夏は日焼けが気になる季節。
半袖で登ることも多い夏の登山ですが、そこで活躍するのがアームカバーです。
日焼け対策として日常でも使っている人もいるかもしれませんが、登山で使うアームカバーは少し違います。
- 登山でアームカバーをするメリット
- 登山用アームカバーの選び方
- おすすめの登山用アームカバー
この記事を読めば、登山でするアームカバーの選び方やおすすめのアームカバーについて分かります。
詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
登山でアームカバーをするメリット
アームカバーをする一番のメリットは「素肌を隠すことで日焼け対策になる」ことです。
登山では標高があがるにつれて太陽が近くなり、日焼けするリスクが高まります。
紫外線から肌を守るためにも日焼け対策は必須になります。
その他にも、登山でアームカバーをすることにはたくさんのメリットがあります。
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
①腕の日焼けを防ぐ
先ほども言いましたが、アームカバーをする一番のメリットは腕の日焼けを防ぐことです。
夏の登山は半袖で登る人も多いと思いますが、気になるのは肌の露出。
山の紫外線は平地に比べて強く、標高が1000m上昇するごとに10%〜12%も増加すると環境省から報告されています。登山では紫外線対策が必須だということがわかりますね。
対策として日焼け止めを塗っている人も多いかと思いますが、肌を露出していたら日焼けのリスクは下がりません。また、日焼け止めは汗で流れてしまうと効果が落ちてしまいます。
そこで活躍するのがアームカバーです。
アームカバーをすることで肌の露出を防いで日焼けから身を守ってくれます。
ほかにも、吸湿速乾性や接触冷感といった機能を持った素材は夏の暑さを和らげてくれる効果も期待できます。
日焼けは体へのストレスでもあるので、アームカバーで紫外線を防ぐことは結果として体力の消耗を軽減することにも繋がります。
②虫刺されから身を守る
アームカバーで肌の露出を減らすことで虫刺されから身を守ることも出来ます。
自然豊かな山では虫との遭遇は避けられません。とくに、登山ではマダニやスズメバチなどの「毒虫」の存在が目立ちます。
アームカバーで肌の露出を抑えることで虫刺されを予防したり、汗に好んでよってくる虫も寄り付きにくくなります。
なかには防虫効果のあるアームカバーも販売されています。アームカバーで虫刺されも防ぎたいという方は、防虫効果のある商品を選んでみても良いでしょう。
※アームカバーは生地が薄いため、スズメバチやアブなどの虫刺されは防げないこともあります。虫除けスプレーなどと併用して使うと、さらに高い虫除け効果が期待できます。
③腕の疲労を軽減してくれる
アームカバーでもスポーツタイプの商品にはサポートタイツのような着圧設計になっている商品もあります。
着圧効果のあるものは、筋肉を締め付けムダな動きを抑えて腕の疲労を軽減してくれます。
加圧されることで血の巡りが良くなり、老廃物が流れることで結果的に疲れにくくなるというのも考えられますね。
夏でも標高が高いところは気温が低く、手先が冷たくなる人もいるかと思います。
血行が促進されることで冷え予防にもなるので、そういう方にもアームカバーはおすすめです。
④すり傷、切り傷などの小さな傷から身を守る
素肌を出して登山をしていると、登山道に飛び出した岩や枝によって気付かないうちにすり傷や切り傷を作ってしまうことも。
アームカバーを身につけておけば、そういった小さな怪我から身を守ってくれます。
ただし、鋭い枝や強く擦った時などはアームカバーが破れたり、怪我を負うことも考えられますので注意しましょう。
アームカバーの種類と選ぶポイント
ここまでは登山でアームカバーをするメリットについて紹介してきました。
では、どんなアームカバーを買ってもいいのかというと、そうではありません。
登山で使うアームカバーを選ぶときのポイントは以下の3つです。
- 腕にフィットするサイズのスポーツタイプ
- UPF、UVカット率が高いもの
- 吸湿速乾性・通気性の高いもの
とりあえずこの3点は抑えておきましょう。
あとは、着圧効果があるものや防虫効果など、自分が重視したいポイントやデザインの好みで選ぶと良いでしょう。
どういった種類や機能のアームカバーがあるのか、もう少し詳しく解説していきます。
アームカバーの種類
アームカバーには日常用とスポーツ用の2種類があります。
登山ではスポーツ用を選ぶと良いでしょう。
日常用は柔らかい素材のものが多く、ゆったりとした着け心地が特徴です。とくに女性が身につけるようなデザインのものが多く販売されています。
もちろん登山でも着ていくことは可能ですが、生地のたるみが邪魔でどこかに引っ掛けてしまったり、上からウェアを羽織るときに干渉することが考えられ何かと面倒です。
その点、スポーツ用はストレッチ性とフィット感が高いものが多く、岩稜帯や鎖場を歩くときなど腕を激しく使う場面でも対応できるのがポイントです。
また、先ほどメリットで挙げた防虫効果や吸湿速乾性などの素材を使ったものも、このスポーツタイプから多く販売されています。
登山では男性も紫外線対策が必須ですが、スポーツタイプならデザインもシンプルで男女兼用のものも多く出ているので、男性でも使いやすいです。
登山で使うものはスポーツタイプのアームカバーにすると良いでしょう。
購入の際は長さもチェックしよう!
