登山に行って山頂に着く前に疲れ切って景色を楽しめなかった、翌日の筋肉痛が酷くて少し登山が嫌になったという方はいませんか?
その悩みは「歩き方」を変えることで解決するかもしれません。
登山初心者のうちから歩き方のコツを覚えておくと、足や体の負担を減らし、より楽しく沢山の山を登ることが出来ます。
この記事では、登山初心者でも簡単に実践できる歩き方のコツを8つ紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
登山で歩き方のコツを覚えるメリットは?
皆さんは日常生活で歩き方を意識したことはありますか?
普段は歩き方を意識しなくても、よほど長距離を歩かなければ疲れることは無いかと思います。
登山で普段と同じように歩いた事がある人は分かる通り、もの凄く疲れ、筋肉痛も起こりやすくなります。
街には街の、山には山の歩き方があります。
登山で歩き方のコツを覚えると疲れにくいだけでなく、足や膝を痛めるリスクを減らしたり、汗をかきにくくしてくれます。
登山で歩き方を良くするメリット① | 疲れにくい
登山は“疲れるもの”ではありますが、登山にあった歩き方をすることで、その山行は疲れにくく快適なものになります。
疲れなければ一般的な山だけでなく、長距離の縦走登山や泊まりがけの登山など、今まで体力が無いからと諦めていたハードだがより楽しい山行も出来るようになります。
また、登山での過度な疲労は遭難や事故に繋がりますので、疲れにくい歩き方をマスターすることで、そういったリスクを減らすことが出来ます。
登山で歩き方を良くするメリット② | 足や膝を痛めない
登山をやっていると足や膝を痛める方、翌日の筋肉痛がひどい方が多く見受けられます。
登山では重い荷物を持っている上に、登りで日常生活では越えないような段差を登ったり、下山での着地時の衝撃など身体、特に下半身には相当な負担がかかっています。
大きな段差や下山の時に歩き方を工夫することで足や膝への負担を軽減し、怪我をする恐れを減らしてくれます。
怪我をしなければ長く登山を楽しむことが出来ます。
登山で歩き方を良くするメリット③ | 汗をかきにくい
汗をかく主な目的は体温調節です。蒸し暑い日の登山などでは、発汗によって体温上昇が抑えられ、熱中症などのリスクを軽減してくれています。
また、登山は普段より負荷の強い運動をしているので汗をかくのは当然です。
しかし、滝のような汗をかいている人は歩き方に問題があるのかもしれません。
街中のような速さで歩いていたり、筋力・体力を使うような大きな動きをしていると余計に汗をかきます。
汗は臭いや不快感が気になるだけでなく、汗をかいたまま登り続けるとそれが冷えて「低体温症」になる恐れがあります。
歩き方を身につけると、今までより汗をかきにくく快適に歩くことが出来ます。
登山での歩き方のコツ8箇条
もちろん普段通りに歩いていても、山頂には着くし無事に下山することが出来ます。
しかし、歩き方次第で足への負担や疲れ具合は大きく変わり、登山がより快適で楽しいものになります。
「歩くだけで精一杯なのに考えながら歩くなんて…」と思うかもしれませんが、コツを覚えれば疲れにくくなりますのでやらない手はないですね。
難しくはありませんが数が多いので、1回の登山で1つずつでもいいので実践してみてください。
登山の歩き方のコツ① |こまめに目線を上げる
登山では足場が不安定なことが多く、足元を見ることが多くなります。
また、疲れてくるとうつむきがちに。
そうすると体は“猫背”になり、胸や内臓が圧迫されて呼吸が浅くなり、余計に疲れてしまいます。
登山の基本姿勢は頭から背中にかけて上半身を真っ直ぐにすることです。
こうすることで、頭から足先まで一直線になり骨格で体重を支えられるため、無駄に筋力を使わずに済みます。
「上半身を真っ直ぐ」を意識するのは案外難しいので、「こまめに視線を上げる」ことを意識してみましょう。
これを意識すると疲れにくいだけでなく、登山道に飛び出した枝に頭をぶつけたり、分岐を見逃して道迷いになるリスクを減らすことが出来ます。
そして何より、疲れで落ち込みがちな気分を上向きにしてくれますよ。
登山の歩き方のコツ② | 足裏は地面にベッタリと
ソールが硬い登山靴を使っていたり傾斜のある登りでありがちなのが、つま先だけで登ってしまうこと。
特にソールが硬い登山靴だと、どんな歩き方をしてもどんな場所に乗せてもバランスが取れてしまうので、いつの間にかつま先だけで歩いていることがあります。
そうすると、ふくらはぎの筋肉が伸び切った状態で使い続けることになり、疲れや筋肉痛、足つりの原因になってしまいます。
そこで覚えたいのが「ベタ足歩行(フラットフッティング)」です。
ベタ足歩行は、靴底全体で着地する歩き方で、ふくらはぎが伸びきることなく足に優しい歩き方です。
この歩き方は足に優しいだけでなく、足場の悪いガレ場やザレ場などでも登山靴の靴底にあるグリップの性能を十分に発揮することができるので、スリップしにくくもしてくれます。
最初は難しいと思いますが、後ろの人に足の裏を見せないように歩くことを意識してみましょう。
登山の歩き方のコツ③ | 歩幅は小さく細かく
街中のようにズカズカと大股で歩くと、蹴り出す足のふくらはぎ、足を持ち上げるときに太ももの筋肉に負荷がかかるなど、無駄に筋力を使ってしまいます。
また、自ずとペースが速くなり、上記で説明したベタ足歩行もやりにくくなってしまいます。
歩幅を小さく細かくすることで足にかかる負担が減り、疲れにくくしてくれます。
登山道で出てくる階段は歩幅が合わず、疲れやすいという方も多いのではないでしょうか?
