夏に怖い登山の熱中症 | 万全な対策をして安全に登山をしよう!

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毎年、夏になると毎日のように流れる“熱中症”のニュース。

熱中症は街中だけでなく登山中にも起こりうる、夏には切っても切り離せない病気です。

熱中症になると、立ちくらみや頭痛、筋肉の硬直を引き起こし遭難・死亡するケースも。

過酷な環境で行う登山では必ずしも防げるとは限りませんが、対策をすることでより安全に登ることができます。

今回は熱中症にならないための対策と、もしなってしまった時の応急処置について解説します。

自分以外の一緒に登るメンバーの身を守ることにも繋がりますので、ぜひ覚えて安全に登山を楽しんでください。

目次

熱中症になるとどうなるの?熱中症の症状

夏は毎日のように熱中症のニュースが流れ、街中でも起こりやすい病気なのでみなさんご存知かと思いますが、今一度、熱中症がどういう症状なのか確認してみましょう。

重症度症状
軽症(Ⅰ度)立ちくらみ、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の発汗
中等症(Ⅱ度)頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
重症(Ⅲ度)意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温
公益社団法人全日本病院協会 参考

熱中症とは、暑い環境に身体が適応できず体温の調節が上手くいかなくなったり、汗をたくさんかいて体内の水分や塩分のバランスが崩れたりして、めまいや立ちくらみ、筋肉のけいれん、頭痛などの様々な症状を起こす病気のことです。

熱中症は症状によってレベル(重症度)がありますが、Ⅰ度は「現場での応急処置で対応できる軽症」、Ⅱ.Ⅲ度では「病院への搬送・入院を必要とする」とされています。

初期症状はぼーっとしたり、いつもと感覚が違ったりと軽い症状から始まることもあり、運動をして疲れている登山中では気づきにくいこともあります。

登山中の熱中症による死亡や遭難

登山中の「熱中症」による遭難が案外多い。

長野県警山岳安全対策課のまとめによると、県内山岳で2023年7・8月の夏山シーズンに発生した遭難のうち、熱中症を含む「疲労」による遭難件数が19件もあったようです。

また、熱中症から注意力や体力が低下し転倒・滑落しているケースも多く見られるといいます。

過去には高校生が重度の熱中症を起こして死亡した事故や60代男性が熱中症(または病気)により登山ルート付近で倒れ、そのまま死亡したというニュースもありました。

登山では熱中症になりやすい?熱中症になる原因

出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル2018」

熱中症は夏にかかることがほとんどで、夏の暑さが大きな原因の一つになっています。

暑さだけでも熱中症は引き起こしますが、熱中症になりやすい条件「環境」「からだ」「行動」が組み合わさることで発症するリスクが高まると考えられています。

夏の登山ではそれら全てが当てはまる可能性があります。

登山中は体温が上がりやすい(環境)

直射日光や高い湿度

熱中症になりやすい環境には気温が高いこと以外にも、「日差しが強い」「湿度が高い」「風が弱い」ことが挙げられます。

登山では標高が高くなるにつれて気温は低くなりますが、代わりにギラギラと照りつけるような日差しが特徴です。

標高を上げると森林限界といった高い木々が無い場所もあるため、強い日差しを長時間浴び続けることになります。

また、樹林帯や梅雨の時期は湿度が高く風が通り抜けないことも多いので、山は熱中症になりやすい環境にあると言えるでしょう。

身体に熱がこもる

登山は海のように「裸で」とはいかず、衣服を身につけて行います。

日差しが強かったり湿度が高かったりする上に、運動をして熱が上がっているためウェアの下はサウナ状態に。

さらに、ザックで背中を塞いでいたり安全のためしっかりとした登山靴を履くため、登山の装備は身体への風通しが悪く熱がこもりやすい状況を作っていると言えます。

体に起きる3つの不足(からだ)

