登山靴と同じくらい重要な登山用の靴下。足元を守り快適な登山をするためには欠かせないアイテムです。
しかし、様々なメーカーから多くの種類が販売されているため、どれが自分に合った靴下なのか分からない方も多いでしょう。
そこで、今回の記事では…
- 登山におすすめの靴下はどれ?
- 登山用靴下にはどんな素材や機能があるの?
- 多くの種類から自分に合った靴下を選ぶためのポイントは?
登山初心者の方や自分にぴったりの靴下を見つけたいと思っている方に向けて、厚さ別のおすすめランキング「各TOP3」を厳選してご紹介します。
その後、どの靴下が自分に合っているのかが分かるように特徴や選び方についても詳しく解説していきます。
どの靴下も甲乙つけ難いものであり、あくまで個人の主観に基づくランキングですが、ぜひ参考にしてみてください!
※この記事では、紹介する商品を「登山用靴下」としていますが、一般的には「アウトドアソックス」と呼ばれるものです。
【厚さ別】登山用靴下おすすめランキングTOP3!
※登山用靴下の厚さには「極厚手タイプ」もありますが、国内での必要性や雪山のみの使用と、用途が限定的なことを考慮して省略させていただきます。
※紹介している商品、およびサイズ・カラーはメンズのものとなります。一部、ユニセックスのものもありますが、ウィメンズ商品をお探しの方は公式サイトなどをご確認ください。
「薄手」登山用靴下おすすめTOP3
1位:icebreaker(アイスブレーカー)/メンズメリノハイク+ライトクルーソックス
メリノウール使用と細部まで考え抜かれた設計で履き心地抜群!
メンズメリノハイク+ライトクルーソックスは、軽量で高品質なメリノウールを使用した、耐久性と快適さを兼ね備える機能的な薄手ソックスです。
長時間のハイキングや運動量の多い登山、トレイルランニングをするのに最適な1足。縫い目のないシームレスなつま先や左右非対称の設計など、足にぴったりとフィットする解剖学に基づいたデザインで履き心地が抜群です。
また、甲部分がメッシュ生地で通気性も高く、汗蒸れや臭いの心配もありません。
項目 | 詳細 |
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素材 | メリノウール61%、ナイロン37%、LYCRA®2% |
サイズ | S (25~26.5cm)、M (27~28.5cm)、L (29~30.5cm) |
カラー | ブリザードヘザー、エンバー(新色)、ブラック、ローデン |
価格 | 3,300円(税込) |
2位:Smartwool(スマートウール)/ハイク ライトクッション クルー
足元から環境まで思いやる一足!
最新のテクノロジーで快適性と耐久性を実現したSmartwoolのハイクライトクッションクルーは、メリノウールに加えてリサイクルナイロンも使用しているため、環境にやさしいアイテム 。
つま先からかかとにかけての適度なクッション性と、甲のメッシュパターンで通気性を確保し快適に登山を楽しめる、3シーズンのトレッキングに最適な一足です。
靴を脱いだら見えるメッシュの特徴的なデザインも遊び心があって◎なポイント。
2位にはしていますが、履き心地や機能面も似通っているため同率1位です。
項目 | 詳細 |
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素材 | メリノウール56%、ナイロン11%、リサイクルナイロン31%、エラスタン2% |
サイズ | S(21-23.5cm)、M(24-26.5cm)、L(27-29.5cm) |
カラー | ディープネイビー、チャコール、ミリタリーオリーブフォッシル、アッシュチャコール、ミディアムグレー、アッシュ |
価格 | 3,080円(税込) |
3位:DARN TOUGH(ダーンタフ)/ライトハイカー マイクロクルー ライトウェイト クッション
安定の耐久性とバランスの取れた機能面が魅力的!
