ヤマビルの時期に丹沢の山を登りたいあなたへ。生息地域や対策を知って、危険を回避しよう。

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丹沢の魔物「ヤマビル」

毎年、梅雨の時期から秋にかけて多くの目撃・被害情報があがるこの生き物。見た目の不気味さや吸血された時の出血を見ると、あまり出会いたくありませんよね。

しかし、このヤマビル。吸血されたとしても出血するだけで痛みやかゆみ、感染症の恐れがほぼありません。

「害が無いならしっかり対策して丹沢の山に登りたい!」「丹沢でもヒルがいない山は無いのかな?」

そう思った方も少なく無いはず。私もその1人です。

そこで今回は、ヤマビルの生息地がわかるマップを用いて、遭わないためにはどこを登ればいいのか、またどのような対策をすれば良いのかを解説していきます!

目次

丹沢におけるヤマビルのハザードマップ

出典:神奈川県

上記のマップは、神奈川県が出しているヤマビルの生息地域図(2007年度版)です。

見ていただいた通り、神奈川県でも丹沢山塊のある地域を中心にヤマビル(以下、ヒル)は多く生息しています。

出典:Wikipedia

丹沢は4地域に区分することができ、特にヒルが多いのは北丹沢(裏丹沢)、東丹沢、表丹沢になります。

ヒルが多い丹沢の山
  • 北丹沢…大室山、焼山、蛭ヶ岳の登山口付近
  • 東丹沢…鐘ヶ嶽(かねがだけ)、仏果山(ぶっかさん)、三峰山(みつみねやま)
  • 表丹沢…ヤビツ峠〜各ピーク(大山や塔ノ岳)に向かう樹林帯、滝沢園キャンプ場周辺

マーカーありは生息数多、危険地域

丹沢での目撃・被害情報は広範囲に渡ります。

ヒルは日陰で湿気の多い場所を好みますので、そういった場所にくわえて、標高の低い場所には高確率で生息していると思ってください。

丹沢山塊の最高峰である「蛭ヶ岳(1673m)」には「蛭(ヒル)」という字が付いていますね。名前の由来は諸説あるようですが、一説には「ヤマビルが多いから」とされています。

丹沢でも登山者の多い塔ノ岳〜蛭ヶ岳は、それぞれ標高が低い樹林帯にはヒルが生息していますが、稜線に出ると木々が少なくなり、気温も湿度や気温も下がりますので比較的数は減ります。

しかし、最近は温暖化の影響や鹿の範囲が広がっていること、吸血対象のヒト(登山者)が多いことから、稜線でも見られるようになってきました。

これまで、ヒルの生息標高は800mくらいまでと言われていましたが、最近では南アルプス深南部の2000m付近でも確認されたということで、森林限界(本州ではおよそ2500m付近)以下では生息していると考えた方が良いでしょう。

出典:神奈川県

上記でヒルが多い山として挙がらなかった西丹沢の山々は、徐々に生息数は増えてきているようですが、他に比べて目撃情報が少ないので、ヒルの活動時期に登りに行くなら西丹沢の山が良いでしょう。

西丹沢の山には、畦ヶ丸(あぜがまる)、大野山、菰釣山(こもつるしやま)、ユーシン渓谷(山ではありませんが…)などがあります。

ヒルの活動時期

出典:Wikipedia

ヒルの活動時期は例年4月下旬頃から11月上旬頃冬を除くほぼすべてが活動時期になります。気温で言うと20℃近くで活動し始め、25℃以上から活発になります。最近は温暖化の影響で、丹沢付近では3月中旬でも20℃を超えることがあるため、3月ごろから目撃情報がちらほら。

湿気の多い場所を好むため、雨が多く湿度が高い梅雨と秋雨の時期、雨が多ければ8〜9月中旬に発生のピークを迎えます。

雨の翌日に活動が活発になるという記事を多く見かけるので、「雨の日は大丈夫」と勘違いしてしまう方もいるかも知れませんが、雨が降っている中でもヒルは活発です。特に降水量が多い日は、普段は乾燥していてヒルがいない場所でも流れ着いてしまったりと、広範囲に渡って生息していることがあるので要注意です。

晴れの日が続いた時、ヒルが比較的少なくて狙い目です!

ヒルに吸血されないための対策

ヒルの活動時期に丹沢の山に行くと、高確率でヒルに遭遇します。ヒルは音もなく人に忍び寄り、吸われている間は痛みもかゆみも無いので、対策をしていないと気づかぬうちに被害にあってることも。ヒルの時期に行く場合は必ずヒル対策をしていきましょう。

ヒル対策として有効なのは「肌を隠すこと」「虫除けスプレーをする」ことです。

ヒルは口についた細かい歯を使い、皮膚を削って血を吸う生き物です。つまり、ヒルが皮膚に触れなければ吸血されないということ。出来るだけ肌を露出しない格好で登りましょう。

また、ヒルは地面に生息していますので、特に足元〜下半身に注意が必要です。

ヒルが活発な時期である夏には、ショートパンツで登る方も多く見られるようになってきましたが、そういう方はタイツを履くだけでも、被害に遭う確率はうんと減ります。(ただし、生地が薄いとその上からでも吸血されます)

