【汗かき登山者必見】登山の汗対策まとめ | 背中や頭のびしょびしょ汗とはおさらば!

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登山に行くと毎回悩まされる「汗」問題。

登山に汗は付きものですが、「あまりにもビショビショ、ベタベタで気持ち悪い」「汗をかきすぎて冷える」という汗かき登山者も少なくないでしょう。

汗かきでなくても登山ではたくさんの汗をかきます。

今回はそんな汗かき・汗で困っている方のために、汗の量を抑えて快適に登山をするあらゆる手をご紹介します!

各登山メーカーから汗の悩みを解消するアイテムが多数出ていますが、その他アイテムを使わずに汗を抑える方法も伝授します。

「登山に汗は付ものだから…」と諦めていた方も悩みを解消できるはず。

ぜひこれを参考に実践してみてください!

汗をかく理由や汗をかくと起きる問題など、登山×汗に関する項目をまとめて盛りだくさんになっているので、長い記事になっています。
↓目次をクリックすると見たいところにジャンプしますので、気になるところからご覧ください↓

目次

登山で汗をかく理由

出典:おしごとはくぶつかん

登山やスポーツをやっているときだけでなく、お風呂に入っているとき・寝ているときなど様々な場面で私たち人間は汗をかいています。

そんな汗には「体温を一定に保つ」という大事な役割があります。

体温が上がると汗が出るのは、汗が蒸発するときに身体の表面の熱を奪って身体を冷やしてくれる、つまり汗は身体の冷却機能なのです(気化熱)。

夏に道路に打ち水をすると涼しく感じるのと同じ原理ですね。

このように汗が体温を一定に保ってくれているため、私たちの身体は正常に機能することができ、健康に保たれています。

暑い夏の登山などでは、発汗によって体温上昇が抑えられ、熱中症になるリスクを防いでくれています。

しかし、そんな身体にとって良い汗も登山中にかき過ぎたり放置していると問題も出てきます。

では、登山で汗をかき過ぎてしまう人にはどんな特徴があるのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

登山で汗をかき過ぎる理由① | 体質・体型

よく「代謝が良いと汗っかき」と思われがちですが、実は代謝がいいからといって必ずしも汗っかきとは限りません。

手のひらや頭など限られた部位に多量の発汗が見られる場合は多汗症の疑いがあります。

少し動くと全身で沢山の汗が出る人は、代謝が悪くて水分の排出がうまくいっていない・身体に余計な水分を溜め込んでいるなど、様々な可能性が挙げられます。

また、単純に太っていて脂肪の量が多かったり、平均的な体型や痩せ型の人でも内臓脂肪が多い「隠れ肥満」だと身体に熱がこもりやすく、体温調節のために汗の量が多くなりやすい傾向があります。

まずは自分がどんな体質・体型なのかを把握しておくと良いでしょう。

登山で汗をかき過ぎる理由② | 気温や湿度が高い時間に登っている

登山は自然の中で行うアクティビティです。

なかでも気候が目まぐるしく変わる、厳しい環境で行う活動ではないでしょうか。

快晴時の登山では、肌がジリジリと焼けるように痛くて暑い日差しを浴びます。

そして梅雨の時期や真夏の山では、特に樹林帯や低山が高温多湿になる特徴があります。

朝方は涼しい樹林帯や日差しの強さは、昼間に近づくにつれて暑さと湿度の凶悪さを増してきます。

汗をかきやすい人は出発が遅く、気温が高い時間帯に登っている可能性があるかもしれません。

登山で汗をかき過ぎる理由③ | 運動量が多い

登山はある程度強度の高い運動を長時間かけて行う、思った以上に身体への負担が大きい運動です。

運動の強度を表すメッツという単位があります。

このメッツは、運動に使うエネルギーが安静時の何倍かを示しています。

メッツ個別活動
6.50〜4.1kgの荷物を持って山を登る
7.34.5〜9.1kgの荷物を持って山を登る
8.39.5〜19.1kgの荷物を持って山を登る
9.019.1kg以上の荷物を持って山を登る
身体活動のメッツ(METs)表

