最近、百名山ハントに精が出ているひびまるです。
今回は山友の登山記録を見ていて気になっていた前掛山(浅間山)に登ってきました!
梅雨の晴れ間の爽やかで最高な登山日和になり、変化に富んだ登山道と登りきって見える雪を纏う日本アルプスの山々に感動しっぱなしの山行でした。
駐車場情報


※他サイトには無料駐車場ありとの記載がありますが、現在は有料となっています。
※見た感じ、停められる台数は少なかったように思います(天狗温泉宿泊者の駐車場でもあるため)。以前は天狗温泉前駐車場の手前を右手に下ったところに50台ほど停められる駐車場があったようでしたが、行った時は立ち入り禁止になっていました。休日などには開くのでしょうか、不明です。
2022年6月13日(月)


ソロ登山の時は決まって寝坊をしてしまう。前回の甲斐駒ヶ岳に引き続き、予定から1時間遅れの8時にスタート。
天気がよく、新しく建てられたであろう鳥居とキラキラと光る緑がで迎えてくれる。

登山口横には別荘地の小屋(?)のようなトイレがあります。中も普通に綺麗です。

2022年6月現在、浅間山の噴火警戒レベルは「1」なので前掛山まで登ることができます。
最近地震も多いし、北アルプスの焼岳は噴火警戒レベルが上がったということもあり、浅間山もまたいつ噴火するか分かりませんが、安全だと言われている内に登っておきます。


最初は平坦な樹林帯を進みます。大きなシダが目を惹く。


橋から下を覗くと川底が茶色い川があった。
登山口にあった天狗温泉のお湯は「鉄分の量が日本一」だそうで赤褐色に見えるそう。
この川も鉄分が多いのだろう。

手作り感満載の樹名板が良い。しかし、見たのはこの一枚だけだったなぁ。

ところどころ昔使われていた道らしき入口がありますが、看板が立てられているので迷うことはありません。


朝日にてらされた森が清々しい。
山域によって生えている木の種類は違うだろう。浅間山周辺の山にあまり登ったことがないからか、森の香りがいつもと違いとても新鮮だった。
ここの森、好きだな。

花もちょこちょこ咲いています。

この看板、たまーに見かけます。
リスの名前なんだっけ?まといリス?

しばらく歩いていると「一の鳥居」に着きます。
ここから登山道の雰囲気は変わります。

沢を渡ったり

大きな岩が出てきたり。
ここら辺から冒険感溢れる道で楽しい。

沢の真横を歩いていくので涼しいし音が心地よい。
水が濁っていること、先程鉄分が多いことは書いたが登っている時は「なんでこんな色しているんだろう?」って思っていた。

不動滝に到着。
水量はそこまで多くは無いですが立派な滝です。

最近川や滝を見るとシャッタースピードを遅くして撮るのにハマっている。
三脚を使ってないけど、脇を閉じて息を止めて撮ればブレずに撮れます(三脚使った方が絶対に良い)


二の鳥居に到着、ここには丸太のベンチがあって少し休憩できます。


薪がたくさんありました。
看板には「火山館で使用します。一本でも持っていってくれるとありがたいです。」と書いてありました。
今日は軽身なので3本持っていきます。樹液でベタベタなのがあるので要注意ですよ!

二の鳥居を過ぎると笹が両脇を埋め尽くします。

木々の合間からは何やら厳つい山が見えました。
浅間山外輪山の一つ、牙山(2111m)です。
この後、かっこいい全容が見られるのでお楽しみに。


山では珍しいたんぽぽが咲いていました。
セイヨウタンポポでしょうか、外から持ち運ばれたのですね…

次のチェックポイントの火山館まであと1km、最近ハードな山行ばかりだったからとても楽ちんです。


ちょっと開けた場所に燃えるような色のレンゲツツジが咲いていました。
山でツツジはよく見るが薄紫やピンク系が多いので、オレンジっぽいのは初めて。
とても綺麗ですね。

先ほどの牙山は右手に見えたが左手にもギザギザの岩山が見えてきた。
位置的には黒斑山のトーミの頭になるのかな?

岩山の右端に芝生のピークが見えた。ここで昼寝したらめちゃくちゃ気持ち良さそうだなって妄想してた。

カモシカの看板!
今まで鹿やリス、サルなど色んな動物に会ってきたけどカモシカはまだ、お会いしたいです。

青空が広がり緑も濃く夏のような雰囲気がある。でも、暑くないので最高の登山日和です。

目の前の岸壁がかっこいい。
コレを見にきたんだよ、コレを!!