ライトハイカー マイクロクルー ライトウェイト クッションは、薄手でありながらダーンタフ社特有の耐久性を持ち、丈夫だが柔らかい履き心地が特徴の靴下。ハードに使ってもヨレナイ生地と「生涯保証」が嬉しいアイテムです。
足の甲のメッシュが湿気を逃がし蒸れにくくしたり、特徴的なループ状クッションが足裏に施されたクッション性など機能面も細部まで考えられており、薄手ながら日帰りから数日間の登山でパフォーマンスを落とさない、運動量の多いハイカー向けソックスです。
化繊の割合が高いためか、上記2商品より速乾性は高いように感じます。汗かきの人にもおすすめです。
項目 | 詳細 |
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素材 | ナイロン54%, 毛(メリノウール)43%, ポリウレタン3% |
サイズ | S(22.5-24.5)、M(24.5-27.0)、L(27.0-29.0) |
カラー | ネプチューン、ブラック、デニム、スペースグレー、トープ |
価格 | 3,740円(税込) |
「中厚手」登山用靴下おすすめTOP3
1位:DARN TOUGH(ダーンタフ)/ ハイカー マイクロクルー ミッドウェイト クッション
5年履いても破れない耐久性とオールシーズン快適な超万能な1足!
第1位は先ほど薄手3位で紹介した靴下と同ブランドの中厚手タイプの商品です。
ハイカー マイクロクルー ミッドウェイト クッションは先ほどの特徴と快適性はそのままに、厚みが増して耐久性と保温性が向上したため雪のない山であればオールシーズン使い倒せる、超万能な1足になっています。
登山だけでなく冬の日常生活でも使い、5年ほど履いていますが破れる気配のないタフな靴下。 7色展開とカラーも豊富なので、何種類も買っておきたいおすすめの中厚手靴下です。
甲のメッシュ構造は無くなり保温性も増しているため、運動量が多い人や暑がりな人だと少し汗をかくかもしれません。
項目 | 詳細 |
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素材 | 毛(メリノウール)61%、ナイロン36%、ポリウレタン3% |
サイズ | M(24.5cm-27.0cm)、L(27.0cm-29.0cm) |
カラー | デニム、ブラック、オートミール、オリーブ、チャコール、ダークティール、トープ |
価格 | 3,300円(税込) |
2位:FITS(フィッツ)/ミディアムハイカークルー
極細・高品質メリノウール70%使用で極上の履き心地!
18.5μmと高品質で極細繊維のメリノウールをソックスに採用し抜群の肌触りのよさを実現したFITSのミディアムハイカークルー。
メリノウールの割合は70%と高く、裏地を全てパイル編みにすることで非常に柔らかい履き心地とクッション性に優れた靴下です。また、足に沿った立体的な織り方でさらにフィット感を追求しています。
カラーも15色展開と人気度の高いソックスです。
そのぶん価格は他の靴下に比べて高めなのと、洗濯には少し注意が必要です。
また、運動時にモフモフ感のある素材でかゆくなる(違和感を覚える)人は苦手な肌触かもしれません。
項目 | 詳細 |
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素材 | メリノウール70%、ナイロン22%、ポリエステル6%、ライクラスバンデックス2% |
サイズ | S(22-23.5㎝)、M(24-26㎝)、L(26.5-28.5㎝) |
カラー | チャコール、ライトグレー、タイガーリリー、エッグプラント2、ストーミーウェザーカドミウムオレンジ、フィンチ、ジュノー、ツーソン、レッド、コールネイビー、ブラウン、ストーン、ブラック、エッグプラント |
価格 | 3,740円(税込) |
3位:Smartwool(スマートウール)/ハイクフルクッションクルーソックス
メッシュゾーンを設置した汗抜けの良い中厚手靴下!
アクティブな動きにも対応するフィット感と快適性を重視し、スマートウールの技術を駆使したハイクフルクッションクルーソックスは3シーズン登山やハイカット登山靴に最適。
甲部分には運動時のズレを防ぐX印エラスチックバンドを配置し、通気性を向上させるメッシュゾーンが快適な歩行をサポートしてくれます。メリノウールと化繊の割合も五分なため、汗かきの人でも快適に使える中厚手タイプです。
全体的にクッション性はありますが、負担の大きいつま先とかかとを厚めに作り、しっかり保護してくれます。
項目 | 詳細 |
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素材 | メリノウール56%、ナイロン11%、リサイクルナイロン31%、ポリウレタン2% |
サイズ | M(24-26.5cm)、L(27-29.5cm) |
カラー | チェスナット、ライトグレー、ブラック、トゥプ |
価格 | 3,300円(税込) |
「厚手」登山用靴下おすすめTOP3
1位:FITS(フィッツ)/ヘビーエクスペディションブーツ
履く毛布、ふかふかパイル織りで寒さ知らず!