私が日帰りや1泊登山をする時の荷物が5kgほど、夏場で水の量が多いときは8〜9kg程度になることもあります。

みなさんも同じくらいの荷物の重さと考えて、メッツと照らし合わせると数値は7.3〜8.3になります。

テニスやバスケットボールの試合が8.0メッツとされているので、これらのスポーツに匹敵するほどの運動負荷が登山にはあります。

なので、ただでさえ登山は運動量が多く汗をかきやすいアクティビティと言えるでしょう。

しかし、汗をかき過ぎてしまう人は必要以上に荷物を持って行ってたり、登山に向いていない歩き方をして余計に運動量を増やしてしまっているかもしれません。

登山に向いていない歩き方には、街中で歩くような速いペースで歩いていたり大股で登っていたりなどが挙げられます。

登山で汗をかき過ぎる理由④ | レイヤリング(重ね着)や素材の選択ミス

出典:finetrack

汗をかき過ぎる方は、気温や季節に合っていない素材のアイテムを使っている可能性があります。

汗処理機能が高いウェアを着ていたとしても、重ねる服の種類を間違っていたりするとうまく効果を発揮せず、処理しきれないほどたくさんの汗をかいていると感じてしまうでしょう。

またレイヤリングするときは機能面だけでなく、生地の厚さや素材も汗のかきやすいかきにくいに関わってきます。

特に機能面でアンダーウェアは吸水速乾、ミドルレイヤーは透湿・通気性など欲しい機能が違ってきます。

またウェアだけでなく、帽子やザックなども同じです。

頭や背中など、特に汗をかきやすい部位があればそのアイテムも確認してみましょう。

登山で汗をかくと起きる怖いこと

先ほど、汗には「体温を一定に保つ」という大事な役割があるとお伝えしました。

そのかいた汗をそのままにしておくと様々な問題がおき、命の危険にも関わる可能性があります。

登山中にかいた汗を放置しておくと起きる問題は以下の4つです。

汗による臭いや不快感が気になる

汗はもともと、サラサラかつ無臭です。

しかし、われわれ現代人は冷房の効いた部屋で長時間過ごしたり、運動不足などで汗をかく機会が少なく、汗腺の機能が低下している人が多くいます。

そんな汗腺が衰えた状態で気温が高い場所で運動量が多い登山をすると、体温調節が追い付かず過剰に発汗することがあります。

その異常な発汗により、ナトリウムを多く含むベタベタの汗が出て、それが不快感の原因となっています。

また、衣服に付着している細菌やカビ、肌のアカや皮脂と汗が混ざることで嫌な臭いを発しています。

これら「悪い汗」をかいてしまう人はもちろん不快かもしれませんが、サラサラで無臭の良い汗をかいている人でも、ハードな登山や高温多湿の日の登山では否が応でも沢山の汗をかきます。

頭から流れ落ちる滝のような汗が気になって、せっかくの景色が楽しめないなんてこともあります。

皮膚トラブルにつながる

山は太陽からの紫外線が強く多くの方が紫外線対策をしているかと思います。

中でも皆さんがしているのは“日焼け止めを塗ること”でしょうか。

しかし、せっかく塗った日焼け止めも汗をかくと落ちてしまう可能性があります。

汗を拭く際には日焼け止めも一緒に拭き取ることになります。

なんど日焼け止めを塗り直しても、汗をかいて日焼け止めが取れてしまえば効果はなくなり、日焼けしやすい肌となってしまいます。

また汗を放置していると、汗の塩分が肌へのダメージとなり、肌の乾燥を招く恐れがあります。

乾燥した肌はバリア機能が低下しており、かゆみや痛みを伴うことがあります。

これも日焼けしやすい肌の原因の1つになります。

脱水症状・熱中症になる

汗をかく理由でお話したように、体は気温や運動によって上がった体温を発汗によって下げようとします。

その汗には、水分だけでなく塩分も含まれており、この両方が失われることで脱水症状になります。

登山ではトイレが無いからと水分補給を控えている方が多く見受けられます。

汗をかいたうえで水分補給もしないとなると、脱水症状になる可能性は格段に上がります。

脱水症状を放っておくと熱中症を引き起こし、足をつったり疲労感や脱力感などの症状が現れ、遭難や事故に繋がる可能性もあります。

汗冷え(低体温症)を起こす

水(汗)は空気より20倍以上も熱伝導率が良く、冷えやすいのが特徴。

肌やウェアに汗が残っている状態で標高が高く気温が低い場所で休憩していたり、稜線で冷たい風に当たると一気に身体から熱が奪われて冷えてしまいます。

身体が冷えると余分な体力やエネルギーが奪われたり、筋肉が強張ったり関節の動きに影響が出てケガに繋がる可能性もあります。

また、冷えからくる腹痛を引き起こす方も見られます。

この身体が冷えた状態を対処しないでいると、通常37℃前後で保たれている身体の深部体温が35℃以下になってしまう「低体温症」になる可能性があります。

低体温症の初期症状としては寒気や体の震えが挙げられます。

そして、症状が進むと意識が低下して動けなくなる可能性もあるので、大変危険です。

汗をかいてしまったらどうする?