水分不足

登山ではたくさんの汗をかき、酸素を取り入れようと普段より多く呼吸するので、体内の水分が無くなりやすいです。

しかし、身体の水分を失いやすい環境であるにも関わらず「トイレが心配だから…」と水分補給をしない人が多いことも事実。

水分が減ると身体を冷却してくれる機能である「汗」が出なくなり、コントロール出来なくなった体温が徐々に上がってきて熱中症を引き起こしてしまいます。

栄養不足

登山はある程度強度の高い運動を長時間かけて行う、思った以上に身体への負担が大きい運動です。

国立健康・栄養研究所によると、登山はテニスやバスケットボールの試合と同程度の運動負荷があるとしています。

そんな登山では、多くのエネルギーを消費して活動時に空腹や栄養不足になりやすいのです。

身体が栄養不足になると熱中症のみならず、シャリバテを起こし熱中症と同じような症状が現れます。

熱中症は特にタンパク質が不足すると起こりやすいそうです。

寝不足

登山は早朝から登り始めることが基本なので、どうしても睡眠時間が不足しがち。

また、遠出をするとなるとほとんど眠らないで出発するなんて方もいるのでは無いでしょうか。

寝不足により疲れが完全に取れていない状態で登山をすると、自律神経が乱れて体温のコントロールが上手くできず熱中症になりやすくなってしまいます。

登山は運動量の多いアクティビティ(行動)

夏、気温や日差しが暑くなると身体から熱がうまく逃げなくなります。

それに加えて、運動をしていると身体の中にさらに熱を作り出すため体温が高くなります。

体温が37℃以上になると脳を含めた臓器が機能しづらくなり、身体の調子が悪くなり熱中症を引き起こします。

先にも述べた通り、テニスやバスケットボールの試合と同程度の運動負荷がある登山では、身体の中で熱を作りやすく熱中症になりやすいと言えるでしょう。

ここまで説明した要因が重なることが多いため、登山では熱中症になりやすいと言えるでしょう。

⛰️山小屋バイト経験者のコラム⛰️

標高が高いところでは体温が上がる?

山小屋アルバイトを経験しているときはコロナがまだ落ち着かないころ。仕事前に必ず熱を測っていました。

そんなアルバイトの日々を過ごしていると、あることに気がついた。それは体温がずっと37℃前後だったこと。

私は平熱が36.3℃だったので「コロナかな」「高山病かな」と心配していたのですが、同年代の男性も基本37℃(平熱は36℃台)だったよう。
他のスタッフも下にいる時より「体温が高い」と言っていました。

どこかの研究者や機関が出した正確な情報では無いですが、標高が高いところでは体温が上がるのかもしれません?

7、8月でも日中は15℃前後、夜は1桁台になることもあったので、ただ寒さから身を守るために熱を上げていただけかもしれませんが…

万全な熱中症対策をして安全に山を登ろう!

ここまでで登山は熱中症になるリスクが比較的高いということが分かって頂けたかと思います。

しかし、熱中症はしっかり対策をすることでなるリスクを下げ、もしなったとしても対策をしていた時とそうでない時では症状に大きな差が出ます。

登山で出来る熱中症対策は登山前登山中に分けられますので、それぞれ解説していきます。

登山前に出来る熱中症対策

登山前に出来る熱中症対策① | 前日は睡眠をしっかりとる

睡眠不足は熱中症だけでなく疲労の原因にもなります。

登山前日は出来るだけ早寝を心がけましょう。

しかし、登山前日も夜遅くまで仕事や予定が入っている方もいるかもしれません。また、早い時間帯にベットに入ったとしても寝られないことも多いですよね。

もし、睡眠時間が確保できない場合は、睡眠の質を上げて短い睡眠時間でも元気に活動できるようにしましょう。

眠れず疲れが取れていない状態で登山をすると、事故や遭難を引き起こす恐れがあります。
そういう場合は、その日の登山はお休みして計画を組み直しましょう。
山は逃げません。

