尾瀬に行く予定があって、「アブが心配」と思って検索した方も多いと思います。
調べてみると、アブとブユの見分け方や生態の解説はたくさん出てきますが、肝心の「じゃあ何を持っていけばいいのか」は、意外とはっきり書かれていません。
この記事では、尾瀬でアブに備えるために持っていくものを、優先順位をつけて絞り込みました。
「虫除けスプレーがあれば、それだけで安心できる?」
「防虫加工の服を着ていけば大丈夫なのかな…」
実は2つ目の疑問には注意が必要です。防虫加工の服は、アブには効かないことがあります。詳しくは記事の後半で説明します。
- 尾瀬でアブ対策として持っていくもの、優先順位つき
- アブに効くもの・効かないものの違い
- 尾瀬でアブが増える時期(尾瀬保護財団の呼びかけから)
- おにやんま君は本当に効くのか

【結論】尾瀬でアブが心配なら、まず持っていくのはこの3つです
先に結論を言います。
- 肌に塗るディート・イカリジンの忌避剤(虫除けスプレーのこと)
- 厚手で薄い色の長袖(アームカバーでも可)
この2つが優先です。おにやんま君は、あくまで補助として考えてください。
「防虫加工の服を着ていけば安心」と思われがちですが、これはアブには当てはまりません。まず、効くものと効かないものを整理しておきます。
| 持ち物 | アブへの効果 | 理由 |
|---|---|---|
| 肌に塗るディート・イカリジンの忌避剤 | ○ 効く | メーカーが示す対象害虫にアブが含まれています |
| 厚手で薄い色の長袖 | ○ 効く | 物理的に肌を隠す話。防虫加工の有無とは別です |
| 防虫「加工」ウェア(スコーロン等) | × 効かない | アブは対象の虫に含まれていません |
| おにやんま君 | △ 断定できない | 効果の報告と、効果を感じないという声が両方あります |
尾瀬でアブが出るのはいつ・どこか
①発生時期は6月〜9月がめやす
アブは種類によっては4月頃から見られますが、被害が増えるのは6月から9月にかけてと、虫よけメーカーのアース製薬が説明しています。
これは尾瀬に限らず、日本の山や水辺に共通する一般的な話です。尾瀬ではどうなのか、次で見ていきます。
②尾瀬保護財団の呼びかけから
尾瀬保護財団が運営する尾瀬沼ビジターセンターは、2025年7月2日の現地情報として、こう呼びかけています。
尾瀬沼周辺に虫が増えてきました。蚊やアブなどに刺されたり嚙まれたりすることがあるかもしれませんので、必要に応じて虫よけスプレーなどを持参しご活用ください。
7月に入ると尾瀬沼周辺で虫が増えるという、現地からの声です。木道のどの区間で多いかまでは分かりませんが、7月前後に尾瀬沼周辺を歩くなら、虫よけスプレーを持っていくと安心です。
アブに刺されるとどうなるか
アブは皮膚を切り裂くようにして血を吸うため、刺された直後は強い痛みと出血があり、そのあと腫れとかゆみが出てきます。長引くと2〜3週間ほど症状が続くこともあります。
症状の詳しい見分け方や、刺されたあとの応急処置は、アブとブユの見分け方と対処法をまとめた記事で解説しています。ここからは対策の話に進みます。
何を持っていけばいいか
①肌に塗る忌避剤(最優先)
まず一番優先したいのが、肌に直接塗るタイプの虫よけです。有効成分は「ディート」か「イカリジン」のどちらかで、どちらもメーカーが示す対象害虫にアブが含まれています。
| 商品 | 成分 | 濃度 | 区分 | 持続時間の目安 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| サラテクトミスト リッチリッチ30(200mL) | ディート | 30% | 第2類医薬品 | メーカー公称5〜8時間 | 635円〜 |
| スキンベープミスト イカリジンプレミアム(200mL・無香性) | イカリジン | 15% | 防除用医薬部外品 | メーカー公称6〜8時間 | 販売店により異なる |
サラテクトは200mLで635円なので、1mLあたり約3.2円です。1回の登山で10mLほど使うとすると、1回あたり30円ほどの計算になります。何度も登るなら、この1本で十分足ります。
お子さんと一緒に行くなら、年齢制限のないイカリジンのスキンベープミスト イカリジンプレミアムが無難です。蚊やマダニに加えて、アブも適用害虫に含まれています。大人だけで行くなら、ディート30%のサラテクトは持続時間が長く、塗り直す回数を減らせます。サラテクトのリッチリッチ30はディート30%で、12歳未満は使用できません。
登山でよく使われる虫除けスプレーをもっと比較したい場合は、成分や価格をまとめて比較した記事も参考にしてください。
②服装(色・厚み)とアームカバー
アブは黒っぽい色に寄ってくる傾向があります。服やザックは、白や黄色など明るい色を選んでください。
生地の厚みも関係します。薄い生地だと服の上からでも刺されることがあるため、厚手で薄い色の長袖が基本です。
半袖で行きたい場合は、腕だけをアームカバーで覆う方法もあります。次のCW-Xのアームカバーは生地で肌を覆うタイプなので、薬剤加工に頼らず物理的にアブから腕を守れます。
アームカバーだけでは防ぎきれないこともあるため、忌避剤スプレーと組み合わせて使うのがおすすめです。もっと種類を比べたい方は、アームカバーの選び方をまとめた記事で確認できます。
顔まわりが気になる方は、帽子で覆う方法もあります。登山用の帽子を紹介した記事も参考にどうぞ。
③補助:おにやんま君
「おにやんま君」は、アブの天敵とされるオニヤンマを模した虫よけグッズです。帽子やザックに付けて使います。
効果については、賛否が分かれています。「20匹前後いたアブが10匹程度に減った」という報告がある一方で、「効果を感じなかった」という口コミも見られます。効くと言い切ることはできません。
電池もいらず、軽くてかさばらないので、忌避剤スプレーやアームカバーに加えての「保険」くらいの位置づけがちょうどいいと思います。
防虫加工の服は、アブには効かない
「防虫加工がしてある服を着ていけば、虫除けスプレーはいらないかな」と思う方もいるかもしれません。これは、アブに関しては当てはまりません。
防虫加工が対象にしているのは、蚊やブユのような小さい虫です。アブやハチのように、生地の上からでも刺してくる虫には、加工の有無は関係ありません。アブ対策としては、肌に塗る忌避剤か、厚手で薄い色の生地を選んでください。
よくある質問
どれにするか迷ったら、忌避剤スプレーとアームカバー、補助のおにやんま君をもう一度見てみてください。
まとめ
- 肌に塗るディート・イカリジンの忌避剤が最優先。メーカーの対象害虫にアブが含まれています
- 厚手で薄い色の長袖も効果があります。防虫加工の有無とは別の話です
- 防虫加工の服(スコーロン等)は、アブには効きません。メーカー自身がそう説明しています
- おにやんま君は補助程度に。効果を保証するものではありません
- 尾瀬沼周辺は7月頃から虫が増えると、尾瀬保護財団が呼びかけています
尾瀬は木道を歩く平坦なコースなので、身構えすぎる必要はありません。忌避剤と服装、この2つを準備しておけば、アブへの備えとしては十分だと思います。





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