登山は汗っかきの人でなくても、負荷が大きく厳しい環境で行うので汗を沢山かきます。

そして、かいた汗を放置しておくと様々な問題が生じることも分かりました。

では、次は汗をかいてしまったらどうすれば良いのかを解説していきます。

汗をかいたらこまめに拭く

上記では汗をかく悪い面をお伝えしました。

本来は体温調節をしてくれたり、老廃物や余計な水分を排出することで新陳代謝を上げたりと、身体にとってメリットが多いのが汗です。

ただ、汗を放っておくとウェアが湿ったり肌がベタベタして気持ち悪いだけでなく、雑菌が増えてニオイの原因になったり汗冷えを引き起こす可能性があります。

汗をかいたら、面倒臭くてもこまめに拭き取ることが重要です。

服が濡れてしまったら着替える

大量の汗で濡れてしまった衣服は冷えれば汗冷えに、乾いたとしてもニオイの原因になったりと良いことはありません。

なるべく汗が残らないようなレイヤリングをしたり、こまめに拭き取って濡れてしまう状態を作らないことがベストです。

もし、汗でビショビショになってすぐに乾きそうになかったら、着替えることをおすすめします。

しかし、山では着替えられる場所は少ないです。(男性であればどこでも大丈夫でしょう。)

山小屋・トイレなどの建物内や、滑落の危険がない安全で人目につかなそうな場所を見つけてサッと着替えましょう。

着替えは沢山持っていくと重く、荷物が重くなれば使うエネルギーも増えて汗をかきやすくなってしまいます。
アンダーウェアとTシャツだけなど、自分が汗をかきやすい部位のウェアに絞って持っていくことをおすすめします。

水分・塩分補給をこまめにする

汗の99%は水分です。

汗をかいたのに水分補給をしないでいると脱水状態になり、頭痛やめまいなどの不調、熱中症を引き起こす可能性があります。

山で体調不良になると、遭難や事故につながる可能性もあります。

そうならないためにも、こまめな水分補給が大切です。

水分補給のタイミングは「喉が渇く前に」が基本です。

1時間に1回、30分に1回など時間を決めて飲むのも良いですが、よく汗をかく暑い日は、5分おきなど細かいペースで一口ずつ飲むのがおすすめです。

一回でたくさん水を飲むと胃腸に負担がかかってしまうので、まとめて飲むときは200mlを目安に飲むと良いでしょう。

また、汗をかくと水分だけでなく塩分も身体から失われていきます。

さらに人間の体液は、水と塩分(ナトリウムイオンなどの電解質)でできています。

汗をかいた際に水だけを飲むと、その体液が薄まってナトリウム不足(低ナトリウム血症)を起こしてしまう危険があります。

この状態は水中毒とも呼ばれ、足がつったり頭痛、吐き気を起こしたりします。

ですので、汗をかいた時の水分補給では同時に塩分も摂取することが重要になります。

熱中症予防の水分補給として、日本スポーツ協会では0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )と糖質を含んだ飲料を推奨しています。

これに従うと、汗をかいた際はスポーツドリンクや経口補水液を飲むのが一番良いことになります。

スポーツドリンクには経口補水液の3分の1程度しかナトリウムが含まれていなく、これだけでは「低ナトリウム血症」を起こしてしまう恐れがあります。
スポーツドリンクを飲む場合は、他からも塩分(ナトリウム)を摂取しましょう!

水分・塩分補給の役割以外にも、これらの飲み物に入っている糖質はエネルギー源にもなり、登山中のエネルギー不足からくるシャリバテを防ぐ事ができます。

しかし登山では、怪我した時や料理にも使えるなどで使い勝手の良い水を持っていきがち。

水のほかに水分を持っていくとなると、かなりの重量になってしまいます。

スポーツドリンクには糖分が多く入っていてエネルギー源になるものの、過剰摂取すると肥満や虫歯の原因になってしまうので注意が必要です。

スポーツドリンクは口に残る甘さが好きじゃなかったり、甘くて量を飲めない人もいるでしょう。

「飲み物には水を持っていきたい!」という方は水分補給は水から、塩分は行動食から摂取するという手もあります。

飴やタブレット、梅干しなどから塩分を補給するのも良いでしょう。

塩分(ミネラル)補給ができる行動食については、こちらの記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

登山で汗を抑える方法5選

さて、ここまでで登山で汗をたくさんかいてしまう理由や汗をかいたら起きることは理解出来たでしょうか?