FITSのヘビーエクスペディションブーツは、先ほど紹介した同ブランドの商品よりも太いメリノウールを使用し、耐久性を高めた厚手の靴下。
裏地全体の高さのあるパイル織りと立体構造によるフィット感は変わらず、ふんだんに使用したメリノウールの肌触りは毛布や高級なタオルのよう。高い保温性とクッション性が持ち味で、ソールがハードな登山靴と相性抜群です。
極厚手と言ってもいい程の保温力があるため、夏場の縦走登山、さらには冬山でも暑いことも。厳冬期の寒い時期におすすめの靴下です。
登山だけでなく、冬のルームソックスとしてもおすすめの1足です。
項目 | 詳細 |
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素材 | メリノウール74%、ナイロン13%、アクリル8% ポリエステル3%、ライクラスバンデックス2% |
サイズ | S(22-23.5㎝)、M(24-26㎝)、L(26.5-28.5㎝) |
カラー | ブラック、ネイビー、ライトブラウン、コール、スリーズ ミネラルブルー、ソリッドコヨーテ |
価格 | 3,520円(税込) |
2位:icebreaker(アイスブレーカー)/メンズメリノハイク+ヘビークルーソックス
細部の設計が光る高機能厚手ソックス!
足の疲労を軽減し、登山靴の性能を最大限に引き出すために設計されたicebreakerの高機能厚手ソックス「メンズハイク+ヘビークルーソックス」。
メリノウールを主体にナイロンとライクラを混紡した生地は、摩耗に強く伸縮性があり、快適性と耐久性を高めた素材になっています。
左右非対称のデザインと部位ごとに素材や織り方を変える細やかな設計がポイントで、土踏まずや指先をピタリとサポート。汗をかいても蒸れにくく、長時間の使用でも臭いにくいのが特徴です。
冬山だけでなく、テントや小屋などの宿泊登山にもおすすめの厚手タイプ靴下になっています。
甲部分、足首のだぶつきが少々気になることがイマイチな点と、今回紹介する商品の中で唯一4,000円オーバーの靴下というのが少々手を出しにくいところではあります。
項目 | 詳細 |
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素材 | メリノウール66%、ナイロン32%、LYCRA®2% |
サイズ | ドーン、ブリザードヘザー |
カラー | S (25~26.5cm)、M (27~28.5cm)、L (29~30.5cm) |
価格 | 4,400円(税込) |
3位:Smartwool(スマートウール)/ハイククラシックエディションエクストラクッションクルーソックス
足元全体を包むサポート力!
今回、どの厚さにもランクインしているSmartwoolの中で最も厚手で、同ブランドの中でも2番目に厚いクッションを使用しているハイククラシック エクストラクッション クルー。
足全体を覆う厚めのクッションは足裏だけでなく足首やふくらはぎまでしっかりサポートしてくれます。厚手のクッションではありますが蒸れることは少なく、高山の縦走時や春秋の寒い時期にも使えます。
もちろん、リサイクルナイロンを使用しており環境にも配慮している点は、自然で遊ぶ我々登山者にとって嬉しいポイントです。
項目 | 詳細 |
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素材 | メリノウール56%、ナイロン11%、リサイクルナイロン31%、エラスタン2% |
サイズ | S(21-23.5cm)、M(24-26.5cm)、L(27-29.5cm) |
カラー | ネイビー、トープ、ミディアムグレー、ブラック、ピカンテ |
価格 | 3,080円(税込) |
番外編:さらに快適!?インナーソックスを重ね履きしよう!
ランキングからは逸れた話題ですが、機能性の高い登山用靴下を履いているにも関わらず、靴下の濡れやムレで悩んでいる方はいませんか?
