紅葉の時期に低い山を歩くだけなら、そこまで身構えなくても大丈夫です。
ただ、標高1,500〜2,000m級の、森林限界(高い木が生えなくなる境目)に近い山になってくると話が変わってきます。私も軽く考えていて、痛い目に遭いました。
紅葉が見ごろだった時期、雨飾山に登ったときのことです。樹林帯を歩いている間は半袖のままでも平気でした。ところが、高い木がなくなって山頂に着いたとたん、体感がまるで違いました!
そのとき私は、ユニクロのウルトラライトダウンを家に忘れていました。半袖のシャツに長袖のフリース、レインウェアまで重ねていましたが、それでも寒く、山頂に長くいるのがつらいくらいでした。
「フリースとレインウェアがあれば、そこまで困らないのでは?」
「紅葉の時期なら、まだ本格的な防寒はいらないのでは」
私も登る前まではそう思っていました。実際に山頂で立ち止まってみて分かったのは、紅葉の山は、登っている間ではなく、止まった瞬間に寒いということです。
この記事では、その経験をもとに、紅葉の時期に買い足しておきたいものを整理します。
- 買い足すのは行動着ではなく、山頂で止まるときのための3点だけ
- 選ぶ基準は価格ではなく「何シーズン使えるか」
- グローブとタイツで、サイズ表記につまずきやすい落とし穴
なぜ登りは半袖で平気なのに、山頂だけ別世界になるのか
雨飾山では、樹林帯を歩いている間、暑くて服を脱ぐような場面はありませんでした。むしろ、風がなくて少し汗ばむくらいのときでも、半袖のままでちょうどよかったです。
①樹林帯は風を遮り、歩くこと自体が発熱している
樹林帯の中では、木々が風をさえぎってくれます。加えて、登り続けている間は体そのものが熱を作っているので、多少涼しくても寒さは感じません。
これが、樹林帯の中で半袖でも歩けてしまう理由です。
②森林限界を超えると、風を遮るものが無くなる
高い木がなくなって視界が開けてくると、状況が一変します。風をさえぎるものがなくなったうえに、山頂で立ち止まれば、歩くことで作っていた熱もそこで止まるからです。
標高が上がるほど、気温そのものも下がります。目安として、標高が100m上がるごとに気温はおよそ0.6℃下がります。標高差が1,000mを超える山なら、麓との気温差は6℃前後になる計算です。
ここに風が加わるぶん、体感はさらに下がります。
山頂で長く動かずにいると、体は思っている以上に早く冷えていきます。冷えが進むと低体温症につながることもあるので、山頂で使う防寒着は、行動中の服とは別に用意しておいたほうがいいです。
保温着は「安いか高いか」ではなく「何シーズン使えるか」で選ぶ

