登山用品って一つひとつが高く、必要な物を全て揃えようとなると大変ですよね。
そのため、「登山用品は高いから中古で揃えたい!」という人もいるかと思います。
最近ではメルカリなどのフリマアプリが発達し、中古の登山用品を手に入れやすい時代です。
安く使えるものを買えたらラッキーな反面、登山は危険を伴うアクティビティでもあるため、サイズが合っていないものや劣化しているものを買ってしまうとケガや命の危険に繋がる可能性も。
そこで今回の記事は…
- フリマアプリで中古登山用品を買っても大丈夫?
- 中古登山用品を買う上での注意点・選ぶポイントは?
- どんなアイテムなら中古で買っていいの?
こんな疑問についてお答えしていきます。ぜひ参考にしてみてください。
※今回の記事では冬山装備については触れていませんのでご了承ください。
フリマアプリで中古登山用品を買っても大丈夫?
結論から言えばフリマアプリで中古登山用品を買うのは問題ないです。
ただし、基本的に登山靴やザックなどの身につけるアイテムは、試着をして身体にフィットしているのを確かめてから購入します。
フリマアプリで試着は出来ませんので、購入時の最大の悩みポイントになるでしょう。
また、試着をしたり登山用品店のスタッフに相談しながら購入しても、実際に山で使ってみると身体に合っていなかったなんてこともよくあります。
登山靴やザックなどの登山用品は、自分の身体の特徴(正確なサイズなど)とブランドやそのアイテムとの相性を把握しておかないと使えるものを選ぶことは出来ません。
そのため、そういった情報や知識がない人が中古で登山用品を買うのはハードルが高いと思っておいてください。
中古で登山靴を買うときの注意点と選び方
登山用品の中でも選ぶのがとても難しい登山靴。
「安いからいいや」と安易に買うと、ケガに繋がったり結局新しいものを買ったりと良いことはありません。
中古登山靴を買う際は注意する点を十分に理解しつつ選ぶようにしましょう。
- サイズが合わないと怪我のリスクがある
- 購入から年数が経っていると劣化している恐れがある
- 使用者の足のくせが残っている
- 強い臭いや水虫が考えられる
【中古登山靴の注意点①】サイズが合わないと怪我のリスクがある
本当に自分に合うのを見つけるのが難しい登山靴。サイズだけでなく足形(木型)もブランドによって様々です。試着をしたとしても履いているうちに「やっぱり合ってなかった」となることもしばしば。
また、登山靴を履く時は厚手の靴下を履くので、それを踏まえて自分の足にあったサイズを買うことになります。
そのような登山靴を選ぶ際の基礎知識がないと、普段履いているスニーカーと同じサイズを買ってしまい、足に合わず靴擦れを起こすことになるでしょう。靴擦れならまだしも、捻挫などのケガをして歩けなくなる最悪のリスクも考えられます。
登山靴を初めて買う人ならば店舗に行き、足の実測値・足形を計測・把握したうえで、買おうとしている中古商品と同じものを店舗で試してから買うと良いでしょう。
もし同じ商品が店舗にない場合は、同じブランドの登山靴を履くとブランドの木型(足形)が分かり、購入の判断材料になりますよ。
【中古登山靴の注意点②】購入から年数が経っていると劣化している恐れがある
使用回数が多い靴はもちろんのこと、新品同様のものでも購入から年数が経っていると劣化(加水分解)している可能性があります。
加水分解はどんな靴でも起こりうるソールの劣化のことです。特に履かれてない靴に起きやすく、新品に見えるものでも保管環境によっては加水分解している可能性が考えられます。
加水分解が起きるとソールはボロボロになり、履いているときにソールが剥がれてしまう恐れがあるので注意しなければなりません。