そんな方には靴下のさらに下に履くインナーソックスがおすすめです。
登山用靴下の下に重ねて履くインナーアイテムで、靴下にレイヤリング(重ね着)の考えを取り入れた製品です。
finetrack(ファイントラック)から販売されているこのインナーソックスは撥水性を備えており肌表面に汗を残さず、ベースの靴下が濡れた状態でもドライで快適な肌環境を提供してくれます。
濡れやムレを抑え靴擦れのリスクを軽減してくれるため、足の汗に悩む人だけでなく、テント泊や縦走など長時間の登山をする人、雪山登山に重宝するアイテムです。
登山用靴下の種類はこんなにあった!5つの特徴を押さえておこう
ここまで登山用靴下のおすすめランキングを紹介してきましたが、そのランキングでは登山用靴下の最大の特徴とも言える「厚さ」に着目して選出しました。
しかし、登山用の靴下の特徴は「厚さ」だけではありません。
登山を快適で安全に行うために不可決な役割を持つ靴下には厚さに加えて4つのポイントがあります。
ここからは選び方のコツとなる5つの特徴を深掘りしていきます。
ランキングだけでは不安だという登山初心者の方、自分に合った1足を見つけたい方もぜひ参考にしてみてください。
①厚さ
登山用靴下の最大の特徴はその「厚さ」にあります。初めて見る人はその厚みに驚かれることでしょう。
「登山用靴下はなぜ厚手なの?」という疑問を持つ人も多いようですが、厚手の理由は足への衝撃や負担を軽減するクッションの役割と、寒い環境でも対応できる保温性を確保するためです。
その保温性とクッション性を高めるために、登山用の靴下ではパイル織りという特殊な編み方が採用されています。
この織り方は、二つの異なる糸を交互に織り込みループや毛羽立ちを生じさせ、生地に厚みを出します。これにより、生地の吸水性、クッション性、保温性が向上します。
パイル織りは吸水性を必要とするタオルや冬用のセーター、ソックスなどに見られますが、登山用靴下ではクッション性が求められるため、よく裏地にこの技術が用いられています。
パイルが厚いほどクッション性は増し、足にかかる衝撃や負担を減らして快適な歩行をサポートしてくれます。
しかし、最近ではトレイルランニングシューズやアプローチシューズを使用して登山する人も増え、パイル織りを部分的にのみ採用した薄手の靴下も多く市場に出回るようになりました。
これにより、どの厚さの靴下を選ぶべきか迷うことが多くなったように思います。
登山用靴下の厚さには、「薄手」「中厚手」「厚手」「極厚手」の4種類があります。
靴下を選ぶ際は登山のスタイルや季節によって選ぶと良いでしょう。
- 薄手:ローカットシューズを履いた暖かい時期の登山
- 中厚手:無雪期の3シーズン
- 厚手:テント泊登山、縦走登山、無雪の冬山に最適
- 極厚手:冬山登山靴、スキーブーツなど雪山登山用
薄手の登山用靴下は通気性と速乾性に優れた商品が多く、汗をかきやすい夏の登山や運動量の多い人、春秋の暖かい時期に活躍します。
薄手靴下は主にクッション性の高いトレイルランニングシューズやアプローチシューズなどのローカットシューズと合わせて履くことを考えて作られています。そのため、足裏のクッション性が乏しい商品も多く、ソールの硬い登山靴だと足裏が痛かったり疲れやすくなります。
また、登山靴を購入する際に厚手の靴下で合わせた場合、薄手の靴下を履くと隙間が空いてしまい靴擦れの原因になってしまいますので、登山靴と合わせる際は注意しましょう。
※ミドル・ハイカット、ソールの硬い登山靴に薄手を合わせるのはおすすめしません。
中厚手の靴下はクッション性と通気性のバランスがよく、年間を通して役立ちます。登山を始めたばかりの人や日帰り登山がメインの人は中厚手の靴下が便利です。
ただし、中厚手と言っても種類が豊富で、クッションや編み方によって厚みが変わってきます。登山靴と合うかどうかチェックしてから購入することをおすすめします。
夏のテント泊や長距離の縦走登山では、より高いクッション性を持つ中厚手タイプや厚手の靴下が足の負担を軽減してくれるのでおすすめです。北アルプスの岩稜帯や雪のない冬山でも、厚手の靴は活躍してくれます。