「早い時間帯にベットに入れるけど眠れない」という方で車の中でも寝れる人は、夜のうちに出発して車中泊をするという手もありますよ。

登山前に出来る熱中症対策② | 日が昇る前に行動を開始する

熱中症になりやすいのは「気温が高い」「湿度が高い」「日差しが強い」時です。

1日のうちで日差しが最も強い時間帯は10時〜14時とされています。

この時間に日差しを遮る木々がない稜線を長時間歩いていると、熱中症になるリスクが上がります。

また、日差しが強いということは紫外線も強くなり、日焼けする恐れも高まります。

樹林帯も日が昇った8時ごろから蒸されて湿度・気温とともに高くなってきますので、熱中症にならないためにも遅い時間帯の出発は避けましょう。

公共交通機関を利用して登山をしている方はなかなか難しいですが、夏場の登山は朝5〜6時くらいの早い時間帯から登り始めることをおすすめします。

朝5〜6時は夏で最も気温が低い時間帯です。

その時間に登り始めれば、蒸し暑くなる前に樹林帯を抜けることが出来ますし、コースタイム6時間の山であれば9時には山頂に着けるので、一番日差しが強い時間帯を避けて行動することが出来ます。

夏の登山に厄介な汗や樹林帯の虫も避けられておすすめです。

登山前に出来る熱中症対策③ | 夏の暑さに慣れておこう

身体が暑さに慣れていないと熱中症になる危険性が高まります。

普段、エアコンの効いた屋内で仕事をしている方は、身体が暑さに慣れていない状態で登山をすることになりますので、熱中症になるリスクは高まります。

そういう方は登山の前に暑熱順化という対策を取り入れて、暑さに慣れておくと良いでしょう。

暑熱順化とはウォーキングやランニング、筋トレなどの運動を1回30分程度、数日〜2週間ほど行ったり、入浴をして汗をかくことを目的にした対策です。

これを行うことで発汗量や体温調節機能が高まり、身体に熱を溜めにくく(熱中症になりにくく)してくれます。

暑熱順化については、日本気象協会が運営しているサイトで詳しく解説されているのでこちらをご覧ください。

登山中にする熱中症対策

登山中にする熱中症対策① | 水分・塩分補給をこまめにする

登山の熱中症(脱水)対策では水分・塩分を補給することが何より重要です。

夏の登山ではたくさんの汗をかき、身体から水分や塩分が失われます。

「トイレが心配だから…」と水分補給をしない方も見られますが、熱中症になるリスクが格段に上がりますので、水分補給は必ずしましょう。

登山時の水分補給は「喉が渇く前に、こまめに少しずつ」が基本です。

一気に飲み過ぎると胃腸に負担がかかったり、体内で処理しきれず水分が余ってしまい尿として出すことになってしまいます。

熱中症対策としての水分補給はスポーツドリンクや経口補水液など塩分(ナトリウム)を含んだものがおすすめですが、水で補給をする場合は塩分タブレット梅干しなどの塩分を含んだ行動食も一緒に食べましょう。

こちらの記事で紹介した水分量の計算式は最低限持っていく目安になります。

熱中症のリスクが考えられる夏場の登山では、目安より多めに持っていきましょう。

特にアルプスや山小屋がある山に行く時は水場があるし重いからと、水をそれほど持って行かない人も見られます。
しかし、残雪量が少なかったり好天が続くと水場が涸れてしまう恐れがあります。そうなると山小屋に到着しても水の補給制限やペットボトル飲料の売り切れ等があり、水の補給ができない場合もあります。
特に暑い夏は事前に情報収集したり、普段より多めに飲料水を持っていきましょう。

