登山において服装は生死にも関わる重要アイテム
汗をかいたけど吸ってくれる素材ではないので低体温症になった、雨が降ってるけど雨具を持っていなくてびしょ濡れになり低体温症になったなんてことも(全部低体温症の話…)
やれ素材が何だとか、レイヤリングがこうだとかを気にしがちな登山服は、ハマっていく内に機能性が良い物を求めブランドものを買いがちに。
しかし山小屋で働く際は、素材やレイヤリングにこだわって買った、高いブランドものは着なくて良いんです。
理由は2つ。
①基本的に山小屋での“生活”だから
②山小屋の作業で穴が空いたり汚れたりするから
理由①:基本的に山小屋での“生活”だから
登山では常に歩いているので汗もかきますし、地形や天候に合わせて臨機応変に対応出来る服装をしていかなければいけません。
しかし、山小屋仕事はあくまで掃除や食事作り、受付や売店番など宿泊業に伴う室内での仕事が多く、外でのヘリ作業や歩荷などはさほど多くありません(小屋によって違うと思いますが)。
そのため、汗もあまりかかないし、雨の日なんかは登山客も少なくほとんど室内で過ごすので、仕事をしていく上では服の機能性はほぼ関係ないのです。
ただ、寒くなければ良いだけ。
夏場でも10℃台、9月後半には雪が降る場所もあります。
なので、寒さ対策だけは必須。
しかしここでもベースレイヤー、ミドルレイヤー…とレイヤリングを気にする必要もなく、Tシャツの上にフリースかダウンを着て、暖かければOKなんです。
私はTシャツの上にユニクロのウルトラライトダウンを着るだけで、夏場の夜は乗り切れました。
理由②:山小屋の作業で穴が空いたり汚れたりするから
こちらをご覧ください。
私は登山で履く長ズボンはTHE NORTH FACEのアルパインライトパンツを長年愛用しています。
そんなアルパインライトパンツを山小屋仕事でも履き倒していたのですが、ある屋根上での布団干しの最中、「ビリッ!」と音がしてズボンを見てみると、ぽっかりと穴が空いていたのです。
軒先に出っ張りがあり、そこに引っ掛けてしまったのです。
「布団をそこに引っ掛けると破けちゃうから気をつけてね」と言われていたので、布団は細心の注意を払って干していたのですが、自分の体までは…
この時はちょっと悲しかった…。
と、ごく一般的な生活とは違う作業をする山小屋での生活、何が起こるかは分からないのです。
また、上記の話は気をつけていれば破けることは無かった話ですが、毎日やる掃除や料理では擦れたり汚れたりするのは避けられません。
そして登山において値段が高いアイテムの代表であるのが「レインウェア」。
レインウェアは雨の日に外作業をする場合には使うのですが、山小屋にいる間は洗濯をするのが難しいです。
そのため臭くなったり撥水性が落ちたりと、どんどんレインウェアがダメになっていきます。
※レインウェアをすでに持っているけどそれは使いたくないと言う人には、ワークマンのINAREM(イナレム)ストレッチレインスーツが安くてガシガシ使えるのでオススメです。
※まだレインウェアを持っていない人は、普段の登山でも充分活躍できるmont-bellのストームクルーザーがコスパが良くてオススメです。
おわりに
このような生活をする山小屋の仕事。
せっかく買った機能性が良い少しお高い服や、お気に入りの服に穴が空いたり汚れたりするのは悲しいですよね?
なので、山小屋で作業をするときにそういった登山服を着るのはやめた方が良いと思ったのです。
ただし、機能性がある程度しっかりとした服装が必要な時もあります。
それは救助に行く時(アルバイトは滅多にありません)と自分が休暇時に登山をする時です。
こうやって使う場面もあるので、仕事中に着るのはあまりオススメしませんが、持っていくだけ持っていったほうが良いでしょう。
私はお気に入りのズボンに穴を空けちゃったのが少しショックだったので、次に山小屋仕事をする時はジャージとかにしようかな。
おしまい
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