アームカバーには手首までのショートタイプと、サムホール付きの手の甲まで長さがあるロングタイプの2種類があります。
ショートタイプは、岩稜帯や鎖場を歩くなど手先を使う登山をすることが多い人におすすめです。
ロングタイプだと動かしづらかったり、手のひらまで生地があるため感覚が変わって滑りやすくなったりと、少し不便です。
ショートタイプであれば手を自由に動かすことが出来ます。手の甲の日焼けが気になる時は手袋をするなど柔軟に対応すると良いでしょう。
ただし、手袋をする際はアームカバーと隙間ができないようにしましょう。手首に縞模様が出来てしまいます。
一方、ロングタイプのアームカバーはそれひとつで腕から手先まで日焼けを防いでくれます。
手袋をするのが苦手な人や、スマホを触るのにいちいち手袋を取るのが面倒だという方にはおすすめです。
機能面で見るアームカバー
登山では平地より紫外線が強かったり、たくさん汗をかくことが考えられるので、出来るだけ機能性の高いアームカバーを選ぶと良いでしょう。
UVカット機能
「素肌を隠す」という点で紫外線対策になっているアームカバーですが、UV(紫外線)カット効果が高い素材であれば日焼けをする心配がなくなります。
アームカバーを購入する際は、「UPF」や「UVカット率」といった数字に着目してみましょう。
UPF40〜UPF50(もしくは50+)と表記されたものであれば、UVカット率は90%以上と高いUVカット効果が期待できます。商品を選ぶ際の目安にすると良いでしょう。
また、UVカット効果が高い色は黒や暗い色になります。アームカバーに高いUVカット効果を求めるのであれば、色も判断材料にしてみてください。
ただし、黒や暗い色は太陽の熱エネルギーを吸収して暑くなりやすいので注意が必要です。
吸湿速乾性・通気性
吸湿速乾性とは汗を素早く吸収して乾かし、肌をドライで快適に保ってくれる機能のことです。
せっかく半袖で涼しくしているのに、アームカバーで蒸れて暑くなってしまっては台無しですよね。吸湿速乾性のある素材は汗による蒸れをなくして快適に着続けられます。
また、吸湿速乾素材でなくてもメッシュ生地のものであれば、通気性がよく蒸れにくくしてくれます。
登山で使うアームカバーは吸湿速乾性か通気性が高い商品を選ぶと良いでしょう。
接触冷感素材
接触冷感とは簡単に言えば、触るとひんやりと感じる生地のこと。その素材を触った際に肌の熱が生地に移動(熱を奪ってくれる)ことで冷たさを感じる、という仕組みです。
登山で使うアームカバーで必須の機能ではないですが、暑がりの方や夏場に平地でもアームカバーを使う人はあってもいい機能かもしれません。
ただし、高所に行くと熱を奪われすぎて手が冷えてしまうことも考えられるので注意が必要です。
着圧性能
登山をするとなぜか腕が筋肉痛になる人、むくんでしまうという人は着圧性能が高いアームカバーを選ぶことでその問題を解決できるかもしれません。
また、岩場や鎖場など手を使う場面が多い登山をよくする人も着圧性能を選ぶポイントにしてみるのも良いでしょう。
着圧性能があるアームカバーの多くは、これまで多くのアスリートを支え続け、登山でも浸透しつつあるGoldwinのブランド「C3fit」から出ています。
防虫効果
アームカバーをしていれば素肌を隠すため、虫刺されをある程度防ぐことが出来ます。
しかし、住処に入ってしまったり活動が活発な時期にはスズメバチやアブ、さらには蚊やブユといった小さな虫まで生地を貫通して刺してきます。
商品紹介でも説明しますが、防虫効果のある生地には防虫剤が接着してあり、虫が止まったとしても成分を感知して刺すことなく逃げていきます。
蚊やブユなどはアームカバーの生地の薄さであれば刺してきます。防虫効果のある生地であれば、それらの虫が多い山や時期では大活躍してくれるでしょう。
登山での虫刺されが不安な人は、防虫効果のある商品を選んでみてはいかがでしょうか。
防虫効果のあるアームカバーの詳細はこちら。
滑り止め
意外とあると嬉しい機能が「滑り止め」です。
登山ではよく体を動かしたり汗をかくため、アームカバーがずり落ちてきてしまうことがあります。
身体にフィットしたものを選ぶことが大前提ですが、ずり落ちる煩わしさが心配な方は滑り止めがついたアームカバーを選んでみるのも良いでしょう。
