登山だけでなくキャンプなどのアウトドアでも持っている人が増えてきた“携帯トイレ”。
非常時や災害時に無くてはならないものですが、使う機会が少ないため使い方を知らない方も多いのではないでしょうか?
登山中、いざという時に使えないと持っている意味がありません。
今回は、携帯トイレの基本的な使い方と登山におすすめのアイテムを紹介していきます。
難しいことはありませんので、ぜひ覚えていってください。
そもそも登山に携帯トイレは必要?
結論から言いますと、携帯トイレは行く山によっては持って行ったほうが良いアイテムです。
今ではかなりの数と綺麗なトイレが山中に設置されて、トイレの心配をせずに登山ができるような場所も多いです。
しかし、厳しい環境に置かれ山小屋の人が毎日管理できないような場所のトイレは、凍結や故障で使いたい時に使えない場合があります。
また、広大なアルプスなどでは4.5時間歩かないとトイレが無いことも珍しくありませんし、携帯トイレブースだけ設置されているところやトイレが無い山もあります。
トイレが無い山でどうしても我慢出来なくなった場合やトイレが使えない場合も考えられますので、持っていた方が良いアイテムと言えます。
ただし、行く山によって持っていくかいかないかを判断できるとより良いでしょう。
このように山によってコースタイムもトイレの数もまるで違います。
左側(スマホは上側)の写真は関東屈指の人気登山スポット「丹沢・塔ノ岳」の大倉尾根(通称“バカ尾根”)地図です。
このコースは主に日帰りで行くコースであり、駐車場〜山頂までの登り4時間程度の中に6箇所ものトイレがあります。
しかもこのコースのトイレは、山小屋に併設されているところが多いので管理が行き届いており、故障などの心配がほとんどありません。
こういった山では携帯トイレは不要でしょう。
登山では少しでも荷物を減らして出来るだけ身軽に登れることが疲れない鍵にもなりますので、下調べをしっかり行って判断できるようになると良いですね。
ただ、いちいち登山のたびに出し入れするの面倒くさいし、そんなに重くないと思う方はファーストエイドキットの中に入れっぱなしでも良いかもしれません。
また、登山経験が浅くて心配なようなら持っていくのもいいでしょう。だんだんと判断できるようになってきます。
長々と説明してしまいましたが、要は毎回は必要ないけど持って行った方がいい山もあるので事前に買っておくと良いということです。
携帯トイレは使用期限があるようなものではないので、買って持っておくだけでも良いでしょう。
携帯トイレの使い方
使う機会が少ないからといっても、使い方を知らないといざという時に困ってしまいます。
もしかしたら準備がスムーズにいかず漏れてしまうかも…?
特に難しいことはありませんので、そんな大惨事にならないためにも製品内容をチェックして使い方を覚えておきましょう。
携帯トイレを使う場所
登山中に携帯トイレを使える場所は「携帯トイレブース」と「登山道外の茂み」の主に2つになります。
①携帯トイレブース
最近では、自然環境保護の取り組みとして常設トイレが無い山などで、携帯トイレブースの設置が増えてきました。
自然にも優しいですし、登山者にとっても安全で衛生的にトイレが出来るので嬉しい取り組みですよね。
携帯トイレブースがある山では積極的に使いたいところです。
携帯トイレブースには、写真のような仮設トイレタイプとテントタイプの2種類があります。
しかし、まだ数が少ないことと冬季は撤去するなど常設では無いため、登山地図やYAMAP・ヤマレコなどの登山地図アプリに反映されていないことが多いので「必ずここでトイレが出来る」という確実性がありません。
大雪山では管理している団体が携帯トイレブースの設置場所の情報を載せてくれています。
こういう場所もあるので、常設トイレが無い山ではネットで携帯トイレブースがあるかどうか調べてみることをおすすめします。
②登山道外の茂み
携帯トイレを使用する場面では、トイレブースより圧倒的に登山道外の茂みで使用することが多いでしょう。
その際に気をつけたいのが遭難や滑落です。
悪天候時や他者に見られないようにと不用意に登山道から外れてしまうと、戻れなくなったり滑落したりする危険性もあるので、比較的登山道から近く足場が安定し、身を隠せる場所を探すようにしましょう。
また水質汚染に繋がってしまうので、沢などの水場の近くでのトイレも避けましょう。
