漫画「鬼滅の刃」が流行っていた頃、一躍有名になったのが東京都最高峰の雲取山。
聖地巡礼で訪れる人がたくさんいたようだ。
自分の雲取山のイメージはコースタイムが長く日帰りでは大変な山、漫画を読んで行きたくなったから気軽に行けるような場所ではないぞ?と思っていたが、案の定、遭難者が多発したようで…。
私は東京都に住んでいて、そして鬼滅の刃を読んでいるのにも関わらず、まだ登ったことが無かったのでブームも過ぎたことだし登りに行くことにしました。
駐車場情報



2022年6月現在、駐車場へのアクセス手前で通行止めの看板がありますが、車で入ることが出来ます。
最新情報は丹波山村のサイトをご覧ください。
また、看板右の細い路地から駐車場に行くのですが、入ってすぐの右折箇所が軽自動車でも難しい場所になっているので、写真の道からではなく国道411号を進み一本先を右折することをオススメします。
2022年6月20日(月)

空がなんとも言えぬ色に染まる、奥多摩の朝。
今回の山行も天気が良さそうでひとまずホッとする。

道路沿いには市松模様の旗がある。
ここ雲取山は漫画「鬼滅の刃」の聖地で一躍人気になった場所ですね。
市松模様はメインキャラクターの竈門炭治郎が着ている羽織の模様…一気に漫画の世界に引きづり込まれます笑

登山口までは3分ほど車道を歩いて行きます。


カラーコーンの裏手が雲取山・鴨沢コースの登山口となります。
それでは出発!

陽は昇っているはずだが木々に覆われる道はまだ暗い。
風が通らないからか、蒸し暑かった。

道は所々狭いところもあり、余所見しながら歩いていたら落ちそうになった笑
落ちると斜度があって止まれなそうなので気をつけて。

余所見していたのは花を探しながら歩いていたから。意外にも雲取山は花の百名山にも選ばれている山なんだそう。
花が多いのは山頂手前の防火帯だそうだが、樹林帯にもちょこっと花が咲いている。
ところでこの花はなんだ?

廃屋が見える。もしかして炭治郎の家!?(絶対違う)

樹林帯には泥濘が酷いところがありました。
日陰だから乾かないだろうなー。

いかにも怪しい色のキノコ発見!
これはヒイロタケかな、毒は無いみたいだけど食用には向いてないって。

アーティスティックな木もあった。

鴨沢ルートには所々にこの「平将門 迷走ルート」の説明看板がある。面白いから是非読みながら登ってみよう。
それより気になったのはその下の注意書き。携帯の電波状況が書かれているんだけどドコモとauしか書かれて無いんだけど!(softbank民)

歩いていると山には似つかわしい色鮮やかなものが目に飛び込んできた。
誰か忘れていませんかー?


登山口から30分ほどでしょうか、登山道脇に水場がありました。
水量豊富、冷たくて美味しいですよ!

水を飲んでリフレッシュし再び歩き出す。
樹林帯は一見地味だが、先ほどのアーティスティックな木みたいに面白い木があることも多い。
これは根が出て触手みたいで通ったら取り込まれそう!?

こちらはなんか赤かった。

木々を見ながら登っていると巣箱を発見!
No.6と書いてあるけど1個目とかどこにあったんだろう…
中には鳥さんいませんでした。


1時間ほどで開けた「堂所」に到着。
登山口から4.5kmも歩いたんだって!全然そんな感じがしなかった。
ここまでは緩やかな上り坂なのでウォーミングアップになります。

堂所からはちょっと急な坂道と岩や根があったり道が変化していきます。

鴨沢コースには分岐やちょっと迷いそうなところに看板が置いてあるので助かります。

オトシブミが落ちていた。
今まで珍しいものだと思っていたが、今月4回の山行の内3回は見つけているから山に入ればあまり珍しく無いのかな?

