夏の登山で低体温症!?汗冷えを起こさないための4つの対策と汗冷えした時の対処法

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「登山中に大量の汗をかいて、休憩中に身体が冷えてしまった…」

そんな経験をしたことはありませんか?

運動量が多い登山で汗をかくことは仕方のないことですが、汗で身体を冷やしてしまう「汗冷え」はしっかり対策を取って避けなければいけません。

汗冷えで身体が冷えると寒気や震えが起きるだけでなく、最悪の場合、低体温症になって死に至ることも。

今回はそんな恐ろしい汗冷えのメカニズムと汗冷えの対策方法、そして汗冷えをしてしまった時に取るべき対応について詳しく解説していきます。

汗冷えは登山前の準備と登山中のいくつかの行動で防ぐことが出来ます。

この記事を参考にしっかり対策をして、安全に登山を楽しんでください!

目次

登山で起きる汗冷えとは?

運動量が多い登山では汗をよくかきます。

汗を大量にかくような暑い夏の登山でも「身体が震えるような寒気に襲われた」、そんな経験をした方もいるでしょう。

「汗冷え」は読んで字の如く、汗で身体が冷えることです。

そもそも「汗」って?汗の役割

出典:おしごとはくぶつかん

汗は人間の生理現象の1つで、最も重要な役割は体温の調節機能です。

汗の99%が水分で出来ており、身体の体温があがった時に汗を出して、それが蒸発するときに身体の熱を奪って(気化熱)冷やしてくれることで体温を一定に保つ役割をしています。

暑い夏の登山などでは、発汗によって体温上昇が抑えられ、熱中症になるリスクを防いでくれています。

登山で起きる「汗冷え」のメカニズム

前述の通り、汗には身体の冷却機能があります。

水(汗)は空気より20倍以上も熱伝導率が良く、冷えやすいのが特徴です。

上がりすぎた体温を下げてくれるのは良いですが、風が吹くと気持ちいいからと汗をそのままにして、濡れた衣服を身につけた状態で稜線で強い風を受けたり、標高が高く気温が低い場所で休憩すると、気化熱で体温が奪われ続けて冷えすぎてしまうことがあります。

これを「汗冷え」と呼びます。

汗冷えは冬だけでなく季節問わず起こります。

びっきー

ちなみに「汗冷え」は主に登山界隈で使われている言葉だそう

暑い夏の登山でも、3000m級のアルプスや夏でも雪渓が残るような場所は汗冷えする可能性が高いので注意が必要です。

汗冷えしたらどうなるの?汗冷えによる危険な症状

汗で身体が冷えると寒気を感じるだけでなく、それを放置していると体温が奪われ続けて「低体温症」になるリスクがあります。

低体温症とはどんな症状?

低体温症とは、脳や内臓など身体内部の温度「深部体温」が下がってしまい、身体が「低体温」の状態になることです。

一般的にはこの深部体温が35.5℃以下を「低体温」と呼び、深部体温が35℃以下になると、激しい震えや、判断力の低下などの症状があらわれ「低体温症」となります。

初期症状としては寒さや身体の震え疲れや腹痛などの消化器系の不調などが挙げられます。

さらに病状が進行すると筋肉の硬直、脈拍や呼吸の減少、血圧の低下などが起こり、意識の状態が悪くなって最悪死に至ることもある恐ろしい疾患です。

実は熱中症より死亡者が多い凍死

出典:厚生労働省「人口動態調査」をもとに作成

厚生労働省の人口動態調査による『人口動態統計』では、「自然の過度の高温への曝露(熱中症)」や「自然の過度の低温への曝露(凍死)」で亡くなった人の数がまとめられています。

2021年の調査結果では熱中症が755人なのに対して、凍死は1,245人となっています。

また、2017年から2021年の5年間の合計数を見ても熱中症が5,723人、凍死が6,034人と凍死のほうが死亡者が多い結果になっています。

もちろん、この凍死は夏山での低体温症だけでなく、冬山の遭難や海・川への水没、屋内での発生も含みます。

この結果からも、身体が「低体温」になることの危険性が十分に分かっていただけるかと思います。

登山で汗冷えを起こさないための対策

山には山小屋などの屋内ですぐに暖まれる環境もありませんし、救助にも時間がかかりますので、自分で汗冷え(低体温)を起こさないために対策することが重要です。

汗冷えを起こさないための対策① | 汗処理機能の高いドライレイヤーを着る

出典:finetrack

汗冷え対策では「汗を肌やウェアに残さない・濡らさない」ということが何より重要です。

最近では各登山メーカーから汗処理機能の高いウェアが販売されています。

中でも注目したいのが肌に直接触れるインナー。

汗冷えを避けるインナーとして「ドライレイヤー」というものが増えてきていて、通気性・はっ水性・吸汗性に優れ、肌をドライな状態を保ってくれるアイテムです。

もちろん、このインナーを着ることで肌に残る水分は無くなりますが、これ1枚での行動は少し無理があります。

びっきー

肌が透けるため1枚だと…

そういう理由で、このインナーの上にTシャツや山シャツなどを着ることになります。

上に着るウェアも速乾性・吸水性に優れた汗処理機能の高いものを着ることをおすすめします。

これらを組み合わせることで、はっ水性の高いドライレイヤーが汗を肌から離し、吸水性の高いウェアが汗を吸い上げ乾かしてくれるため、肌もウェアもドライで快適な状態を保ってくれます。

汗冷えを起こさないための対策② | 汗はこまめに拭く

いくら汗処理機能の高いウェアを着ているからといって、吸水量などには限界があります。

首や額などのウェアをまとっていない部分の汗をこまめに拭いたり、吸水が間に合わないような量の汗をかいていたら背中などの上半身の汗も拭き取り、肌やウェアの濡れを最小限に保ちましょう。