修理に出せばソールの張り替えはできますが、値段は1〜2万円ほど、期間も2週間〜2ヶ月ほどかかるので新しいのを買った方が良かったとなるでしょう。(GORE-TEX製品は買い替えを推奨)
中古登山靴を買う場合は、出品者が購入してから最低でも3年以内のものを選ぶようにしましょう。
【中古登山靴の注意点③】使用者の足のくせが残っている
中古登山靴は前の使用者の足の形や歩き方のくせ(履き癖)がついているため、履きづらい可能性が考えられます。
履いた回数にもよりますが、よく履かれたものだと足のくせは強く反映されます。登山ではバランスを取ったり長い距離を歩くため、余計に足のくせがつきやすいものです。
足のくせというのはソールの減り、指のへこみ、歪みやねじれといったものが挙げられます。
「履きづらい」「歩きにくい」といった感覚は疲労の原因にもなりますし、最悪ケガに繋がることも。
また、それを履き続けていると歩き方が靴に合わせた歩き方に変わってしまい、修正が難しくなることも考えられます。
使用回数の多いよく履かれたものは選ばないことがポイントです。
フリマアプリで買うときは使用回数に着目し、試し履きや1回しか履いていないものを探すと良いでしょう。
【中古登山靴の注意点④】強い臭いや水虫が考えられる
登山靴の前の所有者が強い足の臭いや水虫持ちだったら、履くのを躊躇ってしまいますよね。
両者は画面で見ても伝わってこないし、水虫は実際に見てもわからないものです。そういうネガティブな点は売り込み時に伏せていることもあります。
ただし、臭いや水虫は洗ったり除菌スプレーをすることで対処が可能です。
購入したときには少し不快かもしれませんが、手間がかかっても安いのを買いたいという人はこの点を気にせず買っても良いでしょう。
中古登山靴の買うのは登山の何日前?
店舗で買った新品の登山靴であれば買った翌日に使うこともできますが、中古登山靴はそうはいきません。
中古登山靴は登山に履いていく1〜2週間前には手元にあるのがベストです。
中古登山靴を買ってサイズや靴の状態が大丈夫なことを確認したら、臭いや水虫のことを考慮してまず洗うことをおすすめします。洗うのはすぐに終わりますが、十分に乾燥させるのに2〜3日はかかります。
お手入れが終わったら街中で実際に歩いてみましょう。
試着しただけと実際に歩いてみた感覚は違いますし、劣化していて歩いた衝撃でソールが剥がれるなんてこともあります。登山の前に靴として機能するかを把握しておくことが大切です。
中古登山靴を買ったあとはこのように手入れや確認に時間がかかるため、登山に履いていく1週間〜2週間前には手元にあると良いでしょう。
インソールと靴下は新品を買おう!
登山靴とセットで購入することになるのがインソールと厚手の靴下です。
インソールはデフォルトのものでも大丈夫ですが、薄くてクッション性が無いため長時間歩くようになると足が疲れることも。インソールにはその疲労を軽減してくれる役割があります。
また、買った靴のサイズが大きかった場合はインソールを入れ替えることでフィット感を高め、快適に登山をすることができます。
登山で数回履いてからでも良いので、「足が疲れる」「靴がすこし大きかった」と言う人はインソールを買うことをおすすめします。
靴下は登山靴を買ったら同時に買うべきマストアイテムです。
登山で使う靴下にはクッション性で足を保護する役割と汗を処理する役割があり、どちらも登山では大切な機能です。
靴下といっても登山で履くものには「薄手」「中厚手」「厚手」といった厚さの種類があります。
登山をする時期や山行スタイルに合わせて選びましょう。
春〜秋にかけてのハイキング・日帰り登山には中厚手の靴下がおすすめです。
トレランシューズの中古も気をつけた方がいい?
