登山用のスマートウォッチが欲しいけれど、種類が多すぎて選べない。そう思っていませんか。
機種ごとに価格の差も大きく、iPhoneとAndroidで使えるモデルまで違います。何を基準に選べばいいのか、迷って当然だと思います。
この記事では、価格帯とスマホの対応で選べるように9機種を整理しました。YAMAP・ヤマレコが時計だけで使えるのか、スマホと組み合わせないと使えないのかも、機種ごとに区別しています。
- 予算とiPhone・Androidの別で、どの機種が候補になるか
- YAMAP・ヤマレコが時計単体で動くか、スマホ経由の連携か
- GPX経由で使う機種に、追加でかかる費用があること
- バッテリーの持ちと重量を踏まえた、機種ごとの向き不向き
結論|まず選ぶならこの3本
時間がない人向けに、先に結論だけ書きます。
iPhoneを使っているなら、Apple Watch SE 3。41,800円〜で、YAMAP・ヤマレコとも時計に直接アプリを入れて使えます。まず1本欲しい人に向いています。
Androidを使っていて、予算を抑えたいならHUAWEI WATCH GT6。9機種の中で最も安い33,800円〜で、バッテリーも長くもちます。
山小屋泊など、泊まりがけで電池切れが心配ならGARMIN Instinct 3 Dual Power。ソーラー充電に対応していて、iPhone・Androidどちらでも使えます。
価格が14万円を超えるApple Watch Ultra 3は、この3本には入れていません。理由はあとの見出しで説明します。
登山向けスマートウォッチの選び方
個別の機種を見る前に、確認しておきたい5つのポイントを整理します。
①対応OS|iPhoneかAndroidかで選べる機種が変わる
Apple Watchは全機種iPhone専用で、Androidでは使えません。逆にGalaxy WatchとPixel Watchは、どちらもAndroid専用で、iPhoneでは使えません。
HUAWEI・Amazfit・SUUNTO・GARMINの4機種は、iPhone・Androidの両方に対応しています。今使っているスマホが何かで、選べる機種の範囲が最初から決まります。ここを飛ばして価格やデザインだけで選ぶと、買ってから使えないことになります。
②YAMAP・ヤマレコが「直接使える」か「スマホ経由」かを見る
ここが、この記事でいちばん誤解が多いポイントです。
Apple Watch・Pixel Watch・Galaxy Watchは、時計にYAMAPやヤマレコのアプリを直接入れて、時計単体で動かせます。
一方でHUAWEI・Amazfit・SUUNTO・GARMINの4機種は、独自のOSで動いているため、時計にYAMAP・ヤマレコのアプリを直接入れることができません。スマホ側でルートを用意し、GPXというデータを各メーカーのアプリ経由で時計に転送する使い方になります。
比較表では、この違いを⭕と△で区別しています。
③予算|まず1本か、本格的に使うか
今回扱う9機種は、33,800円〜142,800円〜まで価格の幅があります。最初の1本としては、5万円台までの4機種から選んで、必要を感じてから買い替える方法でも遅くありません。
④バッテリー|行動時間・宿泊日数に耐えるか
GPSを使い続けるモードでのバッテリー時間は、機種によって18時間から65時間まで差があります。日帰りなら短くても足りますが、山小屋泊や縦走を考えているなら、長くもつ機種のほうが安心です。
⑤重量・装着感
重量は26g台から86gまで幅があります。長時間腕に着けるものなので、軽さを取るか、バッテリー容量を取るかで選び方が変わります。
比較表|9機種の価格・対応OS・YAMAP/ヤマレコ対応
9機種の主な項目をまとめました。価格は2026年8月時点の目安です。
| 機種 | 価格(税込目安) | 対応OS | YAMAP | ヤマレコ | バッテリー | 重量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HUAWEI WATCH GT6 46mm | 33,800円〜 | iPhone・Android両対応 | △ スマホ経由 | △ スマホ経由 | GPS連続 約40時間 | 約51.3g |
| Amazfit T-Rex 3 48mm | 39,900円 | iPhone・Android両対応 | △ スマホ経由 | △ スマホ経由 | GPS精密 約42時間 | 約49g |
| Apple Watch SE 3 | 41,800円〜 | iPhone必須 | ⭕ 直接インストール | ⭕ 直接インストール | 最大18時間 | 26.3〜32.9g |
| Google Pixel Watch 4 | 52,800円〜 | Android専用 | ⭕ 直接インストール※ | ⭕ 直接インストール※ | 最大30〜40時間 | 31〜36.7g |