アームカバーをするときの注意点
アームカバーを着ける上で注意しておきたい点が2つあります。
日差しを防げない部分がある
服の袖丈が短い場合、袖口とアームカバーの間に隙間が開き、そこだけ日焼け跡が出来てしまいますので注意しましょう。(腕が縞模様に…)
それを防ぐために、袖丈が短すぎない半袖を選んだり、袖の中までしっかりとアームカバーを上げてつけるように意識すると良いでしょう。
どうしても肌が出てしまう場合は、その箇所はこまめに日焼け止めを塗るなどの対策を取ると良いでしょう。
また、手首や手の甲も同じです。日焼け跡が気になる人は、着けた際に肌が露出する部分がないかチェックしておきましょう。
紫外線カットは完璧ではない
上記のように、アームカバーをしていても肌が露出してしまう可能性もあります。サイズがぴったりだったとしても、よく動く登山では仕方のないことでもあります。
また、太陽の紫外線は強く、いくら肌を隠しているからといって紫外線を完全には防ぎきれません。UVカット率90%以上のものでも微量ながら紫外線の影響はあります。
絶対に日焼けはしたくないという方は、アームカバーをする前に日焼け止めを塗っておくと良いでしょう。
登山用アームカバーおすすめ6選
ここからは、登山におすすめのアームカバー6選を紹介していきます!
今回紹介するのは以上の6アイテムです。
どの商品も選ぶポイントで説明した機能が備わった、機能性が高く登山で使いやすいアームカバーになっています。
それぞれのアームカバーについて詳しく紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください!
CW-X
アームカバーHUO601(ユニセックス)
商品名 | アームカバーHUO601 |
素材 | ポリエステル90%、ポリウレタン10% |
カラー | ブラック、ホワイト |
サイズ(上腕最大囲) | S(24~26cm)/M(26~29cm) |
UVカット率 | 90%以上 |
機能性 | 吸汗速乾、抗菌防臭、滑り止め、ストレッチ性 |
価格 | ¥2,530(税込) |
こちらはコンディショニングウェアブランド「CW-X」から出ているアームカバーです。
この商品の注目すべき点は登山にうれしい機能が盛り込まれたアームカバーになっていること。
まず、紫外線カット率は90%以上のため日焼けの心配はしなくても大丈夫。
そして、吸汗速乾性に抗菌防臭効果と暑い夏の登山にピッタリの機能がついています。汗っかきにもおすすめです。
二の腕側の袖口には滑り止めが付いていてたり、ロゴが反射するなど細かな作りも登山では嬉しいポイントです。
こんな感じで機能性バツグンなのに、約2500円とコスパ最強のアームカバーです。
アームカバーを初めて買う方は、このアームカバーを買うことをおすすめします。
Goldwin(ゴールドウィン)
コンプレッションアームスリーブ(旧:インスピレーションアームスリーブ)
商品名 | コンプレッションアームスリーブ |
素材 | ナイロン77%、ポリウレタン23% |
カラー | ブラック、ホワイト |
サイズ(上腕最大囲) | 1(20-23cm)/2(24-27cm)/3(28-31cm) |
UVカット率 | 90%以上 |
機能性 | 着圧設計 |
価格 | ¥4,400(税込) |
Goldwinから出ているコンプレッションアームスリーブ(旧:インスピレーションアームスリーブ)は、着圧設計が魅力的な商品。
着圧設計により関節や筋肉の余計なブレを抑えてくれるため、岩稜帯や鎖場など腕を使う場面でも十分に力を発揮できます。
また、疲労軽減効果も期待できるので「トレッキングポールを突くだけで腕が疲れちゃう」なんて方にもおすすめです。
着圧ですが「きつい」と思わせるような締め付け感はなく、日帰り登山なら1日中着けていられる快適な着心地のアームカバーです。
Goldwin(ゴールドウィン)
メッシュアームスリーブ(C3fit/ユニセックス)
商品名 | メッシュアームスリーブ |
素材 | <本体>ナイロン79%、ポリウレタン21% <メッシュ部分>ポリエステル82%、ポリウレタン18% |
カラー | ブラック、ホワイト |