登山中にする熱中症対策② | 行動食で栄養補給をする

先ほど身体が栄養不足になると熱中症になりやすいとお伝えしました。

登山では多くのエネルギーを消費して空腹や栄養不足になりやすいので、適宜休憩を取り、行動食で栄養を補給するようにしましょう。

普段の食事から栄養(特にタンパク質)を気にして食べたり、行動食にタンパク質を含んだ食べ物を持っていくと良いでしょう。

登山中にする熱中症対策③ | こまめなウェアの着脱で体温調整をする

行動開始時は肌寒くて重ね着をしていたけど歩き始めたら暑くなってすぐ脱ぐ。稜線に出て風が冷たくてまた着る、なんてのは登山ではよくあること。

登山の服装はレイヤリング(重ね着)が基本で重要だと言われています。

面倒臭いからとこの重ね着の着脱を怠ると、汗をかき熱がこもって熱中症のリスクを高めてしまいます。

出来るだけ「汗をかく前」「暑くなる前」の“前行動”が大切です。

しかし、経験の浅い登山初心者にはこの前行動は難しいと思います。

そのため、暑くなったタイミングで逐一止まって脱いだり、休憩の時にこまめにレイヤリングを見直しましょう。

ザックを下ろして脱ぎ着をするのが困難な場所や、汗をかくほどでもないけど少し暑いという場合は、ボタンを開けたりジップを下すだけでも違いますよ。

登山中にする熱中症対策④ | 熱中症対策グッズを使う

出典:石井スポーツ

登山者の増加とともに年々熱中症での遭難者も増えています。

そのため、登山メーカーも熱中症にならないよう工夫を凝らしたウェアやアイテムを販売しています。

ウェアやアイテムによる熱中症対策も効果的ですので、上手に取り入れましょう。

熱中症対策グッズ① | 帽子をかぶって直射日光を避けよう

登山では山頂に近づくにつれて高い木々が無くなり(森林限界)、日差しを遮るものがありません。

直射日光を浴び続けると紫外線で頭皮が焼けるだけではなく、頭がオーバーヒートして脳の機能が正常に働かないことも。

頭のオーバーヒートはのぼせや疲労感、さらには熱中症に繋がってきますので登山では避けたいところ。

帽子を被ると頭の温度は10℃も違うという結果も出ていますので、頭を守るためにも帽子は必要です。

頭は汗を多くかく場所のため、帽子を被ると「蒸れて気持ち悪い」という方もいるかもしれません。

そういう方はメッシュ生地を使った通気性の高い帽子がおすすめです。風が吹くたびに頭がスーッと涼しくなり気持ちがいいですよ。

▼紫外線が気になる方はこちらもチェック▼

熱中症対策グッズ② | 汗処理機能の高いウェアで汗や熱を逃して快適に

出典:finetrack

暑い夏の登山ではとにかくたくさんの汗をかきます。

普段街中で着ているような服だと、通気性が悪く熱がこもって熱中症になったり、汗が乾かず汗冷えしてしまうことも。

「登山に汗は大敵」ということで、各登山メーカーからは高い汗処理機能をもったウェアが多く販売されています。

夏のウェアは通気性(クーリング機能)や吸汗速乾性に注目して探してみましょう。

THE NORTH FACE(ノースフェイス)から出ている汗処理機能に優れたTシャツ「ショートスリーブフラッシュドライスリーディーティー」。

水分を保持しない撥水ポリエステル糸を使用し肌をドライにキープしてくれながら、吸い取った汗を素早く乾かしてくれるので汗によるムレや不快感を無くしてくれるTシャツです。

Foxfire(フォックスファイヤー)のSCウィンドパスフルジップは吸汗速乾に優れたフルジップシャツ。

薄く軽量なジャカード編みの生地で細かな隙間により通気性にも優れていて、薄くて蒸れにくいのが特徴です。

長袖という点にUVカット機能もあるので、容赦のない日差しを受ける稜線でも日焼けから肌を守りながら快適に登ることが出来ます。

その上、防虫効果もあると夏山に大活躍する1着です。

出典:国立環境研究所

ウェアを選ぶ際に注意したいのが服の色です。

「黒色が暑くなる」という知識は皆さんお持ちかと思いますが、服の色でもそれは当てはまります。

国立環境研究所の報告では、黒や深緑色などの服は熱の吸収率が高く、太陽の光を浴びると白色の服に比べて20℃も温度が高くなるという結果が出ています。

いくら汗処理機能の高いウェアを選んだからといって、色の選定を間違えてしまうと熱中症のリスクは下げられません。

また、黒色や濃い色の服はスズメバチや蚊などの毒虫に刺されるリスクも高まります。虫も活発な暑い時期にはそれらの服は着て行かないようにしましょう。

とくに日差しが強い日の登山には、白や黄色などの明るい色のウェアを着ていくと良いでしょう。

熱中症対策グッズ③ | ショートパンツでおしゃれに涼しげに

登山の服装は「長袖長ズボンが基本!」なんてのはもう昔の話。

夏の登山では半袖半ズボンの涼しげな格好で登っている方も多く見られます。

夏に半袖で登る方は多いと思いますが、私が推したいのはショートパンツです。

最初の1着に3シーズン履ける長ズボンを購入してそれを夏も使っている方がほとんどでしょう。

しかしそういった長ズボンは、春秋の肌寒い時期にも対応するため生地が少し厚く、通気性がいいものも少ないため夏には蒸れてしまうことが多いです。

そこで登場するのがショートパンツ。熱がこもりにくいため熱中症を防ぎながら快適に、そしておしゃれに登ることが出来ます!