七ツ石小屋下の分岐点、左に曲がれば一つピークを巻いて雲取山まで行けますが、せっかく来たのだから七ツ石山も登っちゃいます。

分岐を曲がってすぐ、木々の合間からうっすらと富士山が見えた!
登り始めてから薄曇りになってきたので景色はダメかと思っていたが見れて良かったです。

頑張って坂を登るとシロツメクサの群生と小屋が見えてきます。

七ツ石小屋に到着です。

食事提供なし(泊まる場合も)、6名のみととても小さな小屋です。飲み物やグッズは充実しています。
山腹であまり泊まる方はいないかもしれませんが、気になる方は七ツ石小屋のサイトをご覧ください。

バスの時刻表

テント場兼休憩所です。眺めは良いですがちょいと狭い。
休日には休憩する人が減る13時以降からしかテントを張れないようです。

トイレもあり設備はしっかりとしています。


七ツ石小屋の裏手、水場があります。この鴨沢ルートは水が豊富ですね!

水場の橋を渡ってしまうと七ツ石山を巻く道になるので、七ツ石山に行く場合は橋の手前を右に曲がりましょう。

小屋裏からは結構急な坂道です。ふくらはぎにきたよ。

坂を登り切ると石尾根縦走路に出ます。

ここから道幅が広くなり、またマルバダケブキの葉(?)が道脇に生えていて雰囲気がガラッと変わります。


少し歩くと右手に看板があり、右手奥に七ツ石神社があります。
七ツ石の由来は山頂付近にある7つの石灰岩の岩塊かららしい。祠の後ろに大きな石があるけど七ツ石の一つかな?


神社から少し登ると七ツ石山(1757m)に到着です。
山頂は開けていて眺めもいいので休憩にもってこいです。

登ってきた方面を振り返る。

富士山も見えます…なんか浮いてない!?

雲取山方面、一旦降ってまた正面に見える坂を登るようです。
七ツ石山まで登っちゃうと日帰りは結構体力がいるかもしれませんね。

ブナ坂分岐に合流。帰りは巻道から帰ろーっと。
ここで今日初の登山者に遭遇、女性だったんだけどめちゃくちゃ速かった…

七ツ石山を振り返る。

ブナ坂分岐の後から左右の木と木の間が離れていて開放感がある。
ここは防火帯というのかな?

とても可愛らしい花が咲いていた。サラサドウダンという花かな?

こちらはヤマツツジ。さすが花の百名山に選ばれただけありますね。
最盛期はもっと色んな花が咲いているんだろうなぁ。

何やら開けた場所に出ました。


緊急時に使われるヘリポートなんだそう。
鬼滅の刃が流行ったときは出動があったようで…皆さん、しっかり準備した上で安全に無理のない登山をお願いしますね。(自分にも言い聞かせる)

ヘリポートの先にまた巻道があります。
左に行くとヨモギノ頭を通って雲取山へ、右はピークに登らず巻いて雲取山へ、どちらにしても10分ほどで合流します。

ヨモギノ頭への登り、距離はないけど結構急でした。

振り返ると向こうの山並みまで見える。北アルプスの壮大な風景も好きだけど、奥多摩とかで見る低山に囲まれた日本の原風景的な景観も好きです。
多分ここがヨモギノ頭付近なんだけど、ヤマップのログだと通過していなかった。どこなんだろう。


また一度樹林帯に戻ります。
そしたらなんかクレーターがあった!?ちっちゃな月…

山頂に近づくにつれ短い急登が出てきますが、全て九十九折りになっているのであまりキツくは無いです。

坂を登り切るとまた分岐。
小雲取山に行きたい人!すごい分かりづらいので気をつけてください。
この分岐を雲取山方面に10歩ほど歩いて右を見ると…

細ーい道があります。これが小雲取山に行く道です。
道に入っちゃえば「わかりやすいじゃん」てなるんですが、入口が分かりにくいので注意して見てみてください。

1分も歩けば、小雲取山(1937m)に到着。
山頂は笹と木に覆われてじみーです。

本道へ合流して上を見上げると、雲取山避難小屋が見えてきました!

ここまで周りの木々も低くなってきて気持ち良いです。

左を見ると大菩薩嶺・富士山方面が綺麗に見える。
最近、木が好きだ。手前の若木が可愛らしい。(でも名前が覚えられない…松系だよね?)


