富士登山の装備レンタル完全ガイド|一式の費用・手順・返却まで

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「今年こそ富士山に登ろう」

そう決めて登山用品店に行った人が、たいてい最初にぶつかる壁があります。

値札です。

登山靴が2万円台。雨具の上下で2万円台。ザックが1万円台。防寒着、ヘッドライト、ストック……。まだレジにも並んでいないのに、頭の中の合計金額はとっくに10万円を超えています

しかも困るのが、この装備を次に使う予定が思いつかないことです。

富士山に登るのは、多くの人にとって一生に一度。そのために10万円を出すかどうか。ここで手が止まる気持ちは、とてもよく分かります。

そこで現実的な選択肢になるのがレンタルです。必要なものが全部入って16,000円。買う場合の、およそ8分の1から4分の1で済みます。

この記事では、富士登山のレンタルについて、実際の金額・借りるべきもの・買った場合との比較・予約の流れまで、判断に必要なことをまとめました。ぜひ参考にしてみてください!

この記事で分かること
  • 富士山の装備を買うと総額いくらか(実際の価格で計算)
  • 借りるならどのセットを選べばいいか
  • 「他人が使った道具」が実際どう扱われているか
  • 何回登るなら、買ったほうが得になるのか
  • 入山料と、吉田ルートの装備チェック
  • 予約から返却までの流れと、失敗しないための注意点
目次

富士山の装備、買うと約7万〜14万円かかります

ザック・ストック・レインウェアを身につけて富士山の山頂へ向かう登山者
山頂へ向かう吉田ルート。写っている装備が、ほぼそのまま「買うと10万円」の中身です。
写真:Fabio Achilli/CC BY 2.0

まず、現実の金額を見てください。

富士登山に最低限必要な6点を、メーカー公式サイトの通常価格で集計するとこうなります。

装備買う場合
登山靴19,000〜35,000円
レインウェア上下20,000〜43,500円
ザック(30L)12,000〜28,000円
防寒着(フリース)6,000〜13,500円
ヘッドライト1,600〜7,200円
ストック(1本)8,800〜12,700円
合計約67,000〜141,000円
キャラバンとモンベルの公式通販に掲載されている通常価格をもとに、筆者が集計(2026年8月時点)。各カテゴリから代表的な価格帯を選んだもので、掲載範囲のすべてではありません。セール品・アウトレット品は含めていません。下限は掲載商品の実勢価格(登山靴17,930円〜、レインウェア上下19,700円〜)を切り上げた代表値です。

安いモデルでそろえても約6万7千円。ある程度いいものを選ぶと14万円を超えます。

これに対して、レンタルはこうなります。

買う(中間の価格で)約100,000円
借りる(7点セット・1泊2日)16,000円

同じ装備をそろえるのに、差額は約84,000円。しかもレンタルなら、帰ってきたあとの置き場所も、手入れも、次に使う予定を考える必要もありません。

1回登るだけなら、答えははっきりしています。

富士山のレンタルで実績があるのはやまどうぐレンタル屋で、2010年から続く宅配レンタルの老舗です。必要なものが全部入ったセットが、自宅に届きます。

ただし、ここで多くの人がもう一段階つまずきます。

【結論】迷ったら「まるごと7点セット」16,000円で足ります

まるごと7点セット(16,000円〜)の中身 1 レインウェア上下 上下セパレート。風よけにもなる 2 ザック ザックカバーが内蔵されている 3 登山靴 借りると登山用ソックスが付く 4 ストック2本 下山の膝の負担を減らす 5 ヘッドランプ 新品の予備電池が付いてくる 6 ショートスパッツ 砂や小石が靴に入るのを防ぐ 7 防寒着(フリース) これが入らないのが6点セット(13,500円〜)
まるごと7点セットの中身(各商品ページの記載をもとに筆者作成)。6点セットは、この7番目の防寒着だけを抜いたものです。

先に結論をお伝えします。

富士山が初めてで、この先も登山を続けるか決めていないなら、まるごと7点セット(16,000円・税込)を選んでおけば間違いありません。

セットは主に3つあります。

セット料金向いている人
まるごと6点セット
雨具・ザック・靴・ストック・ヘッドランプ・スパッツ
13,500円〜防寒着を持っている人
まるごと7点セット
上記6点+防寒着(フリース)
16,000円〜何も持っていない人
(多くの人はこちら)
フルサポート12点セット
7点+パンツ・タイツ・膝サポーター・手袋・帽子
24,000円〜小物まで全部任せたい人
やまどうぐレンタル屋の各商品ページより(1泊2日・税込/2026年8月時点)。2泊3日はそれぞれ15,500円/18,000円/26,000円。

