5月15日の夜、友人から「こんなツイートがあった」とLINEが入った。
「これはやるしかない!!」
そう意気込んで翌日に小屋へ連絡をいれて、ヘリの荷解きお手伝いをさせて頂くことになりました。
以前、甲武信ヶ岳には登った事があったのですが、その時は山梨県側の「西沢渓谷」から入ったので、今回は長野県側の「毛木平」から登ることにしました。
この記事は1日目、登山と小屋でのお話しになります。
2022年5月17日(火)
時刻は10:30、今回の登山口「毛木平」に到着。
「小屋泊だし遅めのスタートでも大丈夫か」と考え、普段の登山からしたらだいぶ遅めの到着になってしまった。
この駐車場は60台停められるようですが、平日だからか天気がイマイチだからか、私の車含めて5台のみと閑散としていました。
トイレ、休憩所、掲示板など綺麗に整備されています。
この駐車場から近くのコンビニやスーパーまで行くには30分ほどかかるので、トイレがあるのは助かりますね!
紙ベースの登山届を投函するポストは無かったので、YAMAPやコンパスなどオンラインでの登山届を利用しましょう。
10:50、こちらのゲートを越えて登山開始です!
最初は平坦な道が続きます。
白樺林が美しい。晴れてたらもっと綺麗なんだろうなと想像しながら進みます。
500m歩いたら早速分岐にあたります。
どちらから行っても甲武信ヶ岳に着くのですが、今回は千曲川源流を辿り甲武信ヶ岳に行くルートを選びました。
さまざまな樹木や苔が美しい道ですが、所々に花もあります。
この登山道は至る所で水が流れている。私たちの飲み水のはじまりを知ることの出来る、手付かずの自然が残されている場所です。
雨が降った後はゲイターが必須かも。
登りではほとんど左手に千曲川の本流があり、沢の音を聴きながらの登山を楽しめます。
そして、カラマツ林。
この毛木平の登山道は、場所・標高によって植生の移り変わりが結構あるのだが、どこを切り取っても森が深い。
だからなのか、沢の音に負けないくらいウグイスやルリビタキの鳴き声が聴こえてくる。
この森には沢と鳥の鳴き声のハーモニーが鳴り響いている。
沢を覗き込むと青色に見える。綺麗な水だ。
ここには岩魚が住んでいて、下の街(川上村)で遊漁券を買って釣りをしに来る人もいるらしい。
途中、鳥居と社があります。
ここまではとても平坦で歩きやすい。ウォーミングアップにはちょうどいいです。
でもその後はこんな感じに足場が悪いところが増えてきて、やっと登山道らしい道になってきます。
所々、倒木があったり、沢を高巻きしているところがあるのですが、これは記憶にも新しい2019年の千曲川が氾濫するほどの台風があった時の爪痕だそう。
自然の脅威を感じさせられますね。
途中、大きな岩壁に穴が!
人ひとりが寝泊まり出来そう…
途中、里山にある尾根道みたいなところも。こういう雰囲気、好きなんだよね~。
上を見上げれば…ガスっている。
5月中旬だけど、まだヤマザクラが残っていました。森の中だから気温が上がらないし、風が吹かないから散ることもないから残っているのかな。
森の中の彩り、大切だよね。
登山口から1時間40分、この登山道の見どころポイントの一つ「ナメ滝」に到着しました!
ナメ滝とは、傾斜のある岩肌を滑るように水が流れ落ちる滝のこと。
水量は多くないものの、これも趣があってよき。
ここで一休みして英気を養い、また登ります。
ナメ滝を過ぎるとこのように源流への距離を示す看板が出てきます。
標高をあげるにつれ雪が残っている場所も出てきました。
「あまり標高高くない場所なのに5月でもまだ雪残ってるんだ」と考えていたんだけど、ここ、長野県だったね。残っててもおかしくはないか。
苔、水が本当に美しい。日本庭園のよう。
中途半端な距離のところで建てられているのが面白い。
途中、いくつかの橋があるのですが、高度感はないものの下に沢が流れているのでちょっと怖い(笑)
この日は登山道にも雪が残っていたけど、翌日にはほとんど溶けていました。
念のためチェーンスパイクは持っていったけど要らなかったね。
そして13:40、「千曲川・信濃川源流地」に到着!