ここからは身体を守るためには必要だけど厄介な汗を出来るだけ抑える方法を5つご紹介します。

すぐに実践のできるものや効果の高いものもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

※ここで紹介する汗を抑える対策は完全に汗をかかなくする訳ではなく、出来るだけかく量を減らしたり快適にする方法です。
運動量が多く厳しい環境で行う登山では、どうしても汗をかいてしまうということはご承知ください。

登山中の汗を抑える方法① | 制汗剤を使う

登山中の汗を抑える方法の1つとして「制汗剤を使う」方法が挙げられます。

制汗剤には、塩化アルミニウムやACHなどの汗を抑える成分が配合されています。

これらの成分が、汗の出口を塞いだり出口そのものを収縮させることで汗が出にくくなります。

ただ制汗剤を使ったからといって、全身から出る汗を抑えることは不可能です。

そして制汗剤の効果は一時的です。

汗っかきの人や一度汗をかいてしまうと意味がないでしょう。

制汗剤にはニオイの発生を抑え、軽減するデオドラント機能があるタイプもありますので、汗をかく登山前に、ニオイが気になる部位に局所的に使っておくと良いでしょう。

制汗・消臭成分を染み込ませた汗拭きシートはニオイを抑制しながらも、汗によるベタつきが気になる時にサッと使える便利なアイテムなので、ザックに忍び込ませておくことをおすすめします。

大容量パックなどを購入して枚数が多く残っているときは、その登山で使うであろう枚数をジップロックなどに移し替えておくと、荷物がかさ張らなくて済みます。

+α | ワキガが気になる人へ

登山中、ワキガのニオイに悩まされている方はいませんか?

ワキガは、汗腺(特にアポクリン汗腺)から分泌される汗に含まれるタンパク質や脂質等の有機酸が、腋(わき)に存在する常在菌により分解されることで、あの独特の嫌なニオイが発生するのです。

つまり、脇汗をかかなければニオイも抑えられるということです。

そんなことはすでに知っていて、制汗剤を使っている方も多いしょう。

「でも、その制汗剤では効果がない」という方におすすめしたいのが「オドレミン」という薬品です。

オドレミンは主成分が制汗剤にも使われている塩化アルミニウムで、ワキガ(腋臭)・皮膚汗臭・制汗の効果が期待出来る製品です。

私も愛用しており、無臭で使いやすく制汗効果もバッチリでおすすめです。

手汗で悩むボルダーで使っている方も多く、脇以外にも汗のかきやすい部分に使ってみるのも良いですよ。

登山前日のお風呂上がりや出発前の腋が清潔な状態で塗ることをおすすめします。

登山中の汗を抑える方法② | 涼しい時間帯に登りだす

先ほど登山で汗をかき過ぎる理由にて、気温や湿度が高い時間に登っているとお伝えしましたが、登り始めを早めることで暑い時間帯を回避することが出来ます。

公共交通機関を利用して登山をしている方はなかなか難しいですが、朝5〜6時くらいの早い時間帯から登り始めることをおすすめします。

朝5〜6時は夏で最も気温が低い時間帯です。

その時間に登り始めれば、蒸し暑くなる前に樹林帯を抜けることが出来ますし、コースタイム6時間の山であれば9時には山頂に着けるので、一番日差しが強い昼間の時間帯を避けることが出来ます。