通常、極厚手の靴下は厳冬期の雪山やバックカントリーでの使用になります。
ただし、海外の極厚手靴下は氷点下20度ほどの気温に耐えうる仕様になっていたりするので、雪山でも低山だったり運動量が多い場合はかなり暑くなることが考えられます。
②長さ
登山用靴下の長さは、主に「アンクル丈」「クルー丈」「ハイソックス」の3種類に分類されます。細かく見れば5、6種類に分けられますが、3つだけ覚えておけば十分です
登山靴と靴下の長さが合っていないと靴の縁で靴擦れを起こすことがあるため、靴下の長さは登山靴の高さに合わせて選ぶと良いでしょう。
アンクル丈は、くるぶし(足首)までの長さの靴下で比較的薄手で速乾性が高いものが多く、蒸れを抑えたい人に適しています。ローカットのトレイルランニングシューズやアプローチシューズとの組み合わせが一般的です。
最近では、「ノーショーソックス」と呼ばれる、くるぶしにも届かないほど短い丈の靴下も登場しています。
クルー丈はふくらはぎまでの長さで、販売されている登山用靴下の中で最も一般的な長さです。
登山用靴下の多くは海外メーカーによって販売されており、クルー丈の靴下には商品名に「CREW」という英語表記がしばしば用いられます。
ミドルカットまたはハイカットの登山靴を使用する場合はクルー丈の靴下が適しています。
また、先にアンクル丈の靴下について紹介しましたが、暑い時期にショートパンツとローカットシューズを履いて登山をする際は、突き出た枝や藪で足を怪我するリスクがあります。
そのため、ローカットシューズを選んだ場合でも怪我を防ぐために、なるべくクルー丈の靴下を選ぶことが好ましいでしょう。
ハイソックスは膝下までの長さがあり保温性が高いものが多いため、雪山登山に主に使用されます。
厳冬期の登山靴やスキーブーツには、ハイソックスが推奨されます。
③素材
登山用靴下には主にウールと化学繊維(ナイロンやポリエステル)を使用しており、現在販売されている靴下の多くはこれらの両方を混紡したものです。
ウールは保温性と吸水性に、化繊は速乾性と耐久性に優れていて、それらを混紡した靴下はどれも機能的で快適性の高いものなので、選ぶ際に素材を過度に心配する必要はありません。
ただし、化繊の割合が高いと吸湿性が低下し、汗蒸れが発生しやすくなります。
汗蒸れは不快なだけでなく靴擦れの原因にもなりますので、汗かきの人や夏場に使用する靴下はウールの割合が50%以上のものを選ぶことをおすすめします。
汗蒸れが気になる人は先ほど紹介したインナーソックスを履くのも一つの手です。
登山用靴下の購入時には「メリノウール」という素材を多く目にすると思います。
メリノウールとはメリノ種の羊の毛で、羊毛の中で最も高品質だとされています。
ウールには「チクチクする」という印象がありますが、メリノウールは非常に快適な着心地でウールのイメージを覆してくれる肌触りが特徴です。
また、高い保温性と吸湿性も備えているため秋冬の登山ウェアに多く使用されていますが、抗菌性と防臭性も高く、靴下では厚さに関係なくほとんどの商品で使用されています。
そのため、「メリノウールを使用しているからといって、寒い時期専用の靴下とは限らない」という点を覚えておくと買う際に迷わずに済むでしょう。
mont-bellからは珍しいゴアテックス素材の靴下も販売されています。雨の日や渡渉の多い登山で役立つかもしれませね。
④形状
靴下の形状は主に「ラウンド(先丸)型」と「5本指ソックス」の2種類に分かれます。少し珍しいものだと足袋型ソックス(親指だけが分かれているもの)も存在します。
ラウンド(先丸)型は一般的な登山用靴下で、様々なサイズや色の商品が販売されています。そのため、自分の好みに合ったものを見つけやすいでしょう。
5本指ソックスは足の各指が個別に分かれている形状で、自由に指を動かせるので素足に近い感覚で地面を捉えられ、踏ん張りが効きやすいといった点から特にトレイルランニングや岩場の歩行に適しています。