思いの外、時間がかかりました。
基本的に緩やかな斜面が続くのですが、距離があり景色に変化があまりないので辛い人には辛いでしょう。
私は「緩やかな斜面が続く」から、アジカンの「ソラニン」のサビが連想され(わかるかな?)、脳内無限ループされていたので楽勝だった!?
ここの斜面はシラビソが綺麗に立ち並んでいた。
シラビソの香り、たまらなく好きなんだよなぁ。
千曲川・信濃川の最初の一滴を探そうと沢の音が鳴る方へ行ってみたけど、分からなかった…
小屋番の人に聞くと、まだ出ていないよう。でも、最初の一滴が出る場所にはコップが置いてあるらしい。
帰りにもう一度立ち寄ったんだけど、ちょうどこの写真を撮っている立ち位置の右あたりにあったのよ。おぬし、さては疲れていたいな?
最初の一滴を見たかった気持ちを後に、甲武信ヶ岳山頂までの登りに取りつきます。
ここからが急!
一度、もう一つの登山道である「徳ちゃん新道」を登った事があるんだけど、そこと似た雰囲気があった。
ここにきてこの斜面は疲れるよ。
無心で登って、分岐点。
ここから日本百名山である「金峰山」にも行けるんだね!
いつか縦走してみたいな~。
さて、山頂まであとちょっと!
開けた岩岩しい場所に出たら…
14:40、甲武信ヶ岳(2475m)に登頂!!
徳ちゃん新道より楽って聞いていたので、早いペースで行けるかなと思ったんだけど、意外と時間かかったし疲れた!
でも、久しぶりの甲武信ヶ岳、やっぱりいい山だなと感じました。
ということで、景色をご覧ください!
ガスゥゥゥ…
まあ、そうだよね。登っている時から分かっていました。
寒かったし、時間的に小屋の人が心配するかと思い、ちょっと休憩して甲武信小屋に向かうことにしました。
山頂からは20分ほどです。
木賊山(2469m)を望みながらまた樹林帯に入っていきます。
15:20、今日の宿泊地「甲武信小屋」に到着しました!
前回はテント泊だったので初めて小屋へお邪魔します、お世話になります!!
いきなり写真は夜へ…
見てもらうと分かると思うんですが、そう、本日の宿泊者は私1人だけでした!(テントも含めて!)
こんなことあるんだね。
ご飯は甲武信小屋名物「小屋開けカレー」(私が食べたので最後だったもよう)と賄い(マッシュポテトやグラタンなど)、美味しくて贅沢な晩御飯でした!(写真撮ってなかった…)
外の気温計は1℃を指していた。この時期としては、と小屋番さんもびっくり。
というわけで、小屋に到着してから就寝の時間までストーブにあたりながら小屋番さんと談笑タイム。
山小屋の経営や登山道整備について、ヘリの荷上げ撤退の件などただ登山をしているだけでは触れることの出来ないディープなお話しを聴かせて頂きました。
特に面白かったのは、「大手ツアーガイドはや〇〇おけ」という話。
小屋を利用したツアーの話だが、到着が18時過ぎだったり(登山をしている人ならヤバさは分かるだろう)、行程があまりにもつめつめで休憩も出来ない、面白みも無いツアーがあったなど、笑ってはいけない笑い話がいっぱい。
そしてとにかく小屋番さんの口がまあ悪くて面白い(笑)
言っていることは間違っていないので、ずーっと聴いてられた。
時刻は20:00、話したいことはまだまだあったが消灯の時間。
今日の出来事だけで胸いっぱいだが、明日はヘリの荷解きお手伝いと貴重な体験をさせて頂く。
ガスが出ていたり、風が吹いていたりするとヘリは飛ばせないらしいが、明日はどうだろうか。
明日に備えてゆっくり寝ます。
甲武信ヶ岳〜小屋のヘリ荷解きお手伝いに行ってきた!〜 / びっきーさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
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