ショートパンツを履いていく場合は、怪我や日焼け防止のためにタイツを履いていくこともおすすめします。

登山中に熱中症になってしまった時の応急処置

登山では「ただの疲労だ」と勘違いして気付きにくい熱中症ですが、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。

少しでも「熱中症かも?」と感じたら、これから説明する応急処置を出来るだけ早めに行いましょう。

意識があり自分で判断ができる場合は、滑落の危険が無い安全な場所で行いましょう。

※登山中はこれらが全てすぐに出来る環境ではありません。とにかく出来ることからやることが症状の悪化を防ぎます。

熱中症の応急処置① | 涼しい場所に移動する

熱中症になったらまず日差しを避けられ風通しの良い涼しいところに移動するのがいいでしょう。

近くに山小屋がある場合はそこを利用させてもらうのが一番です。

近くに山小屋がない場合は日陰に移動しましょう。

しかし、標高が高いところだと高い木がなく日陰が見当たらない場合もあります。

そういう場合は、日が当たらない岩陰や風通しの良い、なるべく涼しい場所を見つけましょう。

涼しい場所を見つけたら、座ったりザックに足を乗せて横になったりして安静にしましょう。

熱中症の応急処置② | 衣服を脱いだり、濡れタオルで身体を冷やす

身につけているアイテムは出来るだけ身体から取り外します。

ウェアの中は熱がこもっているため、もし重ね着をしているならそれを脱ぎ、ズボンの紐を緩めるなどして身体から熱を放散させましょう。

また、水分補給をした後でも水が残っている場合や近くに水場がある時は、タオルを濡らし体を冷やすといいでしょう。

首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面など、皮膚のすぐ近くにある太い血管を冷やすと効果的です。

熱中症の応急処置③ | 水分や塩分の補給をする

汗で失われた水分と塩分を補給します。

塩分(電解質)も同時に補える経口補水液やスポーツ飲料などを飲むのがおすすめですが、すぐに用意できない場合はとりあえず水分補給をしましょう。

水分のみの補給になった場合は少し落ち着いてからでもいいので、塩分タブレットや梅干しなどの塩分を含んだ行動食を食べると良いでしょう。

熱中症による吐き気がある場合は、口から水分を補給すると吐いてしまい余計に脱水症状を悪化させてしまう恐れがあります。

そういう場合は身体を冷やすことを優先し、吐き気が落ち着いてきたら少量ずつ水分を補給するようにしましょう。

重度の熱中症の時は?

熱中症が重度になると意識が朦朧とし、自分の状態を判断できないまま急に意識を失う場合もあります。

こうなると上記で説明した応急処置は自分で行うことはもちろん不可能です。

グループ登山をしている場合は周りの人が、「受け答えがはっきりしていない」などの症状をいち早く気づいてあげることが重要ですが、もし気づかずに症状が進行していたら迷わず救助要請をしてください。

その上で先ほどの応急処置を行いましょう。

呼び掛けや刺激に対する反応がおかしかったり、応えない時には誤って水分が気道に流れ込む可能性があるため、無理に飲ませることは避けて下さい。

まとめ

以上、夏の登山で出来る熱中症対策まとめでした。

熱中症になると行動不能になったり、それが原因で滑落・転落が起こり死に至る場合もある恐ろしい病気です。

もし熱中症になって救助要請したとしても、すぐには助けに来れないのが山です。

この記事を参考に自分で熱中症にならないためにしっかり対策をとり、安全に楽しく登山をしましょう。

それでは、おしまい!

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