7点セットを基準にする理由は、はっきりしています。

防寒着が入っているかどうか、その一点です。

6点セットは7点セットの下位版ではなく、防寒着だけを抜いたものです。フリースやダウンをすでに持っているなら6点で足ります。持っていないなら、7点を選んでください。

なぜ防寒着がそこまで重要なのかは、後半の気温の話で書きます。ここでは「富士山では防寒着なしという選択肢はない」とだけ覚えておいてください。

ここは押さえておきたい

7点セットにはザックカバーが最初から付いています(ザックに内蔵)。ストックも2本(ダブルストック)が用意されているので、別に借りる必要はありません。「セットに入っていないものを買い足す」という追加出費は、基本的に発生しない設計になっています。

▼ セットの中身と空きを確認する

やまどうぐレンタル屋で料金とセット内容を見る

前日までの連絡ならキャンセル無料(全額返金)。天気が読めない段階でも、先に押さえておけます。

正直なところ、他人が使った靴ってどうなの?

「値段は分かった。でも、知らない人が富士山を登った靴を履くのは、ちょっと……」

これ、レンタルをためらう一番の理由だと思います。私も同じことを考えました。

気になったので、やまどうぐレンタル屋が公開しているメンテナンス工程を全部読んでみました。想像していたよりも、かなり手が込んでいます。

装備返却後にやっていること
登山靴靴底の石と泥を除去 → インソールを取り出して毎回洗濯 → 靴本体を高圧洗浄機で水洗い → 落ちない汚れはブラシで手洗い → 風通しのよい場所で数日かけて乾燥
レインウェアポケットの中の忘れ物・ゴミを確認 → ファスナーを閉じ、フードを広げて洗濯 → 撥水剤で仕上げて防水透湿性を回復 → 破れ・穴・紐切れをチェック
ザック中とポケットの忘れ物を確認 → 汚れをふき取り(ひどい場合は中性洗剤で手洗い) → 乾燥させて消臭・除菌 → 破れとパーツの不具合をチェック
やまどうぐレンタル屋が公開しているメンテナンス工程より(2026年8月時点)。同社は「ご使用になられた商品は、特に何もせず汚れたままでご返却いただいて結構です」と案内しています。

とくに登山靴の「インソールを毎回洗濯」と「数日かけて乾燥」は、正直、自分で買った靴にここまでやる人は少ないと思います。

そしてもう一つ、これは意外だったのですが——

中古であることが、むしろ有利に働く

公式は登山靴についてこう説明しています。「レンタルの登山靴は、新品商品のような硬さがなく、適度な使用感・柔らかさがございますので、比較的、足に馴染みやすい」
新品の登山靴は硬く、本来は履き慣らしてから山に入るものです。ところが富士山は、多くの人にとって履き慣らす時間がないまま本番を迎える山。適度にこなれた靴のほうが、初日から足に合いやすいというのは理にかなっています。

「中古だから妥協する」ではなく、履き慣らす期間が取れない富士登山では、むしろレンタルのほうが足に優しいということですね。

ちなみにヘッドランプには新品の予備電池が必ず付き、登山靴を借りた人全員に登山用ソックスがプレゼントされます。厚手の登山用ソックスは、足の疲れとマメの出方が変わる地味に重要な装備なので、これは素直にありがたいところです。

2026年からの富士山は、装備がないと「登れません」

富士山吉田ルートの五合目付近から見上げた登山道と山小屋
五合目を出てすぐの吉田ルート。この先に進むには、五合目のゲートで装備のチェックを通る必要があります。
写真:Maarten Heerlien/CC BY 2.0(一部トリミング)