携帯トイレの使い方
携帯トイレにも種類はありますが、基本的なセット内容は「便袋」「凝固剤」「防臭袋」の3点になっています。
どのメーカーから出ている携帯トイレも使い方は大体一緒ですので、写真を使いながら基本的な使い方の流れを説明していきます。
今回はmont-bellのO.D.トイレキットをして解説していきます。
携帯トイレの使い方① | 便袋を広げる
まず初めに、携帯トイレブースの便座なり地面に便袋を広げます。
袋の口を外側に折っておくと口が広がるため、排泄物が口付近につかないので後処理もやりやすいですし、排泄もしやすくなります。
※凝固剤を先に入れておくタイプのものはこの時点で入れます。製品内容を知っておくとスムーズにトイレが出来ます。
携帯トイレの使い方② | 排泄をして凝固剤で固める
凝固剤を後入れするタイプは、排泄をした後に排泄物の上に凝固剤をふりかけます。
製品にもよりますが、約1〜2分で固まります。
今回お試しでやった時は、色水の量が150mlほどと少なかったため、30秒ほどで固まりました。
携帯トイレの使い方③ | 便袋を縛り、防臭袋に入れて密閉する
排泄終了後、便袋の口をしっかりと結び中身が漏れないようにします。
その後、チャック付きの防臭袋に入れてチャックを完全に閉じます。
便袋も防臭袋も空気が入っているとザックにいれて圧力がかかったとき、破裂したりチャックが開いてしまう可能性がありますので、必ず空気を抜いたうえで封をしましょう。
携帯トイレの使い方④ | 持ち帰る
排泄をしたら必ず持ち帰りましょう。山中に放置することは絶対にダメです!
携帯トイレブースがある山では、登山口に回収箱が設置されているところもあります。
回収箱があったらありがたく利用させていただきましょう。
登山におすすめの携帯トイレ
携帯トイレには災害時用のものもあったりと種類が豊富で、どれを買えば良いかわからない方もいると思います。
そこでここでは、登山時に使いやすい携帯トイレを3つ紹介していきます。
株式会社 総合サービス
サニタクリーン 携帯トイレ アルム
高速吸水凝固シートが便袋と一体化しているため、処理の手間がかからない携帯トイレ。
パッと広げるだけの簡単構造で口の広い袋がおまるの様に自立するので、携帯トイレブースがなくても使えます。(簡易便器にも被せて使えます)
高密閉チャック袋1枚と水溶性ポケットティッシュ1個も付属しているので後処理も心配いりません。
「登山にはカワイイ物”を持っていきたい」といった山ガールの声で開発された、使いやすさ、機能性、デザインにこだわった「女性向け携帯トイレ」ですが、トイレの最中は誰かに見られるわけではないので男性もお使い頂けます。
mont-bell
O.D.トイレキット
mont-bellから出ている携帯トイレ「O.D.トイレキット」。
他の携帯トイレは約100gほどの重量がある中、こちらは重量43gと非常に軽くコンパクトで常にザックに入れておいても邪魔に感じない携帯トイレです。
付属の吸水ポリマーで尿や便が約1分で凝固し、ダブルチャックの防臭袋で確実に臭いを閉じこめてくれるので持ち帰り時も安心です。
便袋は、日本の国立公園内に設置されている簡易トイレの便座に取り付けられるサイズです。
エクセルシア
ほっ!トイレ
すべての人が衛生的で安全なトイレを使えることを目標に掲げるExcelcior(エクセルシア)が販売する「ほっ!トイレ」。
この携帯トイレは富士山で登山者に配布されたり、乗鞍高原の自然環境保全の一環として自動販売機で販売されている商品です。
便袋以外にも、ポケットティッシュ・ポンチョ・簡易トイレ型枠が入っており、どこでも安心して排泄をすることが出来ます。
内容物が多くかさ張りますので、必要性を感じないのであればポンチョや型枠を抜いて持っていくと良いでしょう。
まとめ
以上、携帯トイレの使い方と登山におすすめの携帯トイレの紹介でした。
携帯トイレは、行く山によっては絶対に持っていかないといけないアイテムです。
事前に購入し使い方を知っておくことで、いざという時に迷わず使うことが出来ます。
携帯トイレを持参して山のマナーを守り、自然にも他の登山者にも優しい登山をするよう心がけましょう。
それでは、おしまい!
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