近頃、登山の靴で言えばトレイルランニングシューズ(以下、トレランシューズ)で登る方も増えてきたかと思います。私もその1人です。
トレランシューズも高いものは3万円ほどするので、中古で買おうと考えている方もいるかもしれません。
トレランシューズは新品やほとんど使っていなく、安いのであれば買ってみるのも良いでしょう。
基本的には登山靴と同じポイントを注意して頂ければいいと思いますが、サイズに関しては普段履いているスニーカーと同じものでも大丈夫なので、登山靴ほど神経質にならなくて大丈夫です。
ただし、ソール部分に関しては注意してください。
トレランシューズの大きな特徴として山道を走る用に作られた、足裏に負担がかかりにくい丈夫でクッション性の高いアウトソールが挙げられます。また、濡れた地面で滑りにくいようソールの凸凹も多く、グリップ力も高いものになっています。
その特徴が無くなるとランニングシューズとほとんど変わらないので(言い過ぎか…)、ソールのすり減り、グリップの凸凹の減りには注意してみると良いでしょう。
注意すべき中古登山用品は他にもいろいろ
ここまで、長々と中古で登山靴を買うときの注意点を解説してきましたが、他にも注意すべき登山用品はあります。
- ザック
- レインウェア(GORE-TEXのウェア含む)
- ダウンジャケット、化繊ジャケット、シュラフ(寝袋)
- ヘルメット
前述した登山靴に加えて「ザック」と「レインウェア」の3点、いわゆる登山の三種の神器には特に注意が必要です。
サクッと注意点と選び方について解説していきます。
①ザック
ザックのサイズは、「背面長」と言われる首の付け根から腰骨までの長さと、ザックの背面の長さがフィットするように選びます。
このサイズが合ってないと肩のどちらかに重さがかかって痛かったり、ショルダーハーネスやウエストベルトといったストラップ類の長さが合わず体にフィットしない、なんてことが起こります。
中古で買う際は、自分の背面長を把握したうえでザックのサイズも確認してから買うようにしましょう。
②レインウェア
レインウェアは防水・はっ水性が命です。この機能がないとレインウェアの意味はないといっても過言ではありません。
これらの機能は汗や雨、汚れなど、いくら手入れをしていても使っていると低下していくものです。
そのため、中古でレインウェアを買う場合はできるだけ未使用のものを買うと良いでしょう。
これはGORE-TEX素材のものにも同じことが言えます。GORE-TEX素材の特徴は防水・透湿性で、レインウェア以外のウェアにも使われています。デザインだけでなく、機能性を求めてウェアを買う場合は注意しましょう。
③ダウンジャケット、化繊ジャケット、シュラフ(寝袋)
ダウンジャケット、化繊ジャケット、シュラフ(寝袋)の3つはどれも保温を目的として使うアイテムで、どの製品にもダウンか化繊の中綿が使用されています。
この中綿の良し悪しを判断するのにFP(フィルパワー)と呼ばれる単位が存在します。この単位は、簡単に言えば“羽毛の膨らみやすさ”を表しています。
数値が高いほど軽量で保温性の高い高品質アイテムになります。ダウン製品を買う上で最も大事なポイントです。(化繊製品には表記されていないことが多い)
しかし、使用回数や保管方法によってはこの膨らみやすさが低下している可能性があり、保温性がなくなっていることも考えられます。
どのアイテムも寒さをしのぐために着るもので、機能が低下したものを知らずに着ると山では命に関わることも。また、破れがあったり補修されているものも中綿が抜けて性能が落ちていることも考えられます。
これらのアイテムは出来るだけ新品、未使用品かつ保管状態の良いものを買うことをおすすめします。
関連記事:夏の登山でも防寒着が必要なワケとおすすめの防寒着9選
④ヘルメット
ヘルメットにもサイズがあり、製品によって形も様々なためフィットするモデルと合わないモデルがあります。
ヘルメットは滑落や落石の危険が伴う場所で使うもので、キツかったり当たりがあるとストレスになり歩行に集中できず、事故につながる恐れがあります。
また、落石があった場合にサイズが合っていないと、衝撃でズレてヘルメットの意味をなさない可能性もあります。
ヘルメットに関しては、店舗で試着をして自分の頭に合うモデルを見つけてから中古で買うと良いでしょう。
フリマアプリを活用して登山用品を安く揃えよう!
今回紹介したアイテム以外にも登山で使うアイテムはたくさんあります。全部新品で揃えようと思うとかなりの値段になり、財布の中身が空っぽになることも。
ベースレイヤーやミドルレイヤーといったウェア類、ズボン、帽子などは、中古でも商品の状態を見て普段着ているサイズを買えば使えないものを買うことはほとんどないでしょう。
そういったものは中古で買ってみるなど、高価な登山用品たちとはうまく付き合っていきましょう。
また、今回紹介した注意すべき登山用品も自分に合うサイズのものを把握した上で、商品の状態を判断できる眼と知識に自信があるなら購入しても良いと思います。
ぜひ今回の注意点を踏まえながらも、中古で安く登山用品を揃えてみてください!
それでは、おしまい!
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