サイズ(上腕最大囲) | 1(20~23cm)/2(24~27cm)/3(28~31cm) |
UVカット率 | 90%以上 |
機能性 | 着圧設計、通気性 |
価格 | ¥4,950(税込) |
こちらもGoldwinから出ているアームカバーです。
先ほどの着圧設計に加え、手のひら側がメッシュ素材になっているため通気性に優れ、汗による不快なムレを逃してくれるのが特徴です。
暑い日の登山にはピッタリのアームカバーです。
また、手の甲から二の腕までをカバーするロングタイプで、UVカット率も90%以上のため紫外線対策もばっちりです。
着圧設計のため多少の締め付け感があり、サイズが合わないと親指の付け根に食い込んで痛いこともあります。
Foxfire(フォックスファイヤー)
SCエルゴアームカバー
商品名 | SCエルゴアームカバー |
素材 | トランスウェット®スコーロン® (ポリエステル100%) |
カラー | チャコール/グレー/ネイビー/ピンク |
サイズ(上腕最大囲) | XS(20cm)/S(22cm)/M(26cm)/L(28cm) |
UVカット率 | 不明 |
機能性 | 防虫、吸湿速乾 |
価格 | ¥4,840(税込) |
SCエルゴアームカバーは吸汗速乾性・UVカット機能に優れているのにくわえ、「スコーロン®︎」と呼ばれる虫を寄せ付けない特殊加工を施した素材が使われているのが特徴です。
スコーロン®とは、アース製薬の防虫剤を生地に固着させる特殊加工を施した素材のことで、虫が生地表面に止まっても成分を感知して刺すことなく逃げていきます。
虫が多い山に行く時は重宝するアームカバーです。
mont-bell (モンベル)
トレール クール アームカバー
商品名 | トレール クール アームカバー |
素材 | ポリエステル80%+ポリウレタン20% |
カラー | ブラック、ホワイト |
サイズ(上腕最大囲) | S(22~26cm)/M(26~30cm)/L(30~34cm)/XL(34~38cm) |
UVカット率 | 90%以上 |
機能性 | 吸湿速乾、ストレッチ性 |
価格 | ¥2,530(税込) |
高いUVカット性能と優れたストレッチ性を備えたmont-bell(モンベル)の極薄手アームカバー。
縫製にフラットシーマーと呼ばれる肌あたりをよくする技術を採用し、袖口には締め付け感をなくす工夫がされているため、ストレスの無い着け心地も特徴です。
サイズ展開が豊富なので、自分の腕にフィットするものを見つけられるでしょう。
MILLET(ミレー)
UVロングアームカバー
商品名 | UVロングアームカバー |
素材 | ポリエステル86% ポリウレタン14% |
カラー | ブラック、サファイア、シルバー |
サイズ(身長) | XS-S(150-165cm) /M-L(170-185cm) 女性にはXS-S、男性にはM-Lがオススメ |
UVカット率 | 95%以上 |
機能性 | ストレッチ性、フラットシーマー |
価格 | ¥3,630(税込) |
MILLET(ミレー)から出ているUVロングアームカバーは、軽量でストレッチ性の高いロングタイプの商品です。
このアームカバーの特徴はUPF50+の素材を使用し、95%もの紫外線をカットしてくれるところ。
手の甲までしっかりカバーしてくれる設計になっているため、紫外線の強い山でも日焼けの心配をせずに登ることが出来ます。
アームカバーをして夏の登山に出かけよう!
- 日焼け・暑さ対策
- 虫対策
- 腕の疲労軽減効果
- けが予防
以上、アームカバーをするメリットとおすすめの商品6選の紹介でした!
アームカバーは日焼け対策になる以外にも、虫や疲労からも身体を守ってくれるアイテムです。
初めて買う方、どれを買うか迷っている方にはCW-Xのアームカバーをおすすめします。
しっかり紫外線をカットしてくれながら、多くの機能で快適に着続けることができます。
アームカバーは、ファッションアイテムでもあるのでオシャレ登山者になれるかも!?
是非、夏の登山で試してみてください。
それでは、おしまい!
日焼け対策では日焼け止めを塗ることも重要です。あわせてご覧ください。
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