雨飾山での失敗のあと、私が買い足したのがアークテリクスのアトム フーディです。同じ紅葉の時期に、別の山で着てみた写真です。
①レインウェアはどちらを選んでも必ず持っていく
ダウンかアトム フーディかという選び方は、「軽量化のためにどちらか1枚を削る」という話ではありません。私はレインウェアも必ず持っていきますし、そのレインウェアもアークテリクス製です。
荷物が減るわけではないので、比べる基準は重さでも価格でもなく、その1着を何シーズン使えるかだと考えています。
②比較表|ユニクロ ウルトラライトダウン/アークテリクス アトム フーディ
| 商品 | 向いている季節の目安 | 耐久性・防風性の傾向 | 価格 |
|---|---|---|---|
| ユニクロ ウルトラライトダウン | 秋なら十分。1シーズン向き | 軽さと引き換えに、耐久性・防風性はやや弱い | ¥7,990(税込) Amazon・楽天の取り扱いなし |
| アークテリクス アトム フーディ | 秋から春先まで、私は長く使っている | 中綿と表地のナイロンで風には強いが、本降りの雨は防げない | ¥49,500(税込) |
安さ・軽さ・暖かさを考えると、ユニクロのウルトラライトダウンは秋の登山なら十分だと思っています。ただ、値段が安いぶん耐久性にはやや難があり、冬になると保温力が足りなくなってきます。
これ1枚では風は防げないので、上に着るウィンドブレーカーやレインウェアが別に必要になります。私の経験上の感覚ですが、このあたりが1シーズン向きと考える理由です。
一方のアトム フーディは、私の感覚では秋から春先まで、ずっと使えています。ただ、誤解しないでほしいところがあります。アトム フーディは防水のシェル(アウター)ではありません。合成の中綿が入った保温着で、表地は小雨程度なら弾きますが、本降りの雨は防げません。雨が強くなりそうな日は、この上にレインウェアが必要です。
¥49,500という金額は、シーズン数で割ってみると見え方が変わります。2シーズンで買い替えるなら1シーズンあたり24,750円、5シーズン使えれば1シーズンあたり9,900円まで下がります。自分が何シーズン使うつもりかを当てはめて、この金額の重さを判断してみてください。
向いている人:秋から春先まで、長く使える保温着を1着そろえたい人。
注意点:防水ジャケットではないので、本降りの雨が予想される日は、レインウェアと組み合わせて使う必要があります。
ユニクロのウルトラライトダウンは、Amazonや楽天では扱いがありません。気になる人はユニクロ公式サイトのダウン一覧から探してみてください。
買い足した残り2点──薄手グローブと薄手タイツ
アトム フーディほど劇的な理由があったわけではありませんが、保温着のほかに、私が紅葉の時期に買い足したのは薄手のグローブと、スリーシーズン用のタイツでした。以下の価格は、いずれも2026年8月時点のものです。
①薄手グローブ|紅葉の朝晩・稜線の風対策に
私が使っているのは、Black Diamondのライトウェイト スクリーンタップ ライナーです。価格は¥4,840(税込)で、タッチパネルにも対応しているので、スマホの操作でいちいち外す必要がありません。
厚手の防寒手袋ほどではありませんが、紅葉の朝晩や、稜線で風が吹いたときの指先の冷えはかなり和らぎます。
向いている人:厚手の防寒手袋はまだ要らないが、指先の冷え対策はしておきたい人。
注意点:Amazonで買えるのはL・XLサイズのみです。手が小さい人は、サイズが合うか購入前に必ず確認してください。
②薄手タイツ|厚手はまだ要らない
タイツも、私が実際に履いているのはGoldwin C3fitのコンプレッションロングタイツです。Amazonでの価格は¥10,230(税込。公式の参考価格は¥14,300)でした。紅葉の時期はまだ厚手の防寒タイツは必要なく、春から秋にかけて使えるスリーシーズン用で足りました。
厚手の防寒タイツを買うにはまだ早い時期に、下半身の冷え対策をしておきたい人向けです。サイズ表記が他の2点とは違います。S・M・L・XLではなく、身長とウエストの組み合わせで決まる数字の1〜5で分かれているので、購入前にサイズ表で確認しておくと安心です。
山頂・休憩時の着方──フリースの上に、必要なら保温着とレインウェアを重ねる

後日、丹沢の塔ノ岳に登ったときに、アトム フーディを実際に着てみました。雨飾山での失敗とは別の日、別の山です。
山頂や休憩で立ち止まるときは、まず長袖のフリースの上に保温着を重ねます。風が強い日や、小雨がぱらついているときは、そこにレインウェアを一番外側に重ねます。
アトム フーディは表地が風に強いぶん、私の感覚ではユニクロのウルトラライトダウンより、上に何かを重ねる場面が少なく感じます。
よくある質問
紅葉が終わって12月以降も低い山を歩く予定があるなら、フリースや手袋を中心にまとめた冬の低山の服装についての記事のほうが参考になります。今回とは対象になる山の季節感が違うので、その先の防寒はそちらに譲ります。
- 紅葉の山は、登っている間ではなく止まった瞬間に寒い。買い足すのは行動着ではなく山頂用の保温着
- 選ぶ基準は「安いか高いか」ではなく何シーズン使えるか。レインウェアはどちらを選んでも別に必要
- アトム フーディは保温着であって防水シェルではない。本降りの雨は防げない
- グローブはAmazonだとL・XLのみ、タイツはS/M/L/XLではなく数字の1〜5。サイズ表記の違いに注意




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