コースタイムが短い低山でも、日差しが昇って暑くなり始める8時までには登り始められていると良いでしょう。

登山中の汗を抑える方法③ | 歩き方を改善する

汗をかきやすい人の特徴に、速いペースで歩いていたり大きな段差を思い切り身体を使って登っているなどが挙げられます。

こういう運動量の大きい歩き方をして登っていると、汗をかきやすいだけでなく疲れやすかったりします。

疲れない歩き方とも一緒になりますが、汗をかきにくい歩き方のコツは「小さく細かくゆっくり自分のペース」が基本です。

歩幅を小さくしたり大きい段差を避けながら登っていると、自然とゆっくりなペースで歩けるようになります。

ゆっくりなペースはご自身の体力によってそれぞれですが、息がハアハア切れない程度、おしゃべりしても呼吸が乱れない程度が目安になります。

どのくらいのペースが自分に合っているかを毎回の山行で試してみて、自分の汗をかかないペースを見つけてみましょう。

登山中の汗を抑える方法④ | レイヤリング(重ね着)を見直す

「暑いから半袖で登っているけど汗でびしょびしょ」という方は、普段街中で着るような機能性の乏しいTシャツだけで登っていませんか?

風は吹いていないけど寒いからといって防風性の高いアウターを着ていませんか?

環境にあったレイヤリングをしないと余計に汗をかいてしまいます。

登山のウェアは価格も高く買い揃えるのは大変ですし、自分・環境に合ったレイヤリングを見つけるのは、数年登山をしていてもなかなか難しいので、最初は覚えておくだけでも大丈夫です。

自分が持っている服で工夫したら出来るところや買い揃えられる方は、ぜひすぐに実践してみてください。

街中で着るTシャツで登ってしまっている方は、ミドルレイヤーやアウターに比べて安価なので汗処理機能の高い登山・スポーツ用のTシャツを購入することをおすすめします。

ここでは、夏山での一例を紹介します。

人によって体質も違うし、その日行く山によって気温・風の強さなどが全く違うので、絶対にこの格好で登れば良いというものではありません。

ぜひ参考までに頭の片隅に入れておき、これにプラスして自分の持っているウェアの機能を把握し良い組み合わせを探して、汗をかきにくい快適な登山をしてください。

⚫︎風もなく蒸し暑い時

Tシャツ(+アンダーウェア)

汗処理機能が高いTシャツ1枚でも良い。
その下にドライレイヤー(アンダーウェア)を着ると、吸水・撥水技術により汗を肌から離しドライにキープしてくれるので、不快感なく登山をすることが出来ます。

⚫︎樹林帯で風が無いけど、朝早くて肌寒い場合

Tシャツなどのベースレイヤー(+通気性の高いミドルレイヤー)

歩いているとすぐに温まるので半袖でも大丈夫だが、どうしても寒い場合は通気性の高いミドルレイヤーを着る。
Tシャツではなく、アンダーウェアとミドルレイヤーという組み合わせも○。

身体を動かすストレッチを登る前にしていくと温まって、ミドルレイヤーを脱ぎ着する手間も省け、怪我も予防出来るのでおすすめです。

⚫︎標高の高い稜線で風が吹いている場合(歩行・休憩時)

Tシャツ+(歩行時:薄手のミドルレイヤー)(休憩時:薄手のウィンドブレーカー)

暑がりの方は半袖でいても大丈夫ですが、そうでない方は標高が高く少し気温が低い場所だと、着替えるほどの汗をかいていなくても、風が吹くと時折ブルっとする寒さがあります。

そういう場合の歩行時は薄手のミドルレイヤー休憩時は薄手のウィンドブレーカーなどを羽織るのがおすすめです。

登山では時間や標高が少し変わるだけで気温が大きく変わってきます。

休憩のたびに「このレイヤリングで登り続けられるか」とチェックしてみてください。

どの場合でも暑がり・汗かきの方はTシャツ1枚でも大丈夫ですが、その下にドライレイヤー(アンダーウェア)を着ると、吸水・撥水技術により汗を肌から離し肌をドライにキープしてくれるので、不快感なく登山をすることが出来ておすすめです。