ヒル対策としてはヒル専用スプレー、虫除けスプレーをするのも非常に効果的です。

これらのスプレーには、ヒルが人を感知するための能力を錯乱させることが出来る成分が入っており、近寄ってきても吸血対象として判断できず吸血してきません。

山に入る前にウェアに吹きかけておきましょう。特に足元は忘れずに。

虫除けスプレー(虫除け成分が高濃度のもの)でも効果はありますが、汗や水に弱く、濡れてしまうと効果時間が短くなってしまいます。その点、ヒル専用のスプレーは耐水性を高めて作られていますので、効果が切れて近づいてくるという心配も減ります。

スプレーは駆除の際にも使えますので、1本は持っておくと良いでしょう。

ここではざっとヒル対策を紹介しましたが、もっと詳しくヒルの生態やヒル対策を知りたい方はこちらをご覧ください。

対策として「ヒルのいる時期にヒルのいる山域に行かない」という、最も簡単で効果的な方法がありますが、この記事は丹沢のヒルについて扱っているので、説明は控えておきます。

「遠出するほどの時間は無く丹沢しか行けない」、「どうしても丹沢に行きたい」という人の対策としては、ハザードマップでも紹介しましたが、西丹沢でのヒルの生息数(目撃数)は比較的少なめですので、西丹沢の山を攻めてみると良いでしょう。

ただし、絶対にヒルがいないというは保証はできません。必ず上記で紹介したヒル対策を行ってから登山に行きましょう。

また、丹沢山塊ではヤマビルの生息域の拡大、生息数を増やすのに貢献している(原因)とされる鹿を見かけることがあります。

見た目は可愛く、臆病な性格で攻撃性もなく、みんなから親しまれる動物ですね。撮影やよく見るために近づきたい気持ちになるかもしれませんが、日陰や湿った場所に鹿がいたら、決まってヒルもいますので注意しましょう。

ヒル被害について

これまでに丹沢では数多くのヒル被害があったことでしょう。個人の被害は数知れず…個人での被害はヤマップなどの登山記録で多数報告がありますので、気になる方は確認してみてください。

個人で大ごとになった話はあまり聞いたことがありませんが、一つ記憶に新しいニュースがあるのでご紹介します。

2020年の6月、あるX(旧:Twitter)ユーザーが投稿した記事が話題を呼んだ。それは、丹沢の麓、秦野駅のロータリーに大量のヤマビルがいるのを目撃したというもの。

その数なんと50匹以上!

塩やバーナーを用いて全て駆除することができたが、今でにない事例だったようで対応にそれなりの時間を要した。

ヤマビルが散乱していた原因については分からないとされているが、恐らくこの出来事以前(1、2ヶ月前)に登山者が気づかぬうちに持ち込んだヤマビルが駅付近で産卵、孵化して散乱したのではないかと予想される。

投稿者と駅員、そして一般利用客数名のおかげで吸血されたものはいなかったようですが、登山者は他の人に迷惑をかけないよう注意したいですね。

ヤマビルは音もなく忍び寄り、知らぬ間に人体に付着しています。登っている時はもちろん、下山した時には必ず、身体やザックに付いていないかチェックしてから人里に戻りましょう。また、ヤマビルは十分に吸血をすると産卵するので、血を吸われたら必ず駆除(殺ヒル)しましょう。

私もこれまでの登山人生(約7年)で20回ほど登っている丹沢。今まで血を吸われた経験はありませんでしたが、ある1回だけ、それも上記のニュースと同じ2020年におぞましい体験をしたことがありますので、そちらをご紹介して終わりにしようと思います。

⛰️コラム⛰️

それは2020年の9月に起きた。この年の9月は、全国初の最高気温40℃以上を新潟県で観測したことや、大気の状態が不安定でよく雨が降るなど、異常気象が多かった時期。ヒルにとっては絶好の年だっただろう。

私は8月にテントを購入し、登山仲間たちと週1ペースでテント泊をするほどのめり込んでいた。9月もまだまだその熱は収まらず、「雨の中でもテントを試したい!」ということで、土砂降りの中、丹沢の麓にあるキャンプ場「滝沢園」にテント泊をやりにいった。

ヒルのことはほとんど頭に無く、雨の中どうやってテントを張るか、土砂降りの中で快適に寝るにはどうしたらいいかを考えながら、一夜を過ごした。

翌日、すっかり雨も上がり帰ろうとした時、友人がふと…「そういえばヒルの時期だけど、被害なかった?」と聞いてきた。すっかりそのことを忘れていた私は、慌てながら自分の身体が血まみれになっていないか、テント内にヒルはいないかを確認し、被害がなかったことに安堵した。

しっかり確認したので安心して帰宅。しかしその晩、乾かすために家でびしょびしょのテントを広げると驚愕の光景を目の当たりにした。

ヒルが3匹も床を這っていたのだ。しかも一直線に私の方に向かってくる。

慌てて塩を取りに行き、吸われる前に駆除できたが、あまりの衝撃に数分間放心状態になった。

これまでも丹沢にはお世話になっていたが、ヒルに出会ったのはこれが初めて。被害が出ずに済んだが、これから丹沢に行く際には十分にヒル対策をしようと決意した。それ以来、丹沢にはヒルがいない冬にしか行かなくなった。

ヒルに血を吸われても害はほとんどありませんが、見た目からもあまり気持ちの良いものではありません。また、人里に持ち帰ると大迷惑になります。

ヒルの活動時期に丹沢の山へ行く場合は、しっかりとヒル対策をしてから登りに行きましょう。

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