雲取山避難小屋に到着です。避難小屋にしてはとても立派な外観ですね!
扉には「コロナ感染対策のため、緊急時以外の利用は控えてください」との張り紙がありました。

小屋の横にはトイレもあります。
こちらの男性用小便器の部屋ですが扉がなくて、丸見え&虫が凄いので利用の際は覚悟して入ってください。


避難小屋裏手を少し登ると雲取山山頂です!


日本百名山で東京都最高峰の雲取山(2017m)に到着!
東京に住んでいながら、1泊2日と長いイメージがあって行くのを躊躇っていたから登れて嬉しいです。

山頂標識の隣には三角点が三つもある…?
これは全部がよくみる三角点ではなく、一番奥にある石柱がよく見る一等三角点、手前右が補助点、そして手前左が原三角測点というらしい。
原三角測点に関しては、現在の形の一等三角点が設置される前の標識で、測量の歴史上貴重なものなんですって。

山座同定表
さすがは東京都最高峰の山、頭一つ抜けているので周りの山々が見渡せます。



といっても木々が少しあり、迫力ドーン!って感じでは無いです。
でも富士山が見えれば十分だよね。
山頂は広くてゆっくりと休憩できます。

1泊2日では無いので本来なら来た道を戻れば良いはずだが、興味本位で雲取山荘の方へ向かいます。

結構急な下り坂で足場もゴロッとした岩があって歩きにくかったです。

鴨沢コースでは苔をあまり見なかったような気がするけど、雲取山荘へ向かう道はたくさんの苔に覆われていた。
陽が差し込み輝いている。

…シラビ“ン”?

倒木もあって中々ワイルドな道です。


こちらが雲取山荘、立派な建物ですね!
コロナ対策で制限はされていますが、最大で200人泊まれるそう、大きいな。

テラス

水場
看板に「気分は10歳若くなるのダ!」と書いてあります。これは飲んでみなきゃ!
冷たくて美味しい、3杯飲んだので30歳若く…(生まれてないことになります)

トイレもとっても立派です!一々看板の文句が面白い。
「雲の上、標高1830mの壮快感」を皆さん感じてきてください。

水を飲んで元気をもらったので、巻道を使って帰ります。

途中で「テント場の写真撮るの忘れた!(泣)」と悔やんでいたら、鹿が背後にヒョコッと現れました。
慰めに来てくれたのね。

鴨沢コースとはまた違った雰囲気、道は細くあまり歩かれていないような雰囲気があります。

こういった落石ちっくな所があったり、

倒木が道を塞いでいたりと冒険感たっぷりの道でした。
ちなみにこの倒木めちゃくちゃ跨ぎにくく、バランスを崩すと下に落ちてしまうので気をつけてください。

ビショビショのキノコ。ここだけ雨降った?キノコ汁でも出ているのかってくらい濡れています。

30分ほど歩くと石尾根と合流しました。

帰り道、のんびり歩いているとガサゴソっと音が。「なんだ!?」と音の方を見てみると雄鹿がいました!
鹿にはよく会うけど、雄鹿を見たのはもしかして初めて?テンションが上がりました。
尻尾振ってこちらを見ている。もしかして嬉しいの?(絶対に違う)

鹿を見た場所はブナ坂辺りでした。熊も出るって言うし東京都って感じがしないですね〜。
行きは七ツ石山を通って来たけど帰りは七ツ石山には登らず、左に延びてる巻道を使って帰ります。


巻道で特徴的なのはここ、橋を渡ると細ーい滝が流れていて水を浴びることになります。
冬場は凍って危なそうだな。

後は登って来た道を戻るだけ、登山口に帰ってきました。

駐車場には車が増えていました。平日なのに人気の山ですね。

日本百名山・雲取山(2017m)
東京都最高峰はコースタイム目安が10時間と日帰りは厳しいかと思っていましたが、坂も緩やかで険しい所も無かったのでとても歩きやすく、体力があれば十分日帰りが出来る山だと思いました。
雪の時期も登ってみたいな。
おしまい
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