登山中の汗を抑える方法⑤ | 汗処理機能の高いアイテムを使う

汗は身体を守るはずの機能ですが、登山においては生命を脅かす危機にもなりかねません。

そのため各登山メーカーは、たくさんかいた汗を処理出来るウェアや、汗を出来るだけかかないようにするアイテムを多数展開しています。

これらをうまく取り入れて、快適で安全な登山をしましょう。

上半身下半身に分けてご紹介していきます。

①上半身

人間の身体で汗の量が多いのは胸や背中などの体幹部、そして最も汗をかくのは頭(額)です。

頭から流れ落ちる滝のような汗や、服を濡らす背中の汗など、上半身の汗に悩まされている登山者は多いでしょう。

汗をかきやすい方が見直すべき上半身の登山アイテムは、バックパック・アンダーウェア・帽子の3つになります。

バックパック

背中は面積が広くて、汗をかくと気になりやすい部位。

登山をしていて背中が汗でびしょびしょ、バックパックを下ろしたら大きな汗染みが出来ていた、なんて経験をしたことある人は少なくないはず。

背中が汗でびしょびしょの人は、原因の1つにバックパックが考えられます。

バックパックを背負うと背中を覆うため熱がこもり、他の部分よりも多く汗をかきます。

しかも背面が密着していれば、通気性が下がり汗が蒸発しにくく、蒸れてしまいます。

登山用のバックパックは主に…
:体を揺らしてもザックに振られないようにする背面パッドと背中が密着するタイプ
:通気性を良くするためにアーチを作り背面パッドと背中の間に空間を作っているタイプ
この2種類に分けられます。

よく背中に汗が溜まる方は、背中に空間が出来るタイプのバックパックを選んでみると良いでしょう。

安定性は密着するタイプに軍配が上がりますが、密着していないタイプでも安定性を捨てているわけではありません。

ショルダーベルトやヒップベルトに工夫を凝らし、フィット感を高めて安定感を生み出しつつ、背中に空間を作って快適な登山が出来るような製品が出ています。

deuter(ドイター)
Futura(フューチュラ)

出典:イワタニ・プリムス

登山のバックパックでは定番のドイツのリュックサックメーカーdeuter(ドイター)の人気シリーズ「Futura(フューチュラ)」。

バックパックの購入を検討する際に、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

このフューチュラには、ドイターが世界で初めて開発した「エアコンフォートシステム」を採用し、抜群の通気性をもたらす背面構造が取り入れられたバックパックになっています。

エアコンフォートシステムとは、背中部分にアーチ状の金属製ブリッジとメッシュパネルを配置し、バックパックの背面と体の間に空間を生み出す設計のこと。

身体に密着していないため汗が溜まりにくく、空気が横から抜けるので蒸れることもなく快適性抜群。

背面以外にも身体の密着するショルダーハーネスやヒップベルトにもメッシュパネルを使用し、厚みも抑えて通気性を最大限高める工夫をしています。

他にも、トレッキングポールホルダーやヒップベルトポケット、専用レインカバー付属など登山で必要な機能もたくさん備わり、使い勝手においても優秀です。

サイズ展開も21L(女性用)〜60+10Lと豊富で、ご自身の山行スタイルに合わせて選べるおすすめのバックパックです。

GREGORY(グレゴリー)
ZULU(ズール)

出典:Amazon

背負いやすさに定評があるGREGORY(グレゴリー)のバックパック「ZULU(ズール)」。

今ではほとんどのブランドで採用されている、ドイターの開発した背面メッシュパネルが使用されており、汗の溜まりやすい背中の通気性は言うまでもないです。

このバックパックの大きな特徴は、背面長の調節が可能で幅広い身長にアジャストでき、高いフィット感と快適な背負い心地を実現しているところ。

老舗メーカーが作り出す快適性と通気性に優れたバックパックは、暑いシーズンの登山をストレスなく行うのに打ってつけです。

アンダーウェア

汗は身体を守るために絶対にかいてしまうものです。

なるべく汗をかかないような工夫も必要ですが、かいた汗をどう処理して快適に登山をするのかも重要になってきます。

かいてしまった汗がまず触れるアンダーウェアを汗処理機能の高いものにすると、汗冷えするリスクも減り、快適性が変わってストレスなく登山をすることが出来ます。

このアンダーウェアは吸水・速乾性の高いTシャツなどのベースレイヤー、山シャツやフリースなどのミドルレイヤーと組み合わせて着ることで本来の性能を発揮することが出来るウェアです。