1段1段の幅が広い階段では、大股にならないように両足を1段に揃えてから次の段に踏み出したり、幅が狭い場合は、交互に足を持ち上げて一方に負荷がかからないように登ると疲れにくいですよ。
登山の歩き方のコツ④ | 同じ速度と自分のペース
登山では“歩き始めはゆっくりと”がポイントです。
登山初心者がやってしまいがちな、歩き始めに飛ばしてしまうこと。
登り始めは体力もやる気も満タンで良いテンポで歩けますが、登山は長時間のアクティビティであり、最初にペースよく歩いてしまうと後半にバテて辛くなります。
休憩後も同じで、回復したからと張り切って早く歩くと、体がびっくりしてすぐにバテてしまいます。
出来るだけゆっくり歩き始めて、一定のペースを心がけましょう。
人によって持ち合わせる体力が様々ですのでペースは人それぞれでしょう。
ペースの目安は息がハアハア切れない程度、おしゃべりしても呼吸が乱れない程度が望ましいです。
登山の歩き方のコツ⑤ | 手の位置は横か?前か?
登山でよく見かける腕組みをして登る人。あれにはどんな効果があるのか気になったことはありませんか?
登山では重い荷物を長時間背負い、基本同じ姿勢で歩き続けているため、普段のように手を横で振って歩いているだけだと、途中で腕や肩が疲れてきたり、浮腫んだりすることもあります。
そこでおすすめなのが腕組みをして歩くことです。
腕組みをすることで腕や肩が疲れないだけでなく、上半身が左右に振られにくく体幹が安定するので、体の余計な筋力を使わずに済み、体力を温存しながら歩くことが出来ます。
また、上半身を真っ直ぐに保ちやすかったり、上半身が固定されるため腰(股関節)の動きに意識が集中し、足の動きがスムーズになるなど、腕組みには多くのメリットがあるのです。
腕組み以外にも、手を腰に当てたりショルダーベルトを持ったりと、定期的に手の位置を変えると、上記の効果を得られながらも手や肩の血流が滞ってしまうのを防げます。
登山の歩き方のコツ⑥ | 登りも下りも段差を避けて歩く
山では一般的な登山道でも、足を大きくあげて登ったり、膝をかがめて降りる段差が出てきます。
そういう時に無理にそのまま進むと、足への衝撃や負担が大きく、疲労や怪我の原因になります。
たとえ遠回りしたとしても直登するより遥かに“楽”ですので、段差のより小さい場所を選んで歩いてみましょう。
登山の歩き方のコツ⑦ | 急な登りはジグザグ歩き
急な上り坂での直登は高さは稼げますが、ふくらはぎや太もも裏への負担が大きかったり、細かい石の多いザレた足場では滑りやすかったりします。
歩く距離は伸びてしまいますが、斜面に対してジグザグに登っていくと足の負担は減らせます。
登山の歩き方のコツ⑧ | 下山で足が疲れてきたり、急斜面が出てきたら横歩き
下山は登りに比べて足への衝撃が遥かに強く、足の特に太もも前の筋肉(通称:ブレーキ筋)が疲れやすい特徴があります。
体を真っ直ぐに向けて降り続けているとブレーキ筋を使い続けることになるため、膝を痛めたり、下山最中に足がガクガクしたり、帰ってから辛い筋肉痛に襲われたりします。
筋肉を使いすぎた状態で下山を続けると足が言うことを聞かなくなり、転倒や滑落の危険性も高まります。
下山で疲れてきた場合や急斜面が出てきた場合は、体ごと斜め前にして横歩きをすることで違う筋肉を使えるので、同じ筋肉を酷使せず楽に降りることが出来ます。
まとめ
以上、登山で実践したい歩き方のコツのご紹介でした!
項目が多く覚えるのが大変ですが、最初から全部やろうとはせず、一つずつ実践してみてください。
全部動きは繋がっていますので、一つできると他の項目もいつの間にか出来るようになっているかもしれません。
これを実践して歩き方を改善しても結構疲れてしまうという方は、日常的に運動を取り入れたり、トレッキングポールやサポートタイツなどの登山を快適にしてくれるアイテムを頼ってみてもいいと思います。
歩き方のコツを覚えれば疲れず快適に登れて、より一層登山を楽しむことが出来ます。
ぜひ、実践してみてください。
それでは、おしまい!
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