登山に必要な水の量ってどれくらい?計算でわかる水の量と適切な水分補給のタイミング【塩分補給も忘れずに】

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登山に持っていく水の量、「大体これくらいだろう」とその日の気温やコースで大まかに決めていませんか?

そういうことをしていると…

水が無くなると困ると思って多めに持って行ったら余ったし、道中重くて大変だった。

飲みすぎて無くなっちゃた。心配だからもっと持っていかなきゃいけないかな?

ということが何度も起こりかねます。

水の量を曖昧なまま登山をしていると、余計な荷物が増えて大変だったり、水が無くなってしまって重大な事故に繋がる可能性もあるので大変危険です。

登山で必要な水の量は、汗の量と関係しており計算でおおよその目安を知ることが出来ます。

必要な水の量を知っておくことで安全に登山を楽しむことが出来ますので、ぜひ覚えておきましょう。

目次

登山で必要な水分量の計算|ヒントは汗の量にあり!

登山で必要な水の量は、汗をかく量と関係があります。

水を飲む理由は紛れもなく“体から失った水分を補給するため”にあります。

というわけで、まずは脱水量(かく汗の量)を把握する必要があります。

今回は日本山岳ガイド協会にて必要な水分量を知るための計算式が定められていますので、それを使って求めていきます。

脱水量(かく汗の量)の計算式

脱水量 (ml)= 体重(kg)× 行動時間(h)× 5(ml)

皆さんが参考にしやすいよう、これに照らし合わせて体重別に計算してみると以下の通りになります。

例:6時間の日帰り登山をした場合

スクロールできます
体重50kgの脱水量体重60kgの脱水量体重70kgの脱水量
50kg×6h×5ml
=1,500ml
60kg×6h×5ml
=1,800ml
70kg×6h×5ml
=2,100ml

給水量(補給する水の量)の計算式

給水量(ml) = 脱水量 × 0.7〜0.8

必要な水の量はかいた汗の量(脱水量)の70~80%とされており、この0.7〜0.8はそこからきています。

先ほどの6時間の日帰り登山をした例の場合、体重別の必要な給水量は以下のようになります。

スクロールできます
体重50kgの給水量体重60kgの給水量体重70kgの給水量
1,500ml×0.7〜0.8
=1,050〜1,200ml
1,800ml×0.7〜0.8
=1260ml~1440ml
2,100ml×0.7〜0.8
=1,470〜1,680ml

例で示した体重の方であれば、約1.5Lの水を持っていけば足りそうです。

ですが、これは6時間の日帰り登山をした時の例ですので、ご自身が行く山のコースタイムに合わせて計算してみてください。

上記で出した水分量は最低限必要な量です。
山小屋や水場などの給水できるポイントがあればこの量でもいいですが、水場がない場合は+500ml〜1L持っていくと安心です。
ここら辺は経験を積みながら気温や湿度、ご自身の体質に合わせて調整してみてください。

調理にも水を使用する場合は、飲み水とは別に忘れずに持って行ってくださいね!

水分補給はいつすればいいの?水を飲む適切なタイミングと量

登山時の水分補給は「喉が渇く前に、こまめに少しずつ」が基本です

「喉が渇いた」と感じたときは、すでに脱水が始まっている状態です。

「途中で水が無くなるのが心配だから」「トイレが近くなるから…」と行動中にあまり水を飲みたがらない登山者が多いようです。

しかし、水分不足になると熱中症や足の痙攣、足つりの原因になりバテて歩行が困難になるケースも。

一度バテてしまうとすぐに体力は回復しませんので、“喉が渇く前に飲む”ことが大切なんです。

水分補給のタイミングと飲む量の目安
  • 登山中(行動中)| 5分おきなど細かいペースで1口ずつ
  • 30〜1時間おきの小休憩時| 150ml〜250ml(コップ1杯程度)
  • 昼食などの大休憩時| 食事とともに適宜

上記の目安を見て分かる通り、かなりこまめに少しずつ水分補給をします。

これは脱水を防ぐためでもありますが、一気に飲み過ぎると胃腸に負担がかかったり、体内で処理しきれず水分が余ってしまい尿として出す、つまり皆さんが心配している“トイレ”に行きたくなるのを防ぐためでもあります。