アンダーウェアを取り入れる際は、その上に着る服もチェックしておくとより良いでしょう。

finetrack(ファイントラック )
ドライレイヤー®ベーシック

出典:finetrack

肌をドライに保ち体温を守ってくれるfinetrack(ファイントラック )のメッシュのアンダーウエア「ドライレイヤー®ベーシック」。

finetrack独自の「撥水」技術によって、かいた汗を瞬時に肌から離して肌をドライにキープしてくれます。

抗菌防臭機能もあるため、かいた汗で不快にならないようにしたり、汗冷えを抑えてくれるのに優れたアイテムです。

伸びの良い柔らかなメッシュ生地でストレスフリーな軽い着心地がよく、暑い日の登山によく着ていきます。

次に紹介するミレーの「ドライナミックメッシュ ショートスリーブ」は着圧感強めなので、締め付けが苦手な方はこちらの製品をおすすめします。

特に暑がり・汗かきの方は、ノースリーブの「ドライレイヤー®クール」もおすすめ。

「ドライレイヤー®ベーシックT」との違いは袖丈だけではなく、ナイロン素材を採用しており肌が透ける極薄生地のため、着用時の冷涼感が特徴になっています。

MILLET(ミレー)
ドライナミックメッシュ ショートスリーブ

出典:MILLET

登山をやっていて知らない者はいないであろう、MILLET(ミレー)の「ドライナミックメッシュ ショートスリーブ」(通称“アミアミ”)。

多くの登山者が使っている定番のドライレイヤーで、私も愛用しています。

特徴的なニット状に編んだメッシュ生地が汗を吸水しつつ通気性を高め、汗を外へと発散してくれます。

最近では似たような構造・素材のドライレイヤーが出ていますが、他のドライレイヤーと大きく違うのは肌への密着・フィット感でしょうか。

ストレッチ性のある素材が使われており、フィットしたサイズを選ぶと少し加圧気味で肌へ密着し、しっかりと汗を吸い取ってくれます。

また、加圧により血行が良くなり冷えを軽減してくれます。(実際に着ていて少しぽかぽかする)

夏に使用するのも勿論良いですが、春秋の寒暖差が大きい時期の登山や、寒いからと上着を着て汗をかいてしまっている人にもおすすめです。

着圧感が気になる方は、試着できる登山用品店に行って試してみることをおすすめします。

帽子

夏の日差しが強い時期には頭を紫外線から守るため、帽子が必須アイテムになります。

しかし、頭部は特に汗をかきやすく、滝のように流れてくる汗が嫌になって帽子を外して登ってしまう方も多いのではないでしょうか?

思考・感情・全身への指令など様々な機能を司どる器官の「脳」を守るため、頭部(特に額)は全身の中で最も多くの汗をかきます。

大量の汗に加えて髪の毛によって起こる蒸れは、夏山の悩みのタネのひとつですね。

ここでは、頭部からの滝汗や蒸れにお困りの方におすすめな吸汗速乾性の高いものや、通気性の良い帽子をご紹介します。

※頭は特に汗をかきやすいので、今回紹介する帽子でも対応しきれない場合があります。
汗処理が追いついてなく「暑い」「蒸れる」と感じたら適宜帽子を外して、汗を拭いたり風を通してください。

finetrack(ファイントラック)
スカイトレイルブレスキャップ

出典:Amazon

国産アウトドアブランドfinetrack(ファイントラック)から出ているヘアバンドのようにかぶれるキャップ「スカイトレイルブレスキャップ」。

頭囲部(いちばん汗をかきやすい額〜後頭部周り)に肌をドライに保つためのドライレイヤー®クールと、汗を吸い上げるドラウト®タフの生地の2枚を重ね使いして、高い汗処理機能を持っています。

薄手生地で重量27gと超軽量で、軽い着用感と蒸れにくさを備えるキャップです。

つばの付け根に汗止め機構が備わっており、顔まで流れ落ちる汗をかいてしまう方には嬉しい不快な汗をカットしてくれます。

サイズはSMLがあり自分の頭に合わせて選べますが、サイズを調整するバックルは無く、ゴムで後頭部にフィットさせるタイプなので、風が強い日の稜線では飛ばされないように注意が必要です。

Columbia(コロンビア)
ボラボラブーニーII CU9107

出典:Amazon

アウトドアウェアブランドColumbia(コロンビア)のハット「ボラボラブーニーII」。

コロンビア独自の吸湿速乾機能「OMNI-WICK(オムニウィック)」を搭載し、優れた吸水・蒸発散効果を持つ素材を使った蒸し暑い夏に真価を発揮する帽子。

側面から後頭部にかけてあるメッシュと裏地にもメッシュが使われており、風をよく取り込んでくれるので通気性抜群です。

裏地のメッシュは吸汗速乾性に優れベタつきやムレを軽減してくれる、汗かきや暑いジメジメとした日におすすめです。

紹介したベージュカラーの他にブルーグレー(Metal)や薄オリーブ色(Safari)なども出ており、どちらも他ブランドの帽子には無い色合いなので、ファッションとして個性を出せる帽子になっています。