後ろには牙山が聳え立つ。
岩山ってなんでこんなに魅力的なんでしょう。


目移りが激しくフラフラしていたので一旦登山道へ目を戻す。
するとお次は今回のメイン、浅間山が見えてくる。

景色もだが登山道も変化が大きく、火山らしい様子の道が出てきた。
そして、ここは温泉などで感じるいわゆる「硫黄の匂い」がする。(正確には硫黄ではなく硫化水素の匂いです)


原因はここからだろうか。
登山口で見た川底より明らかに茶色く、温泉感がある。
この匂いが好きなので深呼吸しながら歩いていたら、少し頭が痛くなった(笑)
軽い硫化水素中毒?皆さんはあまり吸い過ぎないように注意しましょう。

温泉ぽさがあって暖かいかと思ったらなんか肌寒くなってきた。
風が吹いてガスが上がってきたからだね。牙山が厳かな雰囲気を纏っていた。

少し火山らしさを味わうと「火山館」に到着。

薪は建物の目の前に置いておきます!
だいぶ少なそうだったから余裕のある人は手伝ってあげてね。
ちなみにこの日は休館日でした。毎週月・火曜日が休みなようです。
詳しい情報は小諸市のサイトをご覧ください。


男子トイレ横には水場があり飲み水として利用できます。



ちょっと休憩して前掛山に向かいます。
火山館のすぐ上には浅間神社があります。安全を祈っていきましょう。

登山道は火山館の裏手です。

登り初めてすぐにイワカガミの群生があります。
ツツジとイワカガミはどの山行でも必ず見るっていうくらいどこでも咲いているね!

火山館の裏手は少し急な坂ですがまたすぐに平坦な道に出ます。
すると、遠くの方で「ガサガサッ」と音がしたので急いでそちらの方へカメラを向けると…

私に気づいた鹿が急いで逃げているところでした。
望遠で伸ばしているから近く見えるけど、50mは離れた場所だったように思う。今まであった鹿たちは人馴れしていたのか近くまで寄ってもあまり逃げなかっので、こんなに遠くで気づいて逃げられのは初めてかも。
鹿さんもいいけどカモシカに会いたいな~。

湯の平口分岐に到着。
ここは前掛山と黒斑山に分かれる場所です。

草すべりの方面を見ると、トーミの頭と黒斑山が聳え立っています。
黒斑山は雪山始めたての人が登る山として有名ですが、こう見ると結構険しい山ですね。

トーミの頭を見ていると何やら動くものを発見、望遠で覗いてみると人が立っていました!
この写真で分かるかな?

ここからは「湯の平」と言って大きな火口だったそう。
今はもう火山は息を潜め松林が広がっていて、秋には紅葉が綺麗なんだそう!
秋にも来てみたいな。

次は賽の河原分岐、前掛山まであと2kmです。


賽の河原分岐を過ぎると木々も薄くなり、浅間山が目の前に現れます。
迫力が凄い!

振り返ると黒斑山が見える。

火山だったからだろうか、若木が立ち並んでいる。
登山道の景色が本当に豊かで面白い。

木々が無くなってくると、黒斑山・蛇骨岳・仙人岳と浅間山外輪山が大きく見えてくる。

外輪山の奥にはまだ雪が残る山々が見えます。
手前が四阿山、その奥の雪が積もっているのが妙高・火打・高妻山など北信五岳ですね。

外輪山と前掛山登山道の合間には群馬県嬬恋村と奥には熊の湯とか横手のスキー場かな?が見えます。
今日はよく見える!

スキー場の左手に見えるぽこっとした特徴的な山があり気になった。
調べてみると笠ヶ岳(2076m)というらしい。なかなか急そうな山だけど登れるのかな。

雲はあるけれど遠くは見渡せる。
近くは雲と火山の雰囲気がマッチしていて荒々しい様子です。

湯の平を見下ろすと緑の中に赤が!人がいました。
Jバンドから降りてきた人でしょうか。

Jバンドとは前掛山から外輪山の端っこの鋸岳を結ぶ道のことのよう。
だいぶ急な斜面、あんなんどうやって登るんだ…

行ってみたい気持ちは山々ですが今回はゆるりと前掛山だけ登ります。
と言ってもこちらも斜度が出てきて、且つ、砂利道になり滑るのでちょっと登りにくいです。

前掛山の上を見上げるとまだまだありそう。
直登したくなりますが、道なりにぐるっと回っていきます。

上部は赤い砂・岩が出てきて火山らしさがより一層増します。
ここまで来たらもう一息です。

お鉢に出ました。奥のギザギザした岩壁のピークが前掛山山頂になります。
それにしても火口というものは異様な光景です。

浅間山方面は危険なため立ち入り禁止となっています。
入ると法律により罰せられると書いてあるけど、その前に危ないから絶対入らない方がいいのは分かるよね(笑)