ここからは、2026年から変わったルールの話です。

結論からいうと、吉田ルートでは装備がそろっていないとゲートを通してもらえません。

これは「持っていったほうがいい」という推奨ではなく、通行の条件です。

ルール吉田ルート
(山梨県側)
富士宮・御殿場・須走
(静岡県側)
入山料1人1回 4,000円(全4ルート共通)
五合目の装備チェックあり
防寒具・上下セパレート式の雨具・登山に適した靴。全て持っている人のみ通行可
なし
事前学習義務
アプリで学習し確認テスト
登山できる期間7月1日〜9月10日
須走も同じ
7月10日〜9月10日
夜間の通行14時〜翌3時は山小屋の宿泊者以外は通行不可
吉田ルートは1日4,000人の上限あり
出典:山梨県「令和8年度の富士登山」(2026年4月27日)、富士登山オフィシャルサイト「静岡県側3ルート 登山規制について」(2026年5月14日)。開山日は直前の除雪状況によって遅れる可能性があると公式に注記があります。山梨県側は公式ページ上「通行料」と表記されていますが、金額は同じです。

ここで大事なのは、装備チェックがない静岡県側でも、必要な装備は同じだということです。

富士登山オフィシャルサイトが全ルート共通で挙げている必須装備は、登山靴(ハイカット/硬めソール)・上下セパレートタイプの雨具・冬用衣類・ヘッドランプ+予備電池。チェックされないだけで、必要性は1ミリも変わりません。

7点セットには、この4項目がすべて含まれています。セットで借りるいちばんの利点は、実はここです。何が必要かを自分で調べて、1つずつ買いそろえる作業が丸ごと不要になります。

富士山が「寒い」の意味を、数字で見てください

富士山から見たご来光と雲海
ご来光待ちは、その日いちばん気温が低い時間帯に、動かずに待つことになります。
写真:osakaosaka/CC BY-SA 3.0

防寒着の話に戻ります。

気象庁の平年値によると、富士山頂の平均気温は7月5.3℃・8月6.4℃です。

この数字だけだと、正直ピンと来ないと思います。なので、同じ気象庁のデータで比べてみます。

場所・時期平均気温
富士山頂・8月6.4℃
東京・2月6.1℃
東京・1月5.4℃
気象庁の月別平年値(1991〜2020年)より。富士山東京

つまり、真夏の富士山頂は、東京の2月とほぼ同じ気温です。

真冬の東京に、パーカー1枚で夜通し立っていられるか。そう考えると、防寒着が「あったほうがいい」ではなく「ないと危ない」ものだと分かると思います。

しかも、これは平均です。富士登山オフィシャルサイトの説明はもっと厳しく、山頂は夏でも日の出前の時間帯には気温0度近くまで下がるとされています。

そして富士登山の定番であるご来光は、その日いちばん寒い時間帯に、じっと動かずに待つ行為です。歩いている間は体が熱を作りますが、待っている間は作りません。ここで効いてくるのが防寒着です。

五合目の気温で判断してはいけない

気温は標高100mごとに約0.6℃下がります。吉田口五合目は標高2,305m、山頂は3,776m。差は約1,470mなので、単純計算で約9℃の差です(筆者の計算)。
五合目に着いたときに「思ったより暖かいな」と感じても、それは山頂の気温ではありません。五合目の体感で防寒着を車に置いていくのが、いちばんやってはいけない判断です。

何回登るなら、買ったほうが得なのか

ここが一番知りたいところだと思います。単純な割り算で出します。

買った場合を中間の10万円、レンタルを7点セットの16,000円とすると——

買う場合の総額レンタル何回分か
安くそろえる(約67,000円)4回
ふつうにそろえる(約100,000円)6回
いいものでそろえる(約141,000円)9回
筆者の試算(2026年8月時点の価格)。レンタルの7点セットにはショートスパッツも含まれますが、購入側の6品目には入れていません。その分、購入側がやや安く出ています。

まとめると、同じ装備を使うなら、だいたい4回目から9回目のどこかで、買ったほうが安くなります。

なお入山料4,000円は、買っても借りても毎回かかります。どちらにも同じだけ乗るので、この計算は変わりません。

ただし、この数字には注意点が2つあります。

1つは、買った装備は富士山以外の山でも使えること。他の山にも行くつもりなら、回数はもっと早く貯まります。

もう1つは、装備には寿命があること。とくに登山靴のソールは、使用頻度にかかわらず経年で劣化します。「9回登るまで持つ」という前提が、そもそも成立しないこともあります。

判断の目安は、こう考えてみてください。

  • 富士山に登れれば満足 → 迷わずレンタル
  • これから月1回は山に行きたい → 買う
  • 決めていない・たぶん年1〜2回まずレンタル。続けたくなってから買っても遅くない