| Apple Watch Series 11 | 71,800円〜 | iPhone必須 | ⭕ 直接インストール | ⭕ 直接インストール | 最大24時間 | 30.3〜37.8g |
| SUUNTO VERTICAL | 69,850円 | iPhone・Android両対応 | △ スマホ経由 | △ スマホ経由 | パフォーマンス 最大65時間 | 86g |
| Samsung Galaxy Watch9 44mm | 73,370円 | Android専用 | ⭕ 直接インストール※ | ⭕ 直接インストール※ | 最大40時間 | 34.0g |
| GARMIN Instinct 3 Dual Power 50mm | 79,800円 | iPhone・Android両対応 | △ スマホ経由 | △ スマホ経由 | GPS約60時間〜(ソーラーで延長) | 58g |
| Apple Watch Ultra 3 | 142,800円〜 | iPhone必須 | ⭕ 直接インストール | ⭕ 直接インストール | 最大42時間 | 61.6〜61.8g |
⭕は、時計だけでYAMAP・ヤマレコを動かせる機種です。△は、スマホ側でルートを用意して、各メーカーのアプリ経由で時計にGPXを転送する使い方になる機種です。
△の4機種を選ぶ場合、注意しておきたいことがあります。YAMAPで登山計画のGPXをダウンロードする機能は、月額780円のプレミアム会員限定です。無料会員のままだと、GPXそのものを取り出せず、時計への転送もできません。ヤマレコは自分の山行記録のGPXなら無料で使えますが、他人の記録や「らくルート」で作ったルートのGPXはプレミアムプラン会員限定になります。
「時計を買えばすぐ使える」わけではない、ということは頭に入れておいてください。
まず1本|〜5万円台で選ぶ4機種
①HUAWEI WATCH GT6 46mm(HUAWEI)
価格は33,800円〜(2026年8月時点)で、9機種の中で最も安い1本です。iPhone・Androidどちらでも使えます。YAMAP・ヤマレコは△で、スマホ側で作ったルートをHUAWEI Health経由で時計に転送する使い方になります。バッテリーはGPS連続で約40時間、日常使用なら約3週間ほどもちます。重量は約51.3g。
向いている人:Androidを使っていて、まず1本安く試したい人。
注意点:YAMAP・ヤマレコのアプリを時計に直接入れることはできません。ルートを表示するには、スマホでのGPX作成が毎回必要です。
②Amazfit T-Rex 3 48mm(Amazfit)
価格は39,900円(2026年8月時点)。iPhone・Android両対応ですが、Zeppという専用アプリを使う仕組みで、iPhoneでは一部の機能が制限されます。商品名に「登山 ヤマレコ ヤマップ」と入っていますが、時計は独自OSのZepp OS 4で動いているため、YAMAP・ヤマレコのアプリを時計に直接インストールすることはできません。スマホでルートを用意し、Zeppアプリ経由でGPXを転送する使い方になります。バッテリーはGPSの精密モードで約42時間、自動モードなら180時間ともちます。重量は本体だけで約49g。
向いている人:バッテリーの持ちを最優先したい人。
注意点:商品名だけを見ると、時計単体でYAMAP・ヤマレコが動くように見えます。実際はGPX転送の仕組みだと理解した上で選んでください。
③Apple Watch SE 3(Apple)
価格は41,800円〜(2026年8月時点)。iPhone専用で、Androidでは使えません。YAMAP・ヤマレコとも、時計にアプリを直接入れて単体で動かせます。バッテリーは通常使用で最大18時間、低電力モードなら最大32時間。重量は40mmで26.3g、44mmで32.9g。
向いている人:iPhoneを使っていて、まず1本欲しい人。
注意点:バッテリーは18時間ほどなので、日帰りを大きく超える行動では、途中の充電を考えておく必要があります。
泊まりがけの登山でバッテリーが心配なら、モバイルバッテリーを一緒に持っていくと安心です。登山用モバイルバッテリーの容量別の選び方もあわせて確認してみてください。
④Google Pixel Watch 4(Google)
価格は52,800円〜(2026年8月時点)。Android専用(Android11以上が必要)で、iPhoneでは使えません。Wear OS搭載機として、YAMAP・ヤマレコとも時計に直接アプリを入れて使えます。ただし、この2つのアプリが公開している「動作確認済み機種」の一覧に、Pixel Watch 4という名前そのものはまだ載っていません。バッテリーは常時表示ありの状態で、45mmなら最大40時間、41mmなら最大30時間。重量は41mmで31g、45mmで36.7g。
