から知ったのですが白い看板に書いてある800mが距離表記のようです。
登りと言っても荒菅沢までは比較的緩い登りが続きます。
久しぶりのM君はこの時点で少しハァハァしてたね。体力お化けだったはずなのに笑
年を取るのは嫌だね~。
休憩しながら登っていく。
振り返ると、陽が辺りを照らし葉が金色に燃えていた。
向こうの山を越えて顔を出す太陽が歩いている道も照らしてゆく。
まだ暗いうちは「紅葉しているなぁ」程度に思っていたが、陽に照らされ黄金郷になった登山道はあまりにも美しくなかなか歩が進まなかった。
これが雨飾山の紅葉か。
ハイキング程度の緩い登りを歩くこと1時間ほど、目の前に異様な雰囲気の岩峰群が目に飛び込んできた。あのとんがり帽子の裏が雨飾山山頂のようです。
紅葉の美しさと岩峰の険しさが合わさると画になりますね。
でもなんだか黒い雲が新潟県側から来ていて不穏な気配…晴れていておくれよ~!!
7:35、荒菅沢に到着。
沢沿いがいい休憩スペースになっていて沢山の人が休憩していました。
沢の水は水場ポイントになっていて秋でも涸れていませんでした。煮沸必須などは書いていないのでそのまま飲んでも大丈夫かと思いますが、心配な方は濾過器や煮沸をしてから飲むようにしてください。
そしてお待ちかねの景色!あらっ、すっげー沢!(台無し)
屹立した岩峰を彩る紅葉が本当に見事、見惚れてしまいます。
見えている岩壁は布団菱と言われているようです。由来は白くなっている岩が布団を干しているように見えるからとか、布団を干すのに都合の良さそうな岩壁だと昔の猟師が言っていたのが広まったとか諸説あるようです。
布団を干すには無理がある急斜面のような気がしますが笑
たくさん写真も撮り大満足、人も徐々に増えてきたので先を行きます。
荒菅沢からが梯子や岩場がちょくちょく出てきて結構な登りになります。
平日にも関わらず狭い箇所や梯子などでは渋滞が発生していました。
さすが、紅葉シーズンに大人気の山だ。
渋滞に並び中にM君が一言「今標高3200mなの?」
「へっ!?3200mもあったら槍ヶ岳越えてるよ笑」とお互い笑いながら看板を見てみると、本当だ。3200mと書いてある。
登っているときは「どんな間違いだよ、標高盛りすぎだろ」と思って思考を停止して嘲ていたが、これ、距離表記だったんだね。
距離表記だと考えもせず登っていた自分が恥ずかしい。(だって他の山だったらKM表記が多いんだもん)
渋滞が解消されないのを良いことに周りの景色を見てみると、んー綺麗!!
先ほどまでの黒い雲はどこかへ消えて青空が広がっていました。
やはり紅葉には青空が欠かせませんね。
登りもラストスパート。岩場が出てきます。
補助ロープもありますが岩がしっかりしていて持ち手もたくさんあるので登りやすいです。
岩場を登り切ると右手に見える山々がドンっ!写真では茶色く見えるけど、実際はもう少し赤めに見えて燃えているかのようだった。
こちらは火打山(2462m)方面になります。
ちょんと出ているピークは新潟焼山(2400m)でしょうか。いつか向こうも登ってみたいな~。
そして火打山から左に目を逸らすと、標高は低いもののギザギザのピークが目立つ山があった。
何この山、ねぇ何ていうの。気になる!
そしてこちらがお待ちかね!(2度目)
雨飾山へ向かう稜線です。うつくしい…
笹に覆われた稜線って何でこんなに美しいんでしょうね。
写真としても良いけど、こういう場所は歩いて楽しむのが一番です。
8時40分、笹平に到着。
笹平と言うのにふさわしい場所。山好きをも虜にさせてしまう稜線。ありがとう。
笹に覆われていて足元が見えにくい箇所があったり、先日の雪が溶けてぬかるんで滑りやすい場所があったので気をつけて歩いてさえいれば最高の稜線です!