3つ目に当てはまる人が、実際はいちばん多いと思います。

そして3つ目の人にとって、レンタルには金額以外のもう一つの価値があります。自分に合うサイズと種類が、実際に履いて・背負って分かるということです。

いきなり3万円の靴を選ぶより、一度借りてサイズ感を確かめてから買ったほうが、失敗しません。レンタルの料金とサイズ展開を見てみると、自分の足に近いサイズがあるかどうかもすぐ分かります。

やまどうぐ・そらのした・La Mont。3社をどう使い分けるか

富士登山向けのセットを扱う主なサービスは3社あります。

先に結論だけ言うと、こうなります。

こういう人向いているのは
初めて。天気次第で中止するかもしれないやまどうぐレンタル屋
山小屋に2泊する日程そらのした
現地で着替えて手ぶらで登りたいLa Mont

それぞれ理由を書きます。

やまどうぐレンタル屋|前日まで無料でキャンセルできる

まるごと7点セット16,000円(1泊2日・税込)。2泊3日は18,000円。1万円以上で送料無料なので、この金額に配送料は含まれます。

最大の特徴は前日までの連絡で全額返金されることです。3社の中でいちばん遅くまで無料で引き返せます。

そらのした|2泊3日でも料金が上がらない

はじめての富士山登山セット ライト16,200円(フリース+標準雨具)、はじめての富士山登山セット18,015円(ダウン+ゴアテックス雨具)。

やまどうぐレンタル屋と同じグレードで比べると、1泊2日の金額はほぼ同じです。フリース構成(やまどうぐは「まるごと7点セット」16,000円)で200円差、ダウン+ゴアテックス構成(やまどうぐは「まるごと7点ダウンセット(ゴアテックス雨具指定)」18,000円)では15円差しかありません。

※この18,000円は、先ほどの「まるごと7点セット」の2泊3日料金(18,000円)とは別の商品です。同じ金額ですが、こちらは1泊2日のダウン+ゴアテックス仕様です。

差が出るのは日数です。そらのしたは1泊2日と2泊3日が同額なのに対し、やまどうぐレンタル屋は2泊3日で2,000円上がります。山小屋に2泊する日程なら、そらのしたのほうが安くなります。

ただし無料キャンセルの期限は受取日の3日前15時。受取日は利用日の2日前なので、実質「利用日の5日前」が期限です。有料のキャンセル保険に入れば、利用期間中でもキャンセルできます。

La Mont|河口湖の店舗で着替えて、そのまま登れる

La Mont も防寒着が入るかどうかでセットが分かれます。ここを揃えて並べます。

構成La Montやまどうぐ
防寒着なし7点フルセット
14,592円
13,800円+保険792円
まるごと6点セット
13,500円
防寒着ありパーフェクトセット
23,592円
22,800円+保険792円
まるごと7点セット
16,000円
いずれも1泊2日・税込(2026年8月時点)。La Mont は河口湖店舗・ふじさんプラザ受取の価格で、自宅配送や五合目受取だと2,000円上がります(15,800円/25,800円)。破損保険792円は La Mont のみ必須。やまどうぐレンタル屋は1万円以上で送料無料なので、記載額に配送料が含まれます。やまどうぐにも店舗受取の「手ぶら割」があり、その場合の価格はこれより安くなります。La Mont の「7点」は雨具を上下で2点と数えており、品目はやまどうぐの6点セットと同じです。

防寒着なしならほぼ同額。防寒着ありだと、La Mont が7,592円高くなります。

ただし、その差には理由があります。

La Mont だけにあるもの

・レインウェアとシューズがゴアテックスまたは同等レベルのハイクラスモデル
・パーフェクトセットのグローブ・ソックス・フリースは、衛生上レンタルではなく新品を進呈(返却不要)
・河口湖の店舗にパウダールーム・フィッティングルーム・無料ロッカーがあり、着替えて荷物を置いてそのまま登れる
日程の変更は無料で随時受け付け

とくに効くのが無料ロッカーです。

五合目や現地で受け取る場合、履いてきた靴と着替えの置き場所が問題になります。やまどうぐレンタル屋は全店で荷物の預かりを行っていないため、ここは La Mont の明確な強みです。