指の間隔が広がることで蒸れにくく、汗蒸れや臭いを防ぐ効果もあります。
しかし、指先が広がることで指の側面が靴に当たる可能性も考えられるので、購入時は指が当たらないか確認しておきましょう。
⑤機能性
登山用靴下は、素材や編み方によって防臭、速乾、吸汗、クッション性などのさまざまな機能を備えています。
これらの機能だけでも登山を快適にしてくれますが、足の疲れをさらに軽減するアーチサポートや着圧ソックスなどの機能を持つ靴下も存在します。
アーチサポート
人間の足の裏には「土踏まず」というアーチ状の構造があり、体のバランスを保ち、着地時の衝撃を和らげる重要な役割を果たします。
しかし、筋肉の疲労によって土踏まずが凝り固まると、アーチの機能が低下して膝や腰への負担が増します。特に扁平足の人はアーチが欠如しており、常にこの状態にあります。
アーチサポート機能を備えた靴下は、このアーチ部分をサポートし体への負担を軽減します。
イラストには載せていないですが、ハイアーチの人にもこのアーチサポートは効果的です。
多くはmont-bell(モンベル)、YAMAtune(ヤマチューン)、OLENO(オレノ)などの日本ブランドから、アーチサポート機能を備えた製品が発売されています。
テント泊や縦走時の靴下選びや、扁平足による足の疲れが気になる人は選択肢として覚えておくと良いでしょう。
着圧ソックス
着圧ソックスは、ふくらはぎに適度な圧力をかけることで血液やリンパの流れを促進し、足のむくみや冷えの予防、疲労の軽減が期待できます。筋肉のブレを抑制し、パフォーマンスの向上にも繋がります。
アメリカのSockwell(ソックウェル)からアウトドア用の着圧ソックスが販売されていますが、登山用靴下市場ではまだ一般的ではありません。(需要がないとも考えられますね)
そのため、「着圧機能を持つ靴下もある」という程度の認識で良いでしょう。足のむくみや冷え、疲労を軽減したい人は靴下よりもタイツの着用をおすすめします。
結局、どんな登山用靴下を選べばいいの!?
登山用靴下の特徴について解説してきましたが、上記で挙げた特徴1つだけを着目しても、おそらく自分にあった靴下を選ぶことは出来ないでしょう。
選ぶポイントとしては上述した特徴を全体的に考慮しながら、自分の登山スタイルや登山靴にあった靴下を選ぶことが大切です。
以下に大まかな登山スタイル・登山靴別に合わせる靴下の特徴をまとめておきましたので、参考にしてみてください。
ミドル〜ハイカットの登山靴
- 厚さ:中厚手
- 長さ:クルー丈
- 素材:ウールと化学繊維の割合が同じ、バランスの取れたタイプ
- アイテム例:DARN TOUGH(ダーンタフ)/ハイカー マイクロクルー ミッドウェイト クッション
トレランシューズ・アプローチシューズ
- 厚さ:薄手
- 長さ:アンクル丈orクルー丈
- 素材:化学繊維の割合が多い速乾性のあるタイプ
- アイテム例:icebreaker(アイスブレーカー)/メンズメリノハイク+ライトクルーソックス
ハイカットの登山靴
- 厚さ:中厚手〜厚手
- 長さ:クルー丈
- 素材:メリノウールの割合が高めのタイプ
- 機能:抗菌・防臭、(アーチサポート)
- アイテム例:Smartwool(スマートウール)/ハイククラシックエディションエクストラクッションクルーソックス
- 厚さ:厚手〜極厚手
- 長さ:ハイソックス
- 素材:メリノウールの割合が高めのタイプ
- アイテム例:FITS(フィッツ)/ヘビーエクスペディションブーツ
※あくまで参考程度にご覧ください。登山靴のフィット感によって選べる靴下の厚さが変わったりします。
登山用靴下のサイズはどう選ぶ?
登山靴ではしっかり正確に足のサイズを測ってから決めるかと思いますが、靴下はそこまで慎重にならず、普段履いているサイズを選べば大丈夫です。
しかし、足にフィットするか、登山靴との相性(キツくないか)が合っているかどうかは確認することをおすすめします。
人気のアウトドアソックスメーカーをピックアップ!