登山中(行動中)のこまめに水分を摂ることが難しいと感じたら、まずは小休憩時の水分補給の量とタイミングを意識してみてください。

その上で、行動中に喉が渇くようならその都度補給するのが良いでしょう。それが自分にあった水分補給のタイミングになります。

また、先ほど計算で出した必要な水の量を下山時に飲み切るイメージで水分補給すると良いでしょう。

※上記の水分補給のタイミングと飲む量はあくまで目安です。
環境やその人の脱水量(発汗量)によって変わりますので、目安を参考にしながら自分にあった水分補給の量やタイミングを見つけてください。

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行動中にザックから取り出す手間なく「手軽に・こまめに・少しずつ」水分補給ができる優れたアイテムです。

冬など氷点下になる山では、チューブが凍ってしまう恐れがありますので注意が必要です。

+α | 登山前の水分補給に「ウォーターローディング」を取り入れる

登山時の水分補給はもちろん大切ですが、登山日の3日前ほどから水分補給を気にしていると、登山時に体を良い状態にもっていくことが出来ます。

その名も「ウォーターローディング」

このウォーターローディングとは水分補給の方法の1つで「毎日、喉が渇いていないときでもこまめに水をとる」というもので、マラソン選手などが取り入れています。

方法は1日に2リットル程度の水を1回で250ミリリットル程飲む、それを3日〜1ヶ月行うというものです。

この水分補給法を取り入れることで、正常な新陳代謝を促し老廃物をスムーズに排泄するなど、体をいい状態にもっていく効果が期待出来ます。

また、体(細胞)を常に水分で満たしておくことができ、登山中にその「満たされた水分」から汗を流すことが出来るため、発汗による運動能力の著しい低下を防ぐ効果が得られます。 また、脱水症状を予防することにも繋がります。

ここまで説明して「そんな、アスリートでもあるまいし…」という声が聞こえてきそうですが…。

毎回の登山前に取り入れるのは流石に大変ですので、2泊3日などの縦走登山をするときやテント泊装備・気温が高くて汗を大量にかくと予想される登山をする2〜3日前から、気になる方は試してみてください。

水分補給の際は“塩分補給”も一緒にしよう!

水分補給の重要性は皆さんお分かりかと思いますが、水分補給の時に忘れてはいけないのが“一緒に塩分(ナトリウム)を摂取すること”です。

汗の成分は99%が水ですが、残り1%のほとんどは塩分(ナトリウム)になります。

汗をかくと水分とともに、この塩分も体外へ排出されます。

この塩分(特にナトリウム)が体内から不足すると、疲労感や脱力感、足がつったり筋肉の痙攣などの症状が現れます。

また水分だけを取っていると、体液(水と電解質)のバランスが崩れて逆に脱水症状になったり、低ナトリウム血症という脳の機能障害を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。

汗をかいた時の水分補給として、日本スポーツ協会では0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )と糖質を含んだ飲料を推奨しています。

これを参考に自分で作っても良いですが、なかなか大変なのでスポーツドリンクや経口補水液をおすすめします。

水分・塩分補給の役割以外にも、これらの飲み物に入っている糖質はエネルギー源にもなり、登山中のエネルギー不足からくるシャリバテを防ぐ事ができます。

スポーツドリンクには経口補水液の3分の1程度しかナトリウムが含まれていなく、これだけでは「低ナトリウム血症」を起こしてしまう恐れがあります。
登山中にスポーツドリンクを飲む場合は、他からも塩分(ナトリウム)を摂取しましょう!

しかし登山では、怪我した時や料理にも使えるなどで使い勝手の良い水を持っていきがち。

もし登山には水を持っていきたいという方は、プラスしてスポーツドリンク経口補水液の粉末タイプを持っていくと良いでしょう。

こまめに水分補給する時は水、小休止などで多めに飲むときはスポーツドリンクに出来るなど便利です。

また、飲み物以外でも塩分を含む行動食を持っていくと良いでしょう。

飲み物だけで不足した塩分を補うとなるとかなり大変です。

塩分タブレット梅干しなどを持っていくと、行動中にも口に入れられるし気分転換になっておすすめです。

まとめ

以上、登山に必要な水の量と水分補給のタイミングについての解説でした!

登山に必要な水分量を把握することで、登山ではしっかり水分補給をしないといけないと認識できるだけではなく、余計な荷物(水分)を増やさないことでエネルギー消費を少なくして、より長い距離や疲れにくく登山をすることが出来ます。

今回の計算で出した水の量を参考に、登山中にしっかりと水分補給を行なって安全に登山を楽しんでください。

それでは、おしまい!

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