逆にキャンセルは3社でいちばん厳しく、無料は6日前まで。5〜3日前で20%、2日前〜前日で50%、当日は100%かかります。

条件やまどうぐそらのしたLa Mont
無料キャンセル前日まで実質5日前まで
保険加入で期間中も可
6日前まで
日程変更前日まで無料
受取後も1回・14日後まで
無料・随時
受取宅配/新宿・河口湖・五合目の店舗宅配/現地宅配/河口湖店舗・ふじさんプラザ・五合目・新宿郵便局
現地で着替え五合目店で可
荷物預かりなし
可・無料ロッカーあり
保険キャンセル保険(任意・有料)破損保険 792円必須
各社公式サイトの記載より(2026年8月時点)。やまどうぐレンタル屋そらのしたLa Mont。そらのしたと La Mont のサイトには更新日の表示がないため、取得時点の表示によります。そらのしたの送料無料はキャンペーン価格で、北海道・九州は+900円です。

それでも、初めてなら私はやまどうぐレンタル屋を選びます

理由はキャンセル規定の一点です。金額で選ぶ理由はありません。

ただし、先に正直なところを書いておきます。当日の悪天候や体調不良まで保証したいなら、そらのした+キャンセル保険のほうが上です。やまどうぐレンタル屋は当日のキャンセルには対応していません。

やまどうぐレンタル屋が有利なのは、あくまで「前日まで」を無料で確保できるという一点です。

富士登山は、天気に完全に左右されます。台風が来れば中止。強風でも山小屋が閉まることがあります。そして天気予報がある程度信用できるようになるのは、せいぜい2〜3日前からです。

La Mont は6日前、そらのしたは実質5日前が無料の期限。どちらも「天気が読めるようになる前」に決断を迫られます。

ここが実務的にいちばん効く

前日まで無料でキャンセルできるということは、「とりあえず予約しておく」ができるということです。
夏の富士山は予約が集中し、直前だと在庫が残っていないこともあります。先に押さえて、天気を見てから決める。この順番が取れるかどうかは、金額の差より大きいと思います。

▼ 空きがあるうちに押さえておく

やまどうぐレンタル屋で料金とセット内容を見る

全額返金の対象は「前日まで」の連絡に限ります(当日のキャンセルは対象外)。開山期間は7月〜9月上旬の約2か月しかなく、この間に予約が集中します。

予約から返却まで、実際どう進むのか

初めてだと分かりにくいので、流れを整理します。

STEP
サイトでセットとサイズを選ぶ

身長・体重・足のサイズを入れると、適したサイズを選んでもらえます。登山靴は厚手の登山用ソックスを履く前提なので、普段の靴より0.5〜1.0cm大きめが公式の目安です。

STEP
利用日の3日前に自宅へ届く

最短で使用開始日の5日前から発送可能。日時指定をするなら「3〜5日前」の範囲で指定できます。

STEP
届いたらすぐ、全部試着する

ここが最重要です。理由は次の項目で書きます。

STEP
そのまま登山へ

使い方が分からない装備は、同梱の説明書か公式サイトで確認できます。

STEP
使ったまま返す

洗う必要も乾かす必要もありません。公式は「汚れたそのままでご返送ください」と案内しています(水気が多い場合はビニール袋に入れる)。着払い伝票が同梱されているので、貼って出すだけです。

下山後、疲れきった体で装備を洗って干す作業がないのは、思っている以上に助かるポイントです。

レンタルで失敗する人の共通点

①届いた日に試着しない

これが最大の失敗要因です。

やまどうぐレンタル屋はサイズ変更に追加料金がかかりません。ただし条件があります。

公式の案内

「商品到着後に変更を希望する場合は、届いたすべてのレンタル商品をご試着のうえ、カスタマーセンターまでご連絡ください」
つまり1回の連絡でまとめて交換する仕組みです。靴だけ試着して連絡し、あとから雨具も合わないと気づく、という進め方だと間に合いません。

届くのは利用日の3日前。ここで気づけば交換が間に合いますが、前日に開封すると詰みます。箱が届いたその日に、全部その場で着る。これだけは守ってください。

靴が少し大きい程度なら、靴下を2枚重ねる・中敷きを足すといった調整も可能です。高所では足がむくむため、多少大きくても問題ないケースもあります。

②直前に予約して、配送が間に合わない

前日配達も対応してもらえますが、その場合サイズ交換ができません。配送の遅延が起きれば、登山そのものに間に合わない可能性もあります。

目安として1週間前までには予約しておくと安全です。前日まで無料でキャンセルできるので、早めに押さえるデメリットは特にありません。

③五合目店で受け取って、荷物の置き場所に困る

五合目や新宿店で受け取る「手ぶら割」を使うと、表示価格は安くなります。ただしやまどうぐレンタル屋の全店で、荷物の預かりサービスは行っていません。

履いてきた靴や着替えをどうするかを、先に決めておいてください。

④装備以外の費用を計算に入れていない

次のものはセットに含まれません。

  • 入山料 1人1回4,000円(2026年から・全4ルート)
  • 山小屋の宿泊費、五合目までの交通費
  • 靴下・下着・手袋など、直接肌に触れるもの
  • 日焼け止め、飲料、行動食