向いている人:Androidを使っていて、Google製のスマートウォッチにこだわりたい人。
注意点:iPhoneでは使えません。持っているスマホがAndroidかどうか、購入前に必ず確認してください。
本格的に使うなら|6万円台後半〜8万円台で選ぶ4機種
①Apple Watch Series 11(Apple)
価格は71,800円〜(2026年8月時点)。iPhone専用です。YAMAP・ヤマレコとも時計単体で直接動きます。バッテリーは通常使用で最大24時間、低電力モードなら最大38時間で、SE 3より長く使えます。重量は42mmで30.3g、46mmで37.8g。
向いている人:iPhoneを使っていて、SE 3よりバッテリーや機能に余裕が欲しい人。
注意点:SE 3との価格差は3万円ほどあります。登山だけが目的なら、その差がバッテリーの持ちに見合うか考えてみてください。
②SUUNTO VERTICAL(SUUNTO)
価格は69,850円(2026年8月時点、Stainlessモデル)。iPhone・Android両対応です。YAMAP・ヤマレコは△で、スマホ側で作ったルートのGPXをSuuntoアプリ経由で時計に転送する使い方になります。バッテリーはパフォーマンスモードで最大65時間、心拍計測ありの日常使用なら最大30日間ともちます。重量は86g。
向いている人:バッテリーの持ちを重視する、本格的な登山向けの時計が欲しい人。
注意点:本体重量が86gと、この記事の中では最も重い機種です。YAMAP・ヤマレコを時計に直接インストールすることもできません。
③Samsung Galaxy Watch9 44mm(Samsung)
価格は73,370円(2026年8月時点、Bluetoothモデル)。Android専用(Android13以上が必要)で、iPhoneでは使えません。Wear OS搭載機として、YAMAP・ヤマレコとも時計に直接アプリを入れて使えますが、こちらもPixel Watch 4と同様、動作確認済み機種の一覧に名前は載っていません。バッテリーは常時表示オフの状態で最大40時間。重量は34.0gと、この価格帯の中では軽めです。
向いている人:Androidを使っていて、軽さも重視したい人。
注意点:iPhoneでは使えません。
④GARMIN Instinct 3 Dual Power 50mm(GARMIN)
価格は79,800円(2026年8月時点)。iPhone・Android両対応です。YAMAP・ヤマレコは△で、スマホ側で作ったルートのGPXをGarmin Connect経由で転送する使い方になります。バッテリーはソーラー充電に対応していて、GPSモードで約60時間に加え、ソーラー充電分でさらに約200時間延長できます。スマートウォッチモードなら約40日間、ソーラーが十分に当たれば無制限にもなります。重量は58g。
向いている人:山小屋泊など、泊まりがけの登山で電池切れが心配な人。
注意点:ソーラー充電はあくまで補助で、延長できる時間は日照条件によって変わります。YAMAP・ヤマレコの直接インストールもできません。
電池切れを本気で避けたい人向け|Apple Watch Ultra 3
最後に1機種だけ、価格は上がりますが、バッテリーの持ちと丈夫さを最優先したい人向けに紹介します。
Apple Watch Ultra 3(Apple)
価格は142,800円〜(2026年8月時点)。iPhone専用です。YAMAP・ヤマレコとも時計単体で直接動きます。バッテリーは通常使用で最大42時間、低電力モードなら最大72時間と、9機種の中で最も長く使えます。重量は61.6〜61.8gと重めですが、その分バッテリー容量も大きくなっています。
向いている人:iPhoneを使っていて、泊まりがけの登山や電池切れの不安を根本からなくしたい人。
注意点:価格は14万円を超えます。これから登山を始める段階で、最初の1本として選ぶ価格ではありません。まずは他の8機種のどれかで試してみて、それでも物足りなければ検討する位置づけです。
時計を決めたら、次に気になるのは登山靴やレインウェアなど、他の装備をどうそろえるかだと思います。登山装備を買うかレンタルかで仕分けした記事もあわせてどうぞ。
まだ持ち物全体が固まっていない場合は、富士登山の持ち物チェックリストでスマートウォッチ以外の装備もあわせて確認しておくと安心です。
よくある質問
スマホとの相性、YAMAP・ヤマレコの使い方、予算。この3つを順番に見ていけば、9機種の中から迷わず1本を選べると思います。

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