前掛山に向かうと避難用のシェルターがあります。
右は頑丈そうだけど左は…火山岩は1トンほどのもの降ってくるらしいのでシェルターに入っても安心はできないですよね。

シェルターの中はこんな感じ、20人も入ればパンパンかな。


シェルターを抜けると岩壁がより迫力を増す。
違う星に来たような感じがします。

お鉢の淵を沿って歩く人々、私もそこへ向かいます。


ヴィクトリーロードとはこのことだろう。
火山という火山にはまだ登ったことが無かったので(富士山も)、火山はこんなにも男心をくすぐるのかと、ニヤつきながら登っていく。
でも、遮るものがないので風が冷たい。

10:55、前掛山(2524m)に到着しました!
本来は違うだろうが、標識のようにここが浅間山の山頂とされているようです。
標識の奥に見えるのが本当の浅間山ね。

浅間山のドアップ、もう登られていないが残る道。

お鉢を回って浅間山にたどり着けるだろう道は閉ざされています。
いつか登れる日は来るのだろうか。

ここからは山頂から見える景色をご紹介。
360度、もう最高としか言えない景色が広がっていました!!
まずは黒斑山などの外輪山方面、見下ろすかたちになり湯の平が昔は火口だったことを感じさせてくれます。
外輪山の奥には雪を纏った北アルプスの山々がはっきりと見えます。


アップすると名峰の数々、槍ヶ岳や鹿島槍ヶ岳・五竜岳などばっちり見える絶景です。


北アルプスから目を左に移すと御嶽山と中央アルプス

手前に八ヶ岳と南アルプス

そして富士山も見えます!
もう本当に最高!
こんなに他の山々も見られるとは知らなかったので興奮ものでした。

こんな景色を見ながら早めのお昼ご飯。
山で食べるご飯はなんでも美味しいよね。

食べているとブンブンと音が…ハチ?結構いました。
あと燕もたくさん飛んでいて、風切り音がするほど近くを通り過ぎることも。危ないよ!

さて、風が冷たいので下山します。

このお鉢の迫力、写真では伝わらないな~…ぜひその場に行って見てほしい。

外輪山を眺めながらの下山、見惚れているとサラサラの砂に足を取られます(笑)
私は走ることが多いのでストックは持っていかないことがほとんどですが、ここはあっても良いかもと思った。

青々としたカラマツ林は爽やかさとエネルギーが満ち溢れていてとても居心地が良かった。

森に戻るとまた鹿を発見、大きさ的にさっきの子かな?


降りてくると夏のような空にハロが見られた。
梅雨だからでしょうか。最近の毎山行でハロを見ています。
綺麗だから好きだけど、天気下り坂のサインって言われているから山だとちょっと不安にもなるよね。

火山館まで戻ってくると火を燃している匂いがした。
休館日でも管理人さんは居るみたいなので中で焚いているのかな。

火山館から降ってすぐにトーミの頭を見上げる。

牙山

岩壁に鋭鋒、火山に滝、まだ若いカラマツ林など変化に富んだ登山道
山に来たっていう感じはもちろんあるんだけど、それよりも太古の昔にタイムスリップしたという感覚が強かった。


また不動滝まで戻り撮影、行きに撮った縦構図の方が滝の流れが出ていて良いかな?
カメラって奥が深いですね。


家に帰ってから写真を見返すと、下山はこういう川の写真ばっかりだった(笑)

緩やかな道を降っているとあっという間に登山口に到着。
予想通り、最高の山だった。

割引の恩恵を受けて温泉に入ってから帰ります。
山と温泉はセットだよね。

日本百名山・前掛山(浅間山)
天気に恵まれ前掛山の魅力を存分に味わえた今回の山行、見所があり過ぎる山でした。
噴火はいつ起こるかは予想できませんが、登れるうちに登っておいた方が良い一座です。
危険なところも無くコースタイムも短めですので、初心者の方でも気軽に絶景を味わうことができますよ。
前掛山 / びっきーさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
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