MILLET(ミレー)
登山用キャップ ベンチキャップ VENTI CAP メンズ

出典:Amazon

頭頂部をぱっくりと割るユニークなベンチレーションが付けられたMILLET(ミレー)のベンチキャップ

常に高い通気性を確保し、猛暑下の行動でも快適さを確保してくれます。もちろん、このベンチレーションはチャックで開閉できます。

柔らかい軽量ナイロン素材でかぶり心地もよく、つばを折り曲げればコンパクトに収納することが可能です。

②下半身

下半身で紹介するアイテムはズボン、パンツ靴下の3つになります。

登山では、夏でも長ズボンを履いて登る方が多いと思います。

特に登山初心者であれば、どの時期でも使いやすいようにと中厚手のズボンを買って、それをオールシーズン使い回しているかと思います。

登山の中厚手ズボンは耐久性が高くオールシーズン使えて、怪我や虫刺され、日焼けの予防にもなる優れものですが、夏には蒸れやすいというデメリットがあります。

汗をかき発散されずにズボン内に熱がこもると更に汗をかく、という悪循環が生まれます。

ですので、下半身に汗をかきやすいと困っている方はまずはズボンを見直してみることをおすすめします。

どうしても長ズボンが良いという方はベンチレーションが備わったアイテムを、こだわりが無ければショートパンツにすると通気性が高まり、熱がこもって蒸れるのを防ぎ快適に登山をすることが出来ます。

パンツ

夏場は街中を歩いているだけでも股間が蒸れてくる、汗に悩まされている方はいませんか?

股間が汗で蒸れると痒み、長時間歩く登山では股ずれなどが起きて歩行に支障がでる場合があります。

頭や背中の方が汗をかく量が多いのであまり気にならない人も多いかもしれませんが、注意しておきたい箇所です。

普段の生活でも股間が蒸れやすいという方は、パンツにもドライレイヤーを取り入れることをおすすめします。

MILLET(ミレー)
ドライナミックメッシュボクサー

出典:MILLET

先ほど肌着で紹介したアミアミのボクサーパンツ版。

厚めのメッシュ生地が、夏に蒸れやすい局部を快適に保ってくれます。

finetrack(ファイントラック)
スキンメッシュボクサー

出典:finetrack

finetrack(ファイントラック )の汗冷えや汗のベタつきを軽減するための肌着・ドライレイヤー®の定番シリーズのボクサーパンツです。

太ももの部分は汗抜けのいいメッシュゴムを使用し、股部分に肌触りの良い吸汗の裏あての付いたボクサーです。

前開きがありお手洗いもスムーズに行えます。

靴下

耐久性の高い厚い登山靴に厚手の靴下を履いて長時間歩く登山。

汗蒸れや雨などによって、登山靴の内部はどうしても濡れやすいものです。

生地が薄く軽量なトレランシューズだと比較的通気性がよくて蒸れて濡れにくいですが、登山靴に比べて安定性・サポート力に乏しいので、登山初心者にはおすすめしにくいです。

また、雨など外部からの水に弱いという点もおすすめしにくいポイントです。

ではどうすれば良いか。

解決策として普段の登山靴と厚手の靴下の下に、上半身や下半身と同じようにドライレイヤーを履くことが挙げられます。

ドライレイヤーの靴下を履くことで、肌から汗を離し快適さを確保してくれます。

finetrack(ファイントラック)
ドライレイヤー®インナーソックス

出典:finetrack

ここまでで2回登場しているfinetrack(ファイントラック)ドライレイヤー®シリーズの靴下

夏の暑い時期でも、厚めの靴下を履いて長時間歩く登山では汗をさほどかかない人でも蒸れます。

汗蒸れや冷え以外にも、靴ずれ・においといった皮膚の濡れからくる様々な足のトラブルを軽減してくれる優れたアイテムです。

※この製品だけだと靴の中で足が滑り靴ずれや怪我の原因になりえますので、この上から登山用の厚手の靴下を着用することをおすすめします。

おわりに

以上、登山で出来る汗対策まとめでした!

登山で汗はどうしてもかいてしまうものです。

汗とうまく付き合えないと不快で登山が楽しめないだけでなく、命の危険にも繋がります。

今回紹介した汗対策を1つずつ取り入れて、汗を出来るだけ抑えて快適で安全な登山を楽しんでください。

それでは、おしまい!

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