汗冷えを起こさないための対策③ | 適宜ウェアの調整をする

行動中の暑い時や風のない樹林帯では薄着にして汗を出来るだけかかないよう、風の吹く稜線では冷えから身を守るために1枚羽織るなどのこまめなウェアの調整が必要です。

最初のうちは面倒くさいですし、環境・自分に合った調整(レイヤリング)をするのは難しいです。

しかし、身を守るためにも快適で安全な登山をするためにも重要なことですので、面倒くさがらずにウェアの調整をしましょう。

何度も試していくことで自分や環境に合ったレイヤリングを覚えて、脱ぎ着の回数を減らせるようになりますよ。

風が強い場所や気温が低い場所での休憩は汗をかいてなくても身体が冷えやすいので、長めの休憩を取る場合は寒くなる前に1枚羽織っておくと良いでしょう。

休憩中に寒さを感じるようなら、フードを被ったり乾いた手拭いやタオルを首に巻いたりして、首筋から逃げやすい熱を守ることも効果的です。

汗冷えを起こさないための対策④ | 濡れた服を着替える

速乾性の高い服を着ていたり汗をこまめに拭いていても、汗かきの人や特に暑い日は汗でビショビショになってしまうことがあります。

そういう場合ですぐに乾きそうになかったら、着替えることをおすすめします。

しかし、山では着替えられる場所は少ないです。(男性であればどこでも大丈夫でしょう。)

山小屋・トイレなどの建物内や、滑落の危険がない安全で人目につかない場所を見つけてサッと着替えましょう。

汗冷えを起こさないための対策⑤ | 歩くペースを落とす

汗冷えを起こさないためには「汗の量を抑える」ことも1つの手でしょう。

ただでさえ運動量が多く、強い日差しの中で行う夏の登山は汗をかきやすいですが、歩くペースをゆっくりにすることで運動量が落ち着き、発汗量も少なくなります。

発汗量が多い時や歩くペースが速くてよく汗をかいてしまっている人は、歩くペースを見直してみることをおすすめします。

登山で汗冷えした時の対処法

低体温症になると自分では正常な判断・行動が取れなくなります。

1人での登山で周りに他の登山者がいなければ最悪の場合も考えられます。

汗冷えしないことが何より大切ですが、もしも汗冷えしてしまったら低体温症にならないように早期の対応が必要です。

汗冷えを改善する方法① | 山小屋や風の当たらない場所に避難する

汗冷えを改善する方法として最も効果的なのが「山小屋に避難して暖を取ること」です。

山小屋が近くにあれば良いですが、なかなかそう上手くいかないのが登山。

もし山小屋が近くにない場合は、風の当たらない場所に身を隠したり、あまりにも冷えの状態が酷い場合はテントやツェルトを張って一時避難をして暖を取ることをおすすめします。

汗冷えを改善する方法② | 着替える+着込む

汗冷えを改善する方法として、対策でも紹介した「濡れたウェアを着替える」ことも挙げられます。

汗をそんなにかいていないと思っていても、案外ウェアが湿って冷たくなっていることがあります。

着替えずに身体が冷えていたら、まずはウェアが濡れていないかチェック!

体温を奪う濡れたウェアを脱ぐことで、それ以上熱を奪われ続けるリスクを減らします。

冷えたウェアのまま着込んでもなかなか温まらないので、濡れている場合は出来るだけ着替えてから着込むのがいいでしょう。

しかし、夏の登山では防寒具をあまり多くは持っていかないことも多いです。

そういう時のためにエマージェンシーシートを1つ忍ばせておくと安心です。

持っていったウェアを着込んでも寒気や震えがおさまらない時は活用しましょう。

汗冷えを改善する方法③ |温かい飲み物を飲む

汗で身体が冷えたら温かい飲み物を飲んで、身体を内側から温めることも効果的です。

白湯だけでも良いですが、紅茶やハーブティー、ココアなどが身体を温めたり血流を改善する効果があっておすすめです。

山でよくコーヒーを飲む方もいますが、コーヒーのカフェインには血管を収縮する作用や自律神経を乱す恐れがあり身体を冷やしてしまう可能性があるので、身体が冷えている時は注意しましょう。

夏場に保温ボトルを持っていくのは大変なので、携行性に優れたポケットストーブがあるともしもの時に便利です。

+α| 食べ物を摂ることも忘れずに

汗冷えすると身体は熱を上げようと働く(震えなど)ため、余分な体力やエネルギーを消費してしまいます。

汗冷えが改善して登山を再開したとしても、エネルギーを消費した状態で歩くと疲労や怪我の原因になってしまいます。

汗冷えした時は食べ物も摂ることを忘れずに。

食べることでわずかながら熱も生み出してくれるの(熱産生)で、汗冷えにも効き目があります。

食べるものは、タンパク質の多いものが熱産生量が高くておすすめですが、身体を冷やすもの意外なら一先ず食べても大丈夫です。

特にミックスナッツやドライフルーツがおすすめ。ナッツは高タンパク質で、血行促進を助けるビタミンEも多く含まれるので、身体を内側から温めてくれます。

身体を冷やすものとしてはゼリーやジェル・生の果物などが挙げられますので、それらは避けましょう。

まとめ

以上、登山で汗冷えを起こさないための対策法と汗冷えした時の対処法についての解説でした!

登山で汗は付きものだからと甘く見ていると痛い目に遭います。

汗冷え対策はご覧いただいた通り難しいものはありません。

ドライレイヤーを取り入れたりこまめにウェアの着脱をして体温調節を行うなど、身体を冷やさないように工夫して安全で快適な登山を楽しんでください!

それでは、おしまい!

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