山小屋泊をする前に知っておきたい眠れない理由と対処法【登山中の睡眠を快適にしよう!】

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山小屋では普段の旅行で泊まるホテルや旅館とは違った景色が広がっています。

それは、何人もの人が部屋を同じくして寝る“相部屋(雑魚寝)スタイル”

そんな山小屋で泊まる時、多くの人が「眠れない」と頭を悩ませています。

相部屋だから起こる他人の物音が気になる問題の他にも、平地とは違う環境だから起きる問題など理由は様々。

今回は山小屋で眠れない理由と、そんな環境でも快適に眠るための対処法について解説していきます。

目次

山小屋泊で眠れない理由と対処法

山小屋で泊まる人の数だけ眠れない理由はあるかと思いますが、眠れない理由としてよく挙げられるのはこの3つです。

山小屋泊で眠れない理由① | 高山病による睡眠障害

標高2,500m以上の山に登ると約20%の人が軽い症状を訴えるとされている「高山病」。

高山病と言って思いつく症状は頭痛や食欲低下などが多いかと思いますが、睡眠障害も高山病の1つとして挙げられます。

高山病は急速に標高を上げたことにより環境の変化に順応できず、身体が酸素不足(酸欠状態)になって頭痛などの様々な症状が出る病気です。

寝ている間は覚醒時に比べて呼吸が浅くなり、体内に取り込める酸素の量が減るので血液中の酸素飽和量が低下し、さらに酸欠状態が悪化してしまいます。

そのため、息苦しい・何度も目が覚めてしまうといった睡眠障害が起こってしまうのです。

これを解決する方法は、高山病になる前に“高度順応をすること”です。

高度順応策を取ることで、血液中の酸素を運ぶ能力が高まって高山病の症状が出なかったり、症状が出ても軽く済んだりします。

高度順応はゆっくりとしたペースで登ること、ゆったりと深い呼吸を意識することが重要です。

他にもこまめな水分補給や、防寒対策をするなど対策はいくつかあります。詳しくは高山病の対策まとめ記事をご覧ください。

高山病の症状がなくても、標高の高い低酸素環境では酸欠状態にならないように人間の防御本能として目を覚ますことがあります。あまり気にしすぎないことが大切です。
しかし、それが翌日の登山に影響するようなら上手く身体が順応していないかもしれません。
しっかりと高度順応をすることで登山での睡眠の質も改善するので、ぜひ実践してみましょう。

山小屋泊で眠れない理由② | 寒さ

山小屋泊で眠れない理由2つ目は寒さです。

山の中で一番安全な場所である山小屋ですが、外が厳しい環境なので屋内にも影響してきます。

夏はともかく春秋は1桁台、暖かくても15℃前後と普段みなさんが暮らしている家とは別世界です。

特に建物が古いとすきま風が入ってきたり、窓近くの部屋や壁際が寒い特徴があります。

室温が1桁台だと日中にストーブを入れてくれて寝る直前は温まっている可能性もありますが、消灯の時には消してしまう所がほとんどなので寝ている間にどんどん気温は下がっていきます。

そういう寒い日は暖かい布団を用意してくれている山小屋が多いですが、それでも寒い時は1枚余計に羽織ったり、布団を借りて暖かくして寝ましょう。

寝る前にホットミルクやホットココアを飲んで体を温めてから寝るのもおすすめです。

山小屋泊で眠れない理由③ | 他人の物音やいびき

この記事を見に来た方のほとんどは、他人の物音やいびきで眠れないとお困りなのではないでしょうか?

山小屋ではパーテーションや壁はあるものの大人数が1フロアで寝たり、20人もの登山者が横並びに寝る小屋もあります。

そんな場所ではいびきをかく体質の人、ビニール袋をガサゴソしてしまう人など様々な登山者がいて、物音やいびきを避けることは不可能に近いでしょう。

これは自分ではコントロール出来ないものなので、山小屋泊初心者だけでなく何回も泊まっている人でも解決しづらい問題です。

⛰️山小屋泊経験者のコラム⛰️

ある山小屋の小屋閉め間近の土曜日、定員いっぱいの登山者で賑わっていた。

寝る前まで多くの登山者が酒を飲み交わし談笑していたが、消灯の9時頃になるとギュウギュウ詰めの寝床は静かな夜を迎えた。

この山小屋泊をするまではテント泊ばかりだったので、隣に他人が寝ている状況に少し緊張しながらも静かだったため安心して眠りにつけた。

夜も更けた2時頃だったでしょうか。

突然目が覚めて聞こえてきたのは「ヴヴッ、お母さん、助けて」という呻き声。

隣で寝ている登山者の寝言だった。かなり大きな寝言で、普段いびきなどでは到底起きない私でもこの時ばかりは起きてしまった。

その寝言は続き、まるで悪夢のようだった(その登山者も悪夢をみていたのかもしれないが)

十数分たった頃、ようやくその登山者のメンバーが起こして止めてくれた。

その後にうなされる様子は無かったものの、しばらくは緊張して寝付けず翌日の登山に少しだるさが残った。

この問題に関しては、王道ですが耳栓をすることをおすすめします。

このマックスピローはシリコン素材を使用しており、粘土のように変形し耳の穴をふさぐことのできる耳栓です。

自分の耳の穴の形にぴったりとフィットするため、遮音性がかなり高いです。

いびきやビニールの擦れなどの雑音はシャットダウンしてくれながらも、アラーム音はしっかりと聞こえるため出発時間に遅れることなく起きることができるでしょう。

最近ではノイズキャンセリング機能のあるイヤホンを耳栓代わりに使っている人も多いかと思いますが、登山では無くしたり壊れてしまう可能性があります。

また、寝ながらのイヤホンの着用は耳に負担がかかりますので控えた方が良いでしょう。

グループ登山をしている方であれば個室を利用することもおすすめです。

お値段は少し高くなりますが静かで快適な夜を過ごせます。

眠れないときにアルコールや睡眠導入剤は絶対にダメ

眠れない時の対策として寝酒や睡眠導入剤を思いつく方もいるかもしれませんが、山の上でそれらを活用するのは厳禁です。

アルコールや睡眠導入剤には筋弛緩作用があり、喉周辺の筋肉を緩めて気道を狭くしたり、鼻の通気を悪くしたりします。また、呼吸抑制作用もあるため酸素が少ない環境でさらに酸素が取り込めなくなってしまいます。

そのため、これらを活用すると寝付けても眠りが浅くなったり、寝ている間に高山病を発症する恐れがありますので使用は絶対に避けましょう。

眠れない時は先に紹介した対策を参考にして、自分にあった方法を見つけてみましょう。

それでも眠れない人は横になるだけでも体は休まります。「眠らないと明日が大変だ」と考えすぎず、リラックスして横になっていると良いでしょう。

おわりに

以上、山小屋泊で眠れない理由とその対処法についての紹介でした。

普段と違う場所というだけで眠りづらいものですが、他人と隣り合わせで寝るという中々体験することのない環境で寝る山小屋での睡眠はどうしても浅くなりがちです。

それに加えて高山病や寒さなどで眠れないなんてこともあります。

今回紹介した対策を取り入れることで山小屋泊、登山中の睡眠が格段に快適になるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、おしまい!

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