メーカーによって使っている素材や作りの違い、デザインの個性もバラバラです。
登山用の靴下選びに迷った時は、お気に入りのメーカーやおしゃれなデザインを作っているブランドから探してみるのも1つの手かもしれません。
ここでは、日本で人気度の高い登山用靴下を製造・販売しているメーカーを紹介します!
Smartwool(スマートウール)
持続可能な素材にこだわり、高品質のメリノウールを使用したアウトドアソックス・アンダーウェアを製造するアメリカのメーカー「Smartwool(スマートウール)」
メリノウールの優れた調湿機能とクッション性に最新技術を融合させた靴下は、快適な着心地と高い機能性が特徴です。豊富なカラーバリエーションで個性を演出してくれる、おしゃれなハイカーには必見のメーカーです。
DARN TOUGH VERMONT (ダーンタフバーモント)
DARN TOUGH VERMONT(ダーンタフバーモント)は最高の耐久性と快適性を追求し続けるアウトドアソックスメーカーです。アウトドア界では「ダーンタフ」としてその名が知られています。
特筆すべきは、ソックス業界で類を見ない「生涯保証」。通常の使用で穴が空いた場合は無償で新しい靴下と交換してもらえるのが魅力的です。
革新的な技術と高性能素材により長時間の使用に耐え、履き倒しても破れることのないサステナビリティな靴下を実現。メリノウールの割合が高めな混紡ソックスは、高いクッション性と快適性も兼ね備えており登山をサポートしてくれます。
FITS(フィッツ)
最もフィットし、最も快適なソックスを作ることを理念とした100年以上の歴史があるソックスメーカーの「FITS(フィッツ)」。
家族経営の工場で一般的なソックスの1.5倍〜2倍もの時間と手間をかけて作り、量より品質を重視したアウトドアソックスは、履き心地と肌触りはトップクラスです。
icebreaker(アイスブレーカー)
icebreaker(アイスブレイカー)は、ニュージーランド産のメリノウールが持つ特徴を存分に活かしたアウトドアウェアブランド。
「サステナビリティが」根底にあるモノづくりで、環境にも肌にも配慮された製品を販売しています。
使用されているメリノウールは、太さ17から19ミクロンという世界最高品質のスーパーミクロファイバーでソフトな肌触りが特徴。靴下の種類は各厚さ1種類ずつほどと多くはありませんが、ユニークなカラーが揃っています。
YAMAtune(ヤマチューン)
北海道のほぼ中央に位置する東川町で、人と自然が調和した製品づくりを目指すソックスブランド「YAMAtune(ヤマチューン)」は、アウトドアアクティビティだけでなく普段の暮らし、人の営みそのものを支える製品づくりを目指し、ライフスタイルソックスも手がけている。
メリノウールと化学繊維をバランスよく混紡した靴下は快適性抜群で、部分によって異なる編み方を採用した設計は、しっかりと足元をサポートし疲労を軽減してくれます。
不整地やアップダウンの多い地形で高いグリップ力を発揮してくれる足袋型のソックスも販売しています。
mont-bell(モンベル)
言わずと知れた日本のアウトドアブランド「mont-bell(モンベル)」は、メリノウールをメインとした靴下以外にも、耐久性と吸汗性・速乾性を併せ持つmont-bell独自の高機能素材ウイックロン®を使用したソックスなど、登山用靴下も幅広く展開しています。
他のメーカーが販売する靴下は3,000円以上するものがほとんどですが、mont-bellはどれも2,000円程度とお手頃価格です。
以上で挙げたブランドの他にもinjinji(インジンジ)やbridgedale(ブリッジデイル)、THERM-IC(サーミック)などさまざまなメーカーから登山用の靴下が販売されています。
それほど、登山において靴下は重要なアイテムだと言うことが分かりますね!
登山用靴下のよくある質問にお答え!
最後に、登山用靴下に関するよくある質問をお答えしていきます。
登山用品は快適性を高めるだけでなく、命を守る役割もあったりと気を使わないといけないアイテムばかり。靴下もその一つですので、アイテムについてしっかりと理解を深め、登山を安全に楽しんでいけるようにしましょう。
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