なお送料は、レンタル総額1万円以上で無料(1万円未満は1,000円)。店舗での受取・返却なら金額にかかわらず無料です。7点セットは16,000円なので、送料はかかりません。

⑤装備をそろえて安心してしまう

装備は登るための前提条件であって、それだけで登頂できるわけではありません。

富士登山オフィシャルサイトは、高山病についてこう書いています。

富士登山で登頂を断念せざるを得なくなる最も多い理由のひとつが高山病です。

出典:富士登山オフィシャルサイト「山で注意すべき体調不具合」

ペース配分と高度順応については、公式の「山で注意すべき体調不具合」のページを出発前に一度読んでおくことをおすすめします。

よくある質問

直前でも借りられますか?

在庫があれば可能です。ただし配送の都合があるため、1週間前までの予約をおすすめします。店舗受取(新宿店・河口湖店・吉田ルート五合目店・富士宮ルート五合目店)なら利用開始日の1週間前から受け取れますが、公式Q&Aでは「来店予定の2日前までにご注文・ご連絡ください」と案内されています(2026年8月時点)。

サイズが合わなかったらどうなりますか?

追加料金なしで交換できます。ただし、届いたすべての商品を試着したうえで、まとめて連絡する必要があります。届いた日に全部試着してください。

レンタル品は清潔ですか?

登山靴はインソールを取り出して毎回洗濯し、本体は高圧洗浄機で水洗いしたうえで数日かけて乾燥させています。ザックは乾燥後に消臭・除菌、レインウェアは洗濯後に撥水処理を行っていると公式が案内しています(2026年8月時点)。

天候が悪くて中止になったら?

やまどうぐレンタル屋なら、前日までの連絡で全額返金されます(2026年8月時点・公式サイトの記載より)。当日以降は対象外です。なお、キャンセルではなく使用開始日の延期という選択もでき、商品受け取り後でも1回限り・最長14日後まで変更できます。

汚して返しても大丈夫?

公式は「汚れたそのままでご返送ください」と案内しています。洗わずそのまま返却できます。ただし破損した場合は別途費用がかかることがあります。

入山料はレンタル料金に含まれますか?

含まれません。2026年からは全4ルートで1人1回4,000円が別途かかります。

色やメーカーは選べますか?

注文時の「備考欄」に希望を書けば、可能な範囲で用意してもらえます。ただし在庫の状況によっては希望どおりにならないこともあり、色の交換は受け付けていません。

まとめ

富士山吉田ルート下部の樹林帯を通る登山道
装備がないことは、富士山をあきらめる理由になりません。
写真:Flittergreeze/CC BY-SA 4.0

最後に整理します。

  • 買うと約67,000〜141,000円。借りると16,000円
  • 迷ったらまるごと7点セット。防寒着を持っているなら6点セット(13,500円〜)
  • 真夏の富士山頂は東京の2月とほぼ同じ気温。防寒着は必須
  • 吉田ルートは装備がないとゲートを通れない。静岡県側も必要な装備は同じ
  • 買ったほうが得になるのは4〜9回目から
  • 登山靴はインソールまで毎回洗濯。むしろ履き慣らし済みで足に馴染みやすい
  • 前日までのキャンセルは全額返金。天気が読めなくても予約できる
  • 届いた日に必ず全部試着する

富士山に登りたいと思ったのに、装備の値段を見て今年も見送る。それがいちばんもったいない結末だと思います。

まずは借りて登ってみて、山が好きになったら少しずつ自分の道具をそろえていく。順番としては、これがいちばん失敗しません。

▼ 今年の富士山、まだ間に合います

やまどうぐレンタル屋で料金とセット内容を見る

前日までの連絡なら全額返金。まず押さえてから、天気を見て決められます。

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