笹平まで来ると日本海がよく見えます。街は新潟県糸魚川市かな。
山に海に空に…贅沢すぎる!!
荒菅沢地点でさえ自分のお気に入りの山にランクインしたけど、稜線まで来たら上位に上り詰めました。好きです。
雨飾温泉から登ってくる道との合流地点、日陰だからか2日前に降った雪が残っていた。
紅葉はピークでしたがもうすぐそこに冬が迫っていた。
空中散歩が本当に気持ちいい。
人は想像していたよりは多かったが快適でした。土日の混雑時は進めなくなるのでしょうね。
荒菅沢の方を見ると滑らかな白い岩肌が見える。これが布団菱か!?
荒菅沢から見上げていたトンガリとはまた違う側面を見せてくれる。紅葉と相まって美しいです。
あの日本百名山を選定した深田久弥は今私たちが通ってきた場所ではなく、この沢沿いを登ってきたんだそう。
なかなか面白そうなルートだけど、今は登っている人も少ないようです。
さて平和な稜線歩きも終わり最後の登り、段差の大きな登りです。
まだ雪がついている場所があり少し緊張しました。雪が降った翌日とかは登りにくいんじゃないかな。
登りに夢中で下を向いて歩いていたがふと顔を上げて見ると、正面の山肌が金色に染まっていた。
雨飾山が、ではなく頸城山塊ごと紅葉の名所なんだね。
そして9時10分、雨飾山(1963m)に到着!百名山は38座目になります。
広い山頂だったけどそこそこ賑わっていて、単体で看板を撮るのが至難の業だった笑
看板の写真で気づいた方もいたかと思いますが、山頂からは後立山連峰の大展望!これは凄い!
紅葉と先日の雪で少し白んだ後立山連峰、その下に雲が敷かれている景色はどれをとっても最高。語彙力を失ってしまう。
白馬三山。白馬鑓ヶ岳は映ってないかも。
左から鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳。右奥には立山も。
北アルプス南部。槍ヶ岳が突出している。
戸隠方面
焼山・火打山方面
そしてこちら。今歩いてきた道は上から見ると「女神の横顔」に見えます。
雨飾山と言ったらこの景色が欠かせない。本当に横顔に見えますね!
最高の景色が見られて大満足。
向こうはもう一つの山頂。雨飾山は双耳峰なんです。
登ってくるときはあっちが先に通るのですが、下から続々と登山者が上がってきたので下山します。
女神の横顔を通って帰っていく。
このまま火打山まで歩いて行きたくなりますね。山続きにはなっているようですが、あまり通られていないっぽい。
そういう道、好きだから今後行きます。
下りは高度感があり山に吸い込まれそう。
紅葉が綺麗だったので下山も飽きません。
下りは早い。
荒菅沢まで来ると朝の雲はどこへやら。深い青が空に広がっていました。
ここ、ずーっと眺めてられます。
沢の右に見える道が自分達が歩いてきた道。
毎回山に行って自分が歩いた道を見ると「本当にこんな歩いたの!?俺スゲ〜!」ってなります。
なりません?
下山っていつも長く感じますが、今回はあまりに景色がよかったのであっという間でした。
駐車場まで撮ったはずがデータを紛失してしまったのでここまで。
日本百名山・雨飾山(1963m)
紅葉が全盛期を迎えた雨飾山はまさしく百名山にふさわしい景観。
荒菅沢や女神の横顔、そして稜線歩きと山頂からの絶景など見どころが多く、私も虜にされてしましました。
紅葉の時期の土日は非常に混雑するようなので、平日に行くのがオススメです。
標高も低く登りも優しめ、危険な箇所も少ないのでぜひみなさんも一生に一度は行